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誕生日が待ち遠しくて

夫がカレンダーを見ながら「誕生日がいっぱいだねぇ……うち2人が非実在青年だな」と言った。

そう、今月は私と息子と推しと推しの誕生日があるので忙しい。

私は2次元と3次元を分けて考えるほど狭量な女ではないのだ。

というわけで今夜も、昨日祝った推しの誕生日の残りのアイスケーキをつついている。

ケーキはそこまで食べられない、という夫のためにアイスケーキにしてみたのだ。
あと3回誕生祝いがあるので、ゼリー系などうまくケーキの種類を変えていく予定だ。

推しの誕生日も私の誕生日も同じく大事だけれど、息子の1歳の誕生日はやっぱり特別だ。

まだ1週間以上あるのに、もうすぐ1歳なのかと思うと感慨深くて仕方ない。

あのふにゃふにゃで、しわしわだった息子。
今ではこんなつやつやでふくふくで、髪もいっちょまえに生えていて、今にも立って歩き出しそうである。

手足をバタバタするばかりだったのに、今では部屋の中を縦横無尽。

なんだかまだわからないけれど、「あうあーうあうあ!」「うー!」となにかを一生懸命話してくれたりする。
最近は結構話が通じている感じがすることも多い。

寝不足でしんどくて時に涙を流しながら手探りで過ごした暗黒の日々はもはや過去になりつつあり、そろそろ普通食にしてみましょうかと保育士さんと相談して、もうすぐ哺乳瓶も使わなくなるのかと思ったら妙にさみしく感じたりした。

思えば、最後まで無事に産むイメージをもてないままの出産だった。

身近な人の死産や、婦人科の疾患を抱えていること、手術で子宮にメスが入っていること、色んなことが重なって、どうもちゃんと産める自信がなく、なかなか妊娠したと人に言えなかった。

だから伝えるタイミングを逃し続けて、不義理をはたらいてしまった気もしている。

そもそも自分の生殖能力を疑っていたので、妊娠した時は本当に驚いたし、夫も半信半疑という感じで、お互いやたら慎重に確認作業を進めていたのが面白かった。

びっくりして、戸惑って、もういい歳した大人だし、それなりのことをしたから妊娠したわけなのに動揺して、それでも妊娠が確定した時に「嬉しい」と思えた時はほっとした。

その後の激しい悪阻にはいっそ殺してくれとさえ思ったが、その間もメキメキ成長していく息子はすごかったし、人体のすごさを感じた体験だった。

そういえば、妊娠糖尿病と診断されて、毎食後血糖値を測ったりもしてたっけ。

帝王切開は半身麻酔で意識があるのが怖かったけど、びっくりするほどあっさり(速く)出てきて驚いた。
あれはあれで面白い経験だったし、手術前に看護師さんに素直に「緊張します!お腹切られるのに意識あるっていうのがこわくて」と話せてよかったなと思う。
あの時から少しずつ自分が変わっていたのかもしれない。
以前の私なら「大丈夫です!いよいよですね!」とか適当に言ってたかもしれない。

ちなみに私は経膣分娩の方が痛そうだし大変そうだと思っているのだが、経膣分娩した友人は帝王切開の方がおそろしく感じるようで、結局人は未知のものがこわいんだな、なんて思う。

初めて息子の顔を見た時の感情は「とにかくほっとした」「本当に出てきた。赤ちゃんがいた!」だった。

しばらくは「かわいい」とか「愛しい」とかはよくわからなかったけれど、今では毎日かわいいかわいい大好き愛してると抱きしめている。

よく自分の名前を「かわいい」と混同しないなと不思議なくらいだ。

そんな息子の1歳の誕生日、盛大にお祝いして可愛いケーキを用意して、バッチリ写真に残したいけれど、ケーキを作る技量もなければ飾り付けのセンスもなく、挙句現在家庭内でパンデミックが起こっており、私と夫が風邪でダウンしている。

ケーキづくりの予習をするつもりが、できなかった。当日の私に期待。

でも仕事もあるし、夫の方が器用で料理上手。
しかも当日仕事が休みだった気がするから、夫の力を借りよう。
むしろ丸投げするかもしれない。

よろしく頼んだ夫よ。

はじめての子育ては当然のことながらはじめてのことの連続で、時にしんどく、悩みも多い。

難しいなぁと思う分、刺激的であるともいえる。

正直に言えば妊娠することも、子どもを持つこともこわくて仕方なかった。

私は子宮筋腫ができやすい体質で、おそらく人より早く子宮を摘出することになるだろうと言われている。
それで一度手術で筋腫を取った後、本格的な妊活かピルを飲む(その間妊娠はできない)コースかを選ぶことになった。
授かったら産む、出来なかったらそういう人生、というように自然に任せることができなくなってしまったなぁという悲しみを感じながら、既に散々悩み色々試した後だったので、やらずに後悔するよりはと、とりあえずコースを決めるまでの間避妊しないでみたら驚いたことに妊娠した。

だからある意味、ある程度ストレスがかかっていて、ちょっとばかになって考えすぎるのをやめたら授かった、みたいな流れだ。

体になんの問題もなくて、制限もなかったらこわくて子作りなんてできなかったかもしれない。

今となっては産んだ以上、もう後はやるっきゃない。
育てて稼いで生活して、とにかく生きていくしかない。

これはこれで大変だけど、こんな幸せもあったんだなぁと思うこともしばしば。
こんなに慕ってくれるものなのかと驚くし、毎日息子のかわいさに身悶えながら過ごしている。

とはいえ、私の妊娠出産はこんな経緯なので、子を持つことに不安や恐怖がある人の気持ちはよくわかる。

だから文章を通して、育児中の人と、その周辺のひと、プレママプレパパ達の橋渡しができたらいいなと思ったりしている。
その割には適当な文章ばかり書いているけど……。

なんだか随分話が脱線してしまった。

そう、私は息子の誕生日が本当に待ち遠しいのだ。
どうか無事、息子の1歳の誕生日を迎えられますように。

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