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初めての美容室での会話に疲れた。

初めての美容室での会話が苦手だ。
隣の席では美容師と客がフレンドリーに横目に、お互い探り探り会話を進めるあの感じ。会話の内容は大体同じだ。
天気の話、今日は仕事お休みか話、この後はどこか行くんですか話。あとは季節に合わせた話。初対面でいきなり突っ込んだ話ができない以上、これは仕方ないのだろう。

私の場合、苗字の話がここに加わる。

少し珍しい苗字を持つがゆえの宿命

私の苗字は少し珍しい。全国に900人程度らしい。

900人というのが少ないのかどうかはわからないが、親戚以外の同姓にはこれまで出会ったことがない。

初対面の人に覚えてもらいやすいし、良いことのほうが多いだろう。

苗字が珍しいことで特別不便は感じない。強いて言えば、既成品の判子が売っていないことくらい。あとは親しくなっても下の名前で呼んでもらえることがめったにないくらいだろう。

美容師は悪くない。悪いのはこの苗字なのだ。

初めての美容室に行くと、非常に高確率で苗字の話が出る。
正確に記録しているわけではないが、90%はかたい。

1回はいい。「あー、またか。」程度にしか思わない。
ひどい時は1回では済まない。

最初にアシスタントらしき人にシャンプーしてもらうときに1回。
カットしている時に担当の美容師から1回。
2回目のシャンプーを終えたあとのマッサージ時に別のアシスタントから1回。
1時間の間に3回である。これは疲れる。

話の内容は基本的に同じだ。

「○○さんていう苗字初めて会いました!いい苗字ですね!」

「出身はどちらなんですか?」

「周りに同じ苗字は多いんですか?」

同じ苗字のキャラクターが主人公の漫画の話

この会話ルーチンを1時間の間に3回する姿を想像して欲しい。
疲れるに決まっている。

ただ、私は腹が立つことも不快に思うこともない。
なぜなら美容師は悪くないからだ。この苗字だから会話のネタにしようとするのは仕方ないと思う。もし私が別の苗字で美容師をしていて、今の苗字の人がお客さんとしてきたら、確実に話のネタに使おうとするだろう。

しかし少しは想像して欲しいと思うこともある。

あなたが話のネタに使えると思うようなポイントを、これまで他の美容師は考えつかなかったのだろうか。もしかしたら毎回同じ話をされているのかもしれないと考えれば、沈黙に困ったときの突破口になると思ったとしても使うのをためらうかもしれない。

日常生活で初めて会う人から言われるのはありがたい。
ただ美容室で言われるのだけは疲れた。

今通っている美容室では、はじめての時から一度も苗字の話をされていない。非常に丁寧な接客で、髪を切られる時にあまり会話をしたくない自分でも居心地がいい。
難点は、最近担当の人が値上げしてカット8,640円になってしまったこと。

初回に苗字ネタを使ってこない新しい美容室を探している。

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ありがとうございます!
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ゾラ

服にまつわる仕事です。 文章中心、時々写真も。
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