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「パイレーツ・オブ・カリビアン」を破った「劇場版 Free! -Timeless Medley-約束」※新宿ピカデリーにおいての話

このツイートにちょっと驚きました。

局所的な、しかも先週末限定の初動のお話ではありますが。
だって皆さん、「パイレーツ・オブ・カリビアン」は知ってるけど、「劇場版Free!」って何?という方が多いでしょう。

「Free!」は2013年から放送された水泳に打ち込む男子高校生の青春を描いたアニメ作品。
1期、2期のテレビアニメ放送を経て、2015年に新作劇場版が上映され、更に今年3本の映画公開を予定している人気シリーズ。

今回海賊を抜いたのは、7/1に公開されたばかりの、ライバル校サイドの物語総集編だ。
総集編というとつまらなさそうだが、視点を定めたことと新規エピソードの追加により、物語が再構築され輪郭がはっきりした。こんなにファンに喜ばれる総集編はないというほどの内容であった。

物語は、主人公のライバルである松岡凛を主軸に、世界を目指すという夢への葛藤、親友山崎宗介との再会と、宗介含む同じ水泳部の仲間たちと本気のリレーを泳ぐまでの軌跡を描いている。
凜は、幼い頃に漁師の父を海の事故で失っており、かつて町一番の泳ぎ手で憧れていた父の「世界を目指す」という夢をいつしか追いかけるようになる。
しかし壁は高く、夢への道のりは容易ではない。
凛の所属する鮫柄学園水泳部は、全寮制男子校の名門水泳部。競争と実力主義のシビアな現実がそこにはある。
それは誰の夢なのか、叶わなかった夢に価値はないのか。

彼らは顔も筋肉も美しいが、なにより生き様が美しい。
それぞれ大なり小なり叶えたい夢を持つ男たちの、積み重ねた日々に心奮わされた。

▼ちなみに先に公開された主人公サイドはこんな感じ

▼主人公(七瀬遙)とライバル(松岡凛)の関係はこちらがわかりやすいかと

なんかもう胸がいっぱいになってきました……。

さて、この映画が新宿ピカデリーで公開最初の土日になぜパイレーツ・オブ・カリビアンを抑えて1位に輝いたのか。
理由は2つあるとみている。

1.人気キャラの入場者プレゼント
2.新宿ピカデリーという場

1.人気キャラの入場者プレゼント

普段からアニメを見ているようなどちらかというとコアなファン向けのアニメ映画は、リピーター獲得戦略がすごい。
今回でいうと、週変わりの①入場者プレゼント②キャラクターによる舞台挨拶がそれだ。

②キャラクターによる舞台挨拶は、映画上映前にキャラクターによるミニ舞台挨拶動画が流れ、フォトセッションの時間が設けられるというもの。フォトセッションで撮った写真はSNS等で公開OK。全種類観て撮影したいファンは、毎週劇場に足を運ぶことだろう。
今回は初動の強さという点で、①入場者プレゼントに注目したい。

①週変わりの入場者プレゼント
こちらは、各キャラクターが描かれたコースターを週変わりでランダムに配布するというもの。

毎週2~3種類で、入場時に中身の見えない袋に入った状態で渡される。
この入場者プレゼントはコンプリートを目指すファンもおり、そうすると最低でも10回は映画を観ないといけないことになる。(実際には、プレゼントには興味のない友人に譲ってもらったりもする。)

で、今回第1週に人気キャラクター「真琴」を持ってきたのだ。
彼は大変人気があり、先に公開された主人公サイドの映画の際は4週目のプレゼントとして配置されていたのだが、席の予約もあっという間に埋まり、普段火曜か水曜くらいまで残っている入場者プレゼントが、劇場によっては土日(土曜日からプレゼントが切り替わる)で品切れてしまうという凄い状況を生み出した。
上映開始初期の入場者数を元に各劇場の入場者プレゼント数も決まるらしく、4週目にして急に観客が押し寄せる事態となってしまったのだ。
実は私も彼のコースターを入手すべくチャレンジしたのだが、自分で引くことはできず、このような状況なので交換もままならず(皆なかなか手放さない)、また妊娠中のため平日夜仕事帰りに映画館に通うこともできず(普通の身体なら絶対にやっていた)、やむをえないと思いつつも地団駄を踏んだ。
ちなみに彼のコースターはヤフオク等で映画入場料の2~3倍くらいの額で取引されていたりする。
そんな苦労を既に経験していたので、彼のファンや、コンプリートを目指すファンは1週目から劇場に押し寄せた。正直、前回よりはずっと入手しやすくなったのではないかと思う。幸い私も1週目は全部そろえることができた。(表紙の写真がそれです。)
初動を盛り上げる要因にもなり、ファンにとっても制作サイドにとってもwin-winの展開となったのではないだろうか。

2.新宿ピカデリーという場

そして、今回の結果は新宿ピカデリーだからこそ、だと思われる。
新宿ピカデリーはその名の通り新宿にある、松竹系のシネマコンプレックスだ。
アニメ系映画の上映も多い。Free!シリーズの劇場版では、ここがメイン劇場となって舞台挨拶が行われたり、パネル展示等の各種プロモーションが行われた。いわば「聖地」のような場所で、グッズも比較的量が多めなので、まずはここで観るファンが多いのだ。
大きめのスクリーンや、特別な空間でゆったり鑑賞できるプラチナシートも用意してくれる。プラチナシートは1人5000円だが、上映1時間前から専用ラウンジが使え、スクリーンがちょうど目線の高さに。じっくり集中して鑑賞したいファンはこちらを使うことも多い。
シネマコンプレックスとしては差別化ができているといえるだろう。

そんなわけで、私も先週末は映画館に引きこもり大変楽しい時間を過ごした。正直、初動は「どうしてもこの映画を初日に観たい」というファンの数にもよるので、コアなファンがいる作品のほうが強いというものあるだろう。
各種リピーター獲得戦略やプロモーションのおかげで、ただ映画を観るだけではない楽しみがあり、何かアトラクションを体験しているような気分である。
どうしても身体の自由が利かない部分もあるけれど、可能な範囲で引き続き楽しみたい。
まだまだ何度か観たいし、欲しい入場者プレゼントもあるのだ。

ちなみに同じ映画を何度も観てどうするの?と訊かれることもあるが、毎回異なる発見があったり、「あの時、何て言ってたっけ」「あの時の表情、あのシーン、一時停止したい!コマ送りで観たい!でもできない!!!!また観るしかない!!!」といった観点からまた劇場に足を運ぶことになるのだ。
楽しい。
オタクの欲望に果ては無い。

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