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大好きな人とさよならした話

2ヶ月ほど前、ずっと大好きだった異性の親友についにさよならを告げた。

この記事を書いてから、わずか数日後のことだった。

多分本当にあと一歩だったんだと思う。
急に言おうという気になった。

いつものごとく電話で言うしかなかったので、朝までかかって全部話した。

このままではいられないと思っていること。
自信ないし怖いけど、あなたと離れるぐらいなら付き合ってみてもいいと思っていること。
ここ一年いろいろあって、自信をなくしたせいでこれまで以上に彼に寄りかかりすぎてしまったこと。
でも同時に最近の彼に少しうんざりしてきていること。
私はそもそもそこまで恋愛欲がないから、「彼がいればいいや」と思ってしまう、でもそれでは永遠に結婚はおろか彼氏すらできないとようやく気がついたこと。
だから付き合うか連絡とるのやめるかの二択だと思っていること。
だけど、離れたあとの彼のことがちょっと心配であること。

まず、付き合ってみてもいいという私の提案に対する返事はNOだった。
はっきり、「俺は無理」と言った。
うん、わかってた。
彼の気持ちは、「今のままがいい」だった。
それも知ってた。

そのほか色々話したけど、どこまで彼の本音なのかわからないけど、
色々話し合っているうちにさらにうんざりしてきてしまった。
とにかく彼は発言に責任を持っていなさすぎる。
言うことがその時々で違って、無責任。

そして腹を割って話せば話すほど言葉の端々から滲み出る、女の子を大切にしているというよりも寂しさとかその他自分の諸々の欲求を満たしたいだけという、自己中心的な考え方。

そこがどうしても許せなかった。

これまでも何度も「そんなことしてるとほんとに痛い目見るよ」と言い続けてきた。
だけど彼は変わらない。
彼は口がうまくて甘え上手なのでうまくカバーされていたけど、話せば話すほどあまりに身勝手だった。
そしてそのことに彼自身は多分気付いていない。

でもそれよりも耐えられなかったことがあった。

私が散々自分の思っていることや考えを正直に伝えて、
「この一連の話して、あなたはどう思った?」と聞いたら

きっぱりと

「言わない。」

と言ったことだった。


あまりに驚いた。
まさに寝耳に水だった。

え?私はこれだけ全部さらけ出してぶつかったのに、自分は言わないの?

「うまく言えないって部分もあるけど、言いたくない。」

そんなことある????????
いや、人によっては大いにあり得ることなんだろうけど、今までの十数年散々腹割っていろんな話をしてきた私たちなのに肝心なところ言わないの????
私だけが意見をぶつけて、それってアンフェアすぎない????

そこで全部がプツッと切れた。

もうだめだ。
この人は私の相手ではない。
私は話し合いができない人とは一緒にいたくない。
この人のためでなく、私のためにこの人と離れないといけない。

そう思った。


その頃にはもう夜が明けていて、長引きすぎてそこで終わりにはできず一旦電話は切り、翌日冷静になってからLINEで別れを告げた。

多分彼は、彼が私と付き合えないと言ったから終わったみたいに思ったと思う。私が振られたというか。
だけど本当は全然違う。

確かに最初はそういう感じだったんだけど、話せば話すほどにこの人がいると私は前に進めない、この人の存在が妨げているということをひしひしと思い知った。


見放したのは私だ。
あんなに離れることを嫌がっていた、私なのだ。


彼に送ったLINEには、私がもっと自分で納得いく人生を送れるようになったら連絡するよ、と書いた。

そのLINEを最後に、一切連絡をとるのをやめた。
彼からの返信にスタンプを送ることすらしなかった。

最初の数週間はかなり寂しくて、海外旅行に行っても夜寝る前には彼のことを考えた。

今まで私が一方的に連絡を遮断することはあったけど、
ちゃんと話し合って連絡をとることをやめたのはこれが初めて。

最初は彼を手放すからには絶対幸せにならないと、と意気込んでいたけど今はまったくそうは思わない。

ちゃんと自分で決めて行動を起こし、彼を手放せたというだけで幸せをひとつ得られたから。

彼が感情を表に出すのが苦手で、いつも人と、自分と向き合うことから逃げているのはわかっていた。

私が
「自分の弱さと向き合ってすごく辛くて苦しいけど、これはちゃんと受け入れて乗り越えないといけないと思った」
と話したら
「その弱さ、乗り越えなきゃいけない?逃げたらいいじゃん」
と言った彼。

いつも面倒なことから目を背け、自分の感情からも目を逸らし、
嫌なことは見ないようにしている彼。
だから正面から向き合ってぶつかっていく私といるのはしんどかったと思う。
私がまっすぐに感情をぶつけてくることが、彼は嫌だったと思う。
私がいると、目を背けて向き合わずにいる自分の弱さを突きつけられるようで嫌だったんだと思う。

それだけ彼はいろんなものを抱えている。
だからずっと心配だった。


だけど、もう私は彼の面倒は見きれない。
見る必要もない。
私は私で幸せにならなくちゃいけない。

私は自分と向き合って、弱さを受け入れて、成長していきたい。

彼は私の相手ではない。
彼から離れることこそが、強さだと思った。


全部薄々気付いてはいたけど、彼を手放して一人になるのがこわくて、気付かないふりをしていた。
何よりもそこが私の弱さだった。

完全なる依存だ。
もう彼に振り回される日常は終わりだ。


ずっと大好きだった。
一緒にクイズしたり歌ったり、しょうもない話で笑ったり、
お互いの長所と短所を言い合ったり。
どんな私を見せても離れていかないし、
彼は絶対に私を嫌いにならないという安心感があった。
何があっても私には唯一無二の親友がいるから大丈夫、と思えた。
そんな相手と出会えた自分は幸せだと思った。
どんなことも彼と共有して、
13年に渡ってお互いの色んな面を見てきて、
彼と一緒に歩んできたと言っても過言ではなかった。


だけど、これからの私にはもう彼は必要ない。


もう今までみたいな関係に戻ることはない。
私が一番恐れていたことだけど、それでいい。
今までみたいな関係はもういらない。

彼がいなかったら本当に一人だ、
一人になってしまったと思っていたけど、それでいい。

だってそれでも私はちゃんと立っている。
前を向いている。

それでいい。


否、

それ「が」いいんだ。

彼について書くのはこれが最後。


今までありがとね。ばいばい。

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