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勉強はセックスに似ている

最近趣味で統計の勉強を始めた。

勉強はいい。

没頭する快感。満たされる好奇心。余計な考えは頭の外へ。

そして対象との距離が縮まり、世界の謎が深まる。

「自己決定が幸福度を上げる」という調査結果がある。

日本は国全体で見ると「人生の選択の自由」の変数値が低く、そういう社会で自己決定度の高い人が、幸福度が高い傾向にある

子どもの自己決定に委ねよう、と親としても参考になるが、最近勉強をしていて幸福感が上がっていることとも繋がるなと納得する。

母親業は極めて選択の自由が少ないからだ。


私は知るのが好き。

わくわくして、楽しい。静謐な空間に包まれて頭に清らかな水が流れるよう。
爽やかで、心地よい。

時に、ビリビリと電流が流れるようなこともある。震えながら静かに興奮する。

世界の解像度がすこし、あがるような。
目の前が明るく開けるような。

世界が広がり、そしてまた新たな謎が増えていく。

近づけば遠ざかり、わかればわからなくなる不思議な世界。このバランスがたまらなく心地いい。

そしてほんの少し新しくなった私がそこにいる。

要するに、私にとって勉強は快楽なのだ。


高校生くらいの時、多くの人は勉強が好きではない、と知って驚いた。

得た情報と旧知の知識を結びつける際の、検証を重ねる作業が好き。
これが、あれで、こうなのでは……?と自分の中ですくい上げたさらさらの砂を、慎重に、丁寧に包み込んで、仮説という形にして、それをあやうく、脆く、あぶなっかしい、なんとも不器用な私の体を通して外へ出す。
いつもそこに生じる違和感を少しでも埋めようと足掻く。そうして頭がブンブン唸っているときがハッピー。

だから学校の勉強も、大学の研究活動も楽しかった。

きっと私は浮いていたんだろうなぁ。

有意義なことにはもうウンザリ

今回の勉強はやりたいからやっている。

高卒レベルの基本の基本からやっているから、転職などには直接結びつかないだろう。

それでも、前から興味があったので、学んでいて楽しい。

そもそも意義のあることにはもううんざりなのだ。

日々カツカツの時間の中で子どもの世話をし、家事をし、出勤し、働いて、なんとかその日片付けるべきことをやって時々やり切れなくて諦めて寝る。

常にタスクをこなす順番と、何を同時にこなせるかを考え、タイムリミットに追われている。

だからもう有意義なことはコリゴリだ。

私は今すぐ役に立たなくてもいいから自分の好きなことをやりたい。

自己有用感がメタメタなんです

こんなに密度の濃い日々を送っているなら達成感もありそうなのに、残念ながらここのところ不満だらけだ。

主に、仕事の面が大きい。
仕事内容がつまらなくて、昇進は閉ざされ、ボーナスは最低評価。

時短でも、前と同じ成果を出しています!と言いたくても前と同じ仕事が振られないし、今できる範囲でプラスαを行なっても暖簾に腕押し。

自分の力不足もあるだろうから会社ばかりを責められないのも、くやしい。

ただもう戦い方がわからなくなってしまったのて、戦うのを辞めた。というか、力尽きて道を変えたんだと思う。

孫子の兵法にも、「戦わないのが一番」みたいなことが書いてあったもんね。
いきなりあれ書いてあるの拍子抜けするけど、深いよね。

「やるべきこと」に追われる中で、「やらなくてもいい」うえに「自分だけが評価できること」をやるのは最高だ。

誰も認めてくれないなら私が認めればいい。

徹底的にハードルを下げて、自分を責めないように勉強方法を設定したのでひたすらに楽しい。

コツコツ勉強できていることで、多少自信も戻ってきた。

大丈夫、私は人生をコントロールできているし、人生を楽しむこともできる。

ここまで追い詰められると娯楽や趣味のアニメ漫画を通り越して勉強に辿り着いたのが我ながら面白い。

うっすら、今後のキャリアへの不安も減らせるからだろう。
何より主体的に取り組めることが自信に繋がっているように思う。

なんだかもしかして、これって昇華なのでは?と思い始めた。

昇華
精神分析で、社会的に認められない衝動や欲求を、芸術活動・宗教活動など社会的・精神的価値をもつものに置き換えて充足すること。自我の防衛機制の一 (「大辞林 第三版」より)

けどまぁ昇華上等。

楽しいし、身につくのだからよいのだ。

そしてコツコツ勉強するペースを掴めてきたので、この調子でキャリアアップに繋がる勉強もしたいな、という光が見えてきた。

でも今はただやりたいことをやりたいので、
コツコツ統計の勉強をしながらうふふ、うへへ、とにこにこしています。

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#エッセイ #勉強 #統計 #ワーキングマザー #ワーママ

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