妥協なく、本当にやりたいことができると信じてる?~書く楽しさの原点に私が戻るまで~

やりたいことと少し違う、と感じているとき、少しじゃなくて大きく違うんだと気づいた方がいい。
私たちは、「形」に惑わされて、自分の感じていることに蓋してしまうことがある。
何かちょっと違う気がするけど、同じ○○だから、いいことにしようか。
やりたいことと少しズレてるんだけど、就きたいと思っていた職種には就けてるんだから、これでいいよね。
妥協の決断。
これをあなたの、人生の進路でやっていたらどうだろう。

こんな想像をしてみよう。
あなたは遠くの目的地へ、最短距離を直進している。
ある地点で、少々の「ズレ」に気づいた。向かっているはずの目的地から、いつの間にか、ややズレた方角に逸れていたのだ。

今はまだ、ブレの角度は小さい。素直に向きを変えるなら、微調整で済む。
でも、「ズレてるなぁ」とわかっていながら、そのままどんどん歩を進めていったら――あなたが到着する所と、本来の目的地との間にできる距離は、先へ行けば行くほど広がっていく。元の軌道に戻すのが大変になるのだ。
それどころか終着点まで、ずっとそのまま突き進んだら――着いた場所は、あなたが本来行きたかったのとは全然違う場所だ。

「少し違う」と気づいてすぐ修正すると、一番労力が要らない。
心の目、すなわち、あなたが本当に感じていることをよく確かめれば、それが可能だ。

人生で、本当にやりたいことができると信じてる?

自分の活動や仕事が大好きで、毎日楽しみに目覚める。
誰に頼まれなくても、ひとりでにアイディアが浮かんできて、ワクワクする。
それに「従事できること」を心からありがたく思い、人々や世界に、感謝の気持ちでいっぱいになる――。

夢物語じゃない。
私たちの誰もが、そんな風に生きることができる。
そうするに十分な才能、資質を持っている。
条件はひとつ、
あなたがあなたを妥協なく生きると決めること。

妥協なく、あなたであるために。

あなたが「やりたいこと」や「充実を感じること」を実生活にもたらしたいなら、その内容を自分で把握し、それに従って行動する必要がある。
自分の希望を理解していなかったり、自ら「違う選択」をし続けたりしたら、叶わないのは当然だ。
自分がどうしたいか真剣に吟味する時間すら取らなかったり、本当は望みをわかっていながらも、
「やっぱ無理だよね」
「どうなるかわからないから、妥協してこれにしよう」
と、打ち消す考えを元に選択したりしていたら、その通りの質の現実が形成されても、文句は言えない。

ほかでもない私も、ある「妥協の考え」を持っていた。
自己紹介の中で、「書く」ことが私の人生に欠かせない要素だったと明かしたが、書くことが好きだったからこそ一貫してこう感じていた。
書きたいことが、書きたい。
ただし、大人になっていくにつれ、世の中を見回してこう思った。
自分の好きなように書いたとき、それが「仕事」として成り立つことはないだろう、と。
その考えから、書く活動を、サブの位置づけや趣味に限定した。
自分のヴィジョンではずっと、仕事として楽しそうに書いている自分が見えていたが、それは真に受けないことにした。
書くことは、メインにしない。少なくとも形式上そう妥協することで、私は自由に書ける楽しさを守っていたつもりだった。

それでも不思議と、何かと書く仕事には巡り合ってきた。
経験を重ねるとますます私は、「書きたいことを妥協しなければ、仕事にはならない」という自分の観念を上書きした。

やりたいことと少し違う、ってどんな風?

やりたいことと「少し違う」状況って何だろう、と、ぴんと来ない人がいるかもしれない。
具体例を挙げよう。
私は大別して「ライター」「翻訳者」を経験している。
どちらも「書く仕事」という大カテゴリに入れることができるが、それぞれ「自分の書きたいことを、自由に書く創作」とは異なる。
あなたがもし、漠然と「書く仕事がしたい」とだけ思っていて、「書くことで何をしたいのか」が不明瞭だったら、そこを明らかにした方がいい。
ここでは、私の発見したことをシェアする。
個性はひとりひとり違うので、人によっては私に合わなかったものの方が天性に合うということもあるだろう。各仕事に興味がある人のために、私の感じた面白さや「こういう人に向いている」と思うポイントも併記する。

ライター、翻訳者、自由な創作。同じ「書く」でも、こんなに違う。

まずは、ライターの経験について話そう。
私が携わった仕事は、主に紙媒体だった。
広告のための文章もあれば、読み物としての記事もあり、私にとって異色のものでは、50ページほどの学校案内の冊子まるごとというのもあった。
スピリチュアル系出版社に関連した仕事と、それとは全く異なる分野からの外注として受けた仕事とがあって、内容によっては、「コピーライター」の役割も兼ねることがあった。
いずれも、自分から応募した仕事ではなく、依頼をいただいた形だ。

こうした依頼は、もし私がライターになりたくて、自ら書く仕事を得ようとしたら……と考えれば非常にありがたく、私の意思次第で長く継続することも可能だったが、私はそうしなかった。

ライター業が合わなかった理由

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