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まずは挨拶から始めてみては?(言語交換)

こにゃにゃちは。
静香・ランドリーです。

人生初の工場勤務をスタートして、早や3週間。
多方面からお叱りを受けつつ(叱る前に教えろやゴルァ)、低姿勢で「すみません」を繰り返す日々を送っております。

同じ課に、意外にもフィリピン人の女の子が多くて驚きました。
とにかく明るい子ばかり。
ある日の作業中。
正社員の日本人女性がフィリピン人のRちゃんに

「銅シート持ってきて。わかるでしょ?」

と尋ねたのですが、会話が成り立ちませんでした。

「ドーなに?ドーなに?」
「銅だよ、銅シート」
「ドー・・・あー、アルミニウムのね」
「アルミじゃなくて銅。いつも使ってるのは銅シートでしょ。アルミシートなんてないよ」
「だからドーってなに?」
「だから銅シートよ!」

と、2人ともだんだん苛立ってきまして。
「銅 means copper. Not Aluminum. Those sheets you use everyday is brown, right?」
と助け舟を出してみたら、多いに盛り上がりました。

「あれがドーなのねー!あー!茶色いね!」
とはしゃぐRちゃん。

『銅シート』と言う単語がどれを指すのかは理解しているので、作業的には問題ないのですが。
Rちゃんはずっと”アルミニウム”だと思っていたものが「アルミじゃない」と返されて困惑。じゃあ”銅”が何を意味するの?となるワケです。
しかし日本人側は『意味は知らなくてもモノが分かれば良いじゃん』の姿勢なのでズレてしまうんですね。

小さなことでも、きちんと理解できると嬉しいものです。

最近では、わからない単語があると筆者のところへ足を運んで質問する子も増えました。

「あのね、”ジンシャ”って聞いたけど、ナニ?」
「・・・ジンシャって?」
「”ジンシャ”って聞こえたヨ。”カミサマ"がいるシンザ?シンシャ?」
「・・・”神社”のことかな?」
「OH! そーそー!ジンジャね」
「シュレインだよ」
「シュレイン?」
「”Jinjya" means "shrine. There is a many kind of shrine in Japan, you know? We called it "Jinjya", THE GOD'S HOUSE」
「AH! "The shrine"! Now I get it. "JINJYA", アリガトねー」

といった具合に、インスタント日本語教室が立ち上がっております。

雑談中に、適当イングリッシュで通訳する機会も増えてきました。

「”蓮の花”のお茶が美味しいのよね。フィリピンにはあるかな?蓮の花ってわかる?」
「"ハス”ってなにー?”ハナ”は分かるよー」
「蓮・・・英語でなんだろ?フラワーしか浮かばない。ねぇ静香さん分かる?」
「"ロータス・フラワー"ですよ」
「あら、車の名前みたいね〜」
「Rちゃん、She's talking about "Lotus flower tea". Have you ever taste that? 」
「Oh, wow. Yeah, I know what "Lotus flower" is, but I've never heard about that tea before. オイシイのー?」
「美味しいよ、香りが良くて。ロータール・・・ん?なんだっけ」
「”Lotus flower”です」
「発音が難しいわぁ」
「”ブッダ・フラワー”で良いんじゃないですか?」
「あ、そんな感じで良いの?」
「とりあえず伝わればOK的な」
「”ブッダ・フラワー”いいねー。オモシロイねーコトバが」
ってな具合です。

・・・適当イングリッシュ講座も開設しようかな。

おかげで、筆者の働く部署では会話が増えました。
ちょっとした雑談でも、コミュニケーションが取れるのは楽しい。

話もしない間柄だと、やはり「〇〇人はルールを守らない」的なステレオタイプの誤解も増えるんじゃないかと。

日本の社会から見たらマナー違反でも、その国の文化を知ればそれなりに理解できるところもあるワケでして。
一歩引いてみれば、海外の人がフル日本語で説明を受けたとて、ルールを理解できませんし。
(理解できても「なぜそのルールを守らないといけないのか」説明しないと、適当に受け流す場合もあります)

簡単なコミュニケーションでも、相手の思うところが伝われば誤解も解けやすいですし。

単語レベルでも、意思の疎通ができた時の喜びは割と快感です。

YOUの職場に海外の人がいて、もしコミュニケーションの取り方が分からない時は、簡単な単語を覚えて話しかけるのもありではないでしょうか。

「日本に来てるんだから向こうが日本語を覚えるのが筋でしょ」

と考えているなら、話終わっちゃいますがね。

ちなみに筆者は、フィリピンの女の子達と話したくて、タガログ語の挨拶を練習して話しかけました。それもスタンダードに「マガンダン・ウマーガ(おはよう)」のみ。
たった一言の挨拶なのに、一気に警戒心が取り除かれて、話しかけた当日からランチ仲間になった次第でございます。

異文化コミュニケーションは、まず相手の言葉で挨拶してみること。
これ、大切なコツです。
挨拶ひとつで、相手には「コミュニケーションを取りたいんですよ」って気持ちが伝わりますから。

「日本に来てるんだから〜」云々のつまらぬプライドは捨てて、思い切って挨拶してみてはいかがかしら?
何度か話していると、自分の中にあった妙な偏見(?)が消えてなくなるものです。

外国の人と話すと、色んな違いが見えてきて楽しい。

「外国語で挨拶なんかして、へつらうのは嫌だ」とか言ってくる完全に論点のズレたピープルもいますが。
まぁ、”多様性とはなんぞや”って話を『どっちが偉いか』的な話題に変換しちゃうのは悲しいもんですよ。
しかし、本人がそれで良いなら無問題。己のスタンスをお守りくだされ。

では、アデュー。

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