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私は和菓子にわくわくしていたい。

こんにちは。和菓子女子のせせなおこです。
名前の通り、私は和菓子が大好きです。大好きな和菓子たちがもっといきいき輝けるよう日々活動しています。

活動していると、「和菓子と洋菓子のラインってどこ?」って聞かれることがよくあります。生クリームどら焼き、いちご大福、生クリーム大福。シンプルなはずの和菓子が進化しすぎていてなんだかあれっ?と感じてる部分があるんじゃないのかなって思うのです。

私自身、ずっと悩んできたこのもやもやの正体は、和菓子+○○の「+」の部分だと思っています。

このもやもやは○○に当てはまる素材が洋のものだからではなく、引き算されて出来上がった究極の美に、「+」という概念が入ってきていることにちょっとした違和感を感じているんじゃないかなということに気づきました。

私は和菓子の中で豆大福が1番好きなのですが、これはシンプル故に素材のおいしさが楽しめるからだと思っています。あんこの水分量、あずきのコク、お餅の柔らかさ、弾力、そしてお餅に練り込まれた赤えんどう豆の塩気。小豆、もち、赤えんどう。たった3つのシンプルすぎる素材が奏でるハーモニーによって豆大福という1つの作品が生まれます。

だからこそ、正直に言うと、クリーム大福やいちご大福は邪道だと思っています。でも、これは決して、この相性を否定しているわけではありません。特に、あんこと乳製品は間違いなく相性がいい。私も大好きです。

矛盾してるじゃん!と思われるかもしれないけど、要は和菓子屋さんがこれをつくって売るのではなく、大福はそのままの形で、この組み合わせをお客さんに教えてあげるべきなんじゃないかなと思っているんです。

大福の賞味期限は当日中だし、もちろん早いに越したことはない。お餅は空気に触れれば触れるほど、息苦しい表情をしながら硬くなっていくんですよ。かわいそうで見てられないわけです。私が大福を買って近くの公園で食べる理由はここにあります。

生クリームが大福に入ると、生クリームを冷蔵にしなきゃいけなくて、そしたら、餅生地も冷蔵に対応できるように添加物が入ってしまう。大福の賞味期限を当日中と知る人が少ない原因はここにあると思っています。

いちご大福はどうしてもいちごから炭酸ガスが出てしまうので、餅生地がぷくっと膨れたり、シュワっと感じてしまうこともあります。それを補うために、「餅であんこを包んだもの」という大福の定義を犯してまで切った餅生地にいちごを差し込んだ大福も増えてきました。

こちらも大福が辛そうな表情してるのに、それを見た目重視で売り出してるお店なんかもあって、和菓子のことをちゃんと見てほしいなと思っています。

和菓子の敷居の高さは、「自由に楽しんじゃいけない」っていう無言の圧力みたいなものがどこかにあって、このせいで和菓子たちが逆に苦しんでると思うんですね。シンプルな和菓子の良さを伝えつつ、カジュアルに楽しむことを伝えていきたい。私自身が和菓子にもっとわくわくしたいし、もっとたくさんの人にわくわくしてほしい。

コーヒーと和菓子をすすめたり、もなかをアレンジしたり、羊羹を切り抜いたりしているのは、食べる人自身が好きなように楽しんでいいんだよ!というメッセージを込めています。

だから、和菓子屋さんは本来の和菓子を作りながら、自由に楽しんでいいんだよ!って食べる人に伝えてあげてください。

和菓子をおいしく食べるのは食材だけじゃない。お皿、一緒に食べる人、食べるときの雰囲気。一瞬で無くなるものだからこそ、食べる前から食べた後まで楽しむ。それが本来の和菓子の楽しみ方です。

インスタ映え用のお菓子を作るんじゃなく、インスタ映えする写し方を教えてあげてください。和菓子をつくっている職人さんが和菓子たちが1番輝く表情を知っているはず。だって、職人さんはこんな素敵な和菓子たちをつくった生みの親なんですから。

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そんなわけで、今度のイベントはみんなで和菓子を自由に楽しめたらいいなと思っているので気軽に遊びに来てください◎

「WAGASHI PARTY 〜大福ちゃんと最中さん〜」

日時:12/8(土) 
1部 大福カフェ 12:00~17:00
2部   もなかパーティー   19:00~22:00
場所:ちんぷん館(〒135-0024 東京都江東区清澄2丁目5−3)
詳細:https://daifukumonaka.peatix.com/



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