廃校になった分校をCafeにした話

みなさん、初めまして。
Happy Care Life株式会社代表の中林正太と申します。
これから、noteに僕がやってきたこと、やっていることを中心に綴っていけたらと思っています。

さて、記念すべき初noteの記事は、僕がやっている事業の中でもメイン事業の一つ【分校Cafe haruhi】に関する記事「廃校となった分校をCafeにした話」です。

なぜ廃校でCafeを始めたのか?
今後その場所で何を成し遂げようと思っているのか?
大変さも含め、現時点での考えを残していきますので、お読みいただけると幸いです。

1.吉田小学校春日分校

日本三大美肌の湯として有名な佐賀県嬉野市。
その温泉街から約15分ほど車を走らせた山間に、ひっそりと佇む小さな分校。後に分校Cafe haruhiへと生まれ変わるその分校はの正式名称は【吉田小学校春日分校(よしだしょうがっこうかすがぶんこう)】
明治8年に開校した大変歴史のある分校で、開校当時はもう一つ大きな建物(木造)があり、多くの生徒が通っていたそうです。

時は流れ自然豊かなこの場所も、少子高齢化による荒波でどんどん人口は減ってしまい、平成13年に統廃合という形で、吉田小学校春日分校としての幕が降ろされました。

2.分校との出逢い

僕が分校のことを知ったのは約10年前。
当時僕は地域活性化のイベントとして、農業体験のイベントを春日地区がある吉田という場所をメインにやっていたのですが、そういうことをやっていると、地域を盛り上げよう!と活動されているおじさま方の集まりに呼んでいただく機会が多々ありました。
そんな集まりで毎回と言っていいほど聞く言葉。それが『春日分校はもったいない』という言葉でした。

その時すでに廃校となっていた春日分校は、市から地区に管理委託され、公民館的な役割で使用されてたのですが、それでも月に一回使われる程度。
そのことを知るおじさま方は、ほかにもっといい活用方法があるはずなのにといつも嘆いていたのです。

ある日その言葉を思い出した僕は、実際にその分校を見てみようと車を走らせ山間で少し迷いながらたどり着いたその場所。
『確かにこれはもったいない』それが僕と春日分校との出逢いでした。

3.転機と覚悟

平成27年のある日、僕の耳に、春日分校が市へと返還された。との情報が飛び込んできました。
”もったいない”と思ったあの場所。そう言えばどうなっているんだろう?
確か最初はそんな感じの興味程度だったと思います。

約7年ぶりの春日分校との再会です。

いざ目の前にすると、7年前と変わらずもったいないこの場所。ただ変わっていることと言えば、グラウンドには雑草だけでなく竹まで生えていて、いかにも廃墟という状況。このままではどうすることもできなくなると感じた僕は、今後の計画について市役所へと聞きに行ったのですが、返ってきた答えは『草払いの要望があれば行かなければならないと考えています』というものでした。

そう、何も計画がなかったのです。

学校としての100年以上の歴史がつまった場所。
豊かな自然に囲まれた場所。
この場所はなくしてはいけない。

市がやらないのであれば、僕に計画させて下さい。
そうやって長い道のりがスタートしました。

4.地方創生

春日分校を活用すると決意したとき、幸いにも世の中は地方創生ブームの真っ只中で、地方を活性化するという名のもとにいろんな補助金があったように記憶しています。
廃校活用こそ地方創生だ!例外なく僕もある補助金を申請するべく並走しました。
県の担当者と打ち合わせを行い、市の担当者と打ち合わせを行い、見積もりに図面にいろんな書類をかき集め記入をし、この計画ならいけるでしょうと太鼓判をいただいた上で、いざ申請。

900万円近くの補助金が出る!

はずでした・・・

5.Cafe(飲食店)にした理由

ここまで読んでいただいたらわかる通り、僕はCafeがやりたかったわけではありません。とにかくこの場所を残していきたい。そんな想いで始めました。では、なぜCafeを選んだのか?

僕が春日分校をCafeにした理由は大きく分けて2つあります。
 5-1.春日分校のサイズ感
 5-2.SNSの存在

共通して言えるのは、いかにして外部から人を呼べるか?そして、お金をちゃんと回していけるか?です。別に大したことではないのですが、何かしら参考になればとの想いで記載しておきます。
(ちなみにそれまで飲食店経営の経験0のド素人です)

5-1.春日分校のサイズ感

廃校と聞くと、教室がいくつもある大きな廃校を思い浮かべる人がほとんどだと思います。しかし、春日分校は分校というだけあり一教室のみの小さな建物。そこに外部から人を呼ぶとして何が一番ハードルが低いのか?を考えたときに真っ先に浮かんだのがCafeでした。
テーブルや椅子を目一杯並べても20席程度であれば、従業員2人いれば何とかなのではないか?
厨房も小さいながら、何とかその規模を賄える程度の広さがあったというのも一つの要因です。

5-2.SNSの存在

正直、この場所をCafeにすればお客様に来ていただけるという確信がありました。その理由は”温泉街から車で約15分も山を登らなければいけないから”です。
ひと昔前まで飲食店に行く目的と言えば、当然ですが食事をするというものでした。しかし、今では多くの方が違う目的をもって飲食店を選んでいます。それは、SNSに投稿し、知り合い又は第三者にその体験を共有するという目的。
廃校を活用したCafe。そこで食事した体験がSNS上で共有される時代。
それが、不便な山奥であればあるほど。

6.救世主

申請した補助金の連絡がなかなか来なかったため、不安になった僕は県の担当者へと連絡しました。当然不安は的中します。

『色々あって、一つの事業に対して大きく補助をするのではなく、多くの事業に対して広く補助することになりました。よって150万円ほどになりそうです。それでもやりますか?』

そんな状況になってしまい、一時は諦めようと揺れ動いていた時もあったのですが、その時背中を押してくれたのがRoom Design Factryの野口さん。
いくらでも協力するから、絶対にやり遂げよう。そう力強く言ってくれる野口さんに説得され、もう一度決意を固めました。
まさに救世主であり、今でも僕の一番の理解者です。
野口さんがいなければ今の分校Cafe haruhiはありません。

7.改修工事の夏

補助金の額が減ってしまうという事態になり予定を大幅に変更せざるを得ない状況になりました。自分たちでやれることは自分たちの手でやる。
夏の間野口さんと二人、懸命に春日分校と向き合いました。
来る日も来る日も洗浄機をかけ、養生してはペンキを塗る。

こうやって自らの手で工事をやることで、当たり前ですが分校がどんどん蘇っていくのを感じるだけでなく、近所のおじさんがやってきて話をしたり、卒業生の方がタイムカプセルを掘りに来たりと歴史の深さにも触れることが出来ました。

結果論になりますが、これで良かったんだと今になって思います。

8.2016年3月12日

2016年3月12日、いろんな困難を乗り越え、週末限定のCafeとして、分校Cafe haruhiがオープンしました。オープン当日もブレーカーが落ちたり、想定していた以上のお客様であふれたりとてんやわんやありながら、本当に忘れられない一日。

一番うれしかったのは、元教師だという90歳くらいのおばあ様がお越しいただき、教師時代の思い出を嬉しそうにお話ししていただいた事。
この場所を繋いで良かったと初めて実感した瞬間でした。

9.それから2年半

オープンして早2年半。開業当初は週末限定だったCafeも今では週5日の営業になり、さらに、多くの方に知ってほしい、そして訪れてほしい。そんな想いでいろんなイベントも企画してきました。
星空キャンプに音楽ライブ、マルシェ。時には子供たちと一緒に分校Cafe haruhiを拠点とした映画制作。
その甲斐もあり、FacebookTwitterInstagramを通じて多くのお客様にご来店いただいております。

2018年9月には、新たな仲間も迎え入れ、いよいよ次のステップに進むべく準備が整いました。

10.分校Cafe haruhiのこれから

分校を活用すると決めたときから、地域への還元は絶対条件だと考えて居ましたが、これまでがむしゃらに走るのが精いっぱいで、そこまで力を入れることが出来ませんでした。
Cafeとして三年目を迎え、いよいよ本格的に地域への還元をしなければと思い6月より始めたのが、月に一回の春日地区交流会。
地域のご高齢者を分校Cafe haruhiに招待し、一緒に話をしながら食事をする。ただそれだけの会の予定でしたが、面白い方向に進んでいます。
それは、一緒に地域活性化を行うというもの。
2018年10月現在、交流会に参加する方の畑をお借りし、高菜やホウレン草、からし菜を育て始めました。
上手くできれば来年春、一緒に漬物をつけることにしています。

そうやって一緒に作った漬物を販売し、売り上げをまた地域に還元していく。それを実現することが、分校Cafe haruhiとして吉田小学校春日分校を活用している意義になるのかなと考えています。

今後の展開にご期待ください。

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スキありがとうござます!!これからも頑張ります!!
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中林 正太

分校Cafe haruhi

佐賀県嬉野市の山奥にある旧吉田小学校春日分校。 平成13年に統廃合となったこの場所は平成28年に分校Cafe haruhiへと生まれ変わりました。 これまで関わった人にとっても、これから出逢う人にとっても「みんなの想い出の場所」であれますように。
2つのマガジンに含まれています
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