見出し画像

セールと断捨離と終活ブーム…

長い長いセールの始まり…。あぁ長い。

大体、ここ数年夏が長い。5月のゴールデンウィーク明け位から真夏日になることが多い。そして10月の半ばくらいまで暑さが続く。亜熱帯かここは。四季はどこ行った?

地球温暖化の影響は消費者ニーズをもガラリと変えた。昔は春物の立ち上がり、3月辺りはいわゆるスプリングと呼ばれる単(ひとえ)のお洒落コートがよく売れた。コットンやレーヨン、初夏まで着られる麻のコートはお洒落なファッションピープルには欠かせないアイテムだった。そしてそのあと5月の行楽シーズン前には旅行やお出かけ用にジャケットを探しに来るお客様が多かった。真夏まで着られる楊柳やサッカーや麻の涼しい素材でお値段もなかなか張るのでそれなりに売り上げもよく立った。

それがここんところの温暖化とアパレル不況で、メーカーがコートやジャケットなどの値の張るものを作りたがらない。特にスプリングコートはリスクが高いので(急に夏日など気温が上がると吹っ飛ぶ)不良在庫になる恐れがあるからだ。

なので真夏のセールまで引っ張れるTシャツばかり。よくてワンピース。今年は去年からの流れで丈の長いシャツやカーディガンも上手く重ねれば春先のコート代わりになるので沢山出ている。

しかし、如何せん値段が安い。売っても売っても所詮Tシャツだから大した金額にならないのだ。

うちの店はほとんど顧客商売で、プロパー時期だと客単価10~20万が平均的。もちろん3~5万の人もいるが、ワントータル揃えれば約10万。これがセールになると30%オフになるので7万になる。最終的には40~50%オフになるので更にダウン。

トータルで揃えてくれたら御の字だけれど、パンツ1本、Tシャツ1枚だと…。でもその傾向は否めない。すすめても「同じようなの持ってるのよ~」と却下される。

というのもここ数年の「断捨離ブーム」。高齢者相手の贅沢な商売には本当に痛手だ。みんな買いたがらない。自分の身の回りを片付けにかかっているのだ。「終活」なんて言葉が飛び交う。とても迷惑な話だ。(あくまでも商売上の話です)

元々、富裕層が多い住宅街の中にある店なので、客単価はそう落ちこまずになんとかやっているが、この「終活ブーム」だけは勘弁してほしいと心から思う。「モノを持たない生活」がもてはやされ、不要な持ち物をどんどん処分しましょうという流れは購買意欲を激減させる。

買うつもりの無いお客を接客するほど骨の折れるものはない。でもそれこそが腕の見せ所でもあるので俄然燃えるのだが。販売魂に火を付けるこの「終活ブーム」。

敵はこの単価の低い夏物セール品と購買意欲の無い高齢者。なかなか手強い相手だけれど、負けてなるものか。

長い長いセールは始まったばかり。いざ勝負、かかってこーーーい❗

みなさん、夏物買いましょうね🎵

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?