マーティンから見る今の島根



●はじめに-島根の現状

2月の代表windowに伴いB1リーグは一時中断。3月のリーグ再開まで(多くの)選手にとってもブースターにとっても束の間の休息となる。

リーグ全体のレベルの底上げや、オフシーズン中に選手獲得競争に遅れを取ったことも一因し、島根は直近6試合で5連敗を含む1勝5敗という、ヘナレ体制下では最悪の成績で今季最後のバイウィークを迎えることとなった。

直近の渋谷戦で連敗をストップできたとはいえ、内容はとても褒められたものではなく、渋谷が田中選手やケリー選手を欠いていなければ連敗してもなんらおかしくはなかった。



今季のB1リーグは、無類の強さを誇るA東京宇都宮三遠琉球4強がヒエラルキーのトップに居座っている。

彼らtier1チームに迫ろうと着実に勝利を重ねている千葉J三河名古屋Dtier2といったところか。

(とりわけ外国籍選手の入れ替えに成功した千葉Jは、前半戦の不振が嘘のように猛烈な勢いで勝利を重ねている。)

そして島根の立ち位置はその下、tier3〜tier3.5と言ったところだろう。

tier1チームとそれ以下のチームの間には選手層、完成度という点でかなり大きな壁があり、はっきり言って島根は今季優勝を目指すにはかなり厳しい立ち位置にいる。



そんな中、23-24シーズンが始まって以来、島根ブースターの間(というか私の中)でずっとホットな話題となっているトピックがある。

まーちんくんことハッサン・マーティン選手を残すべきか否かという問題である。

これは結論でもあるのだが、「優勝"のみ"を目指すのなら別の選手と入れ替えるべきだ」という立場を私はずっと取ってきた。

まぁ理由は後ほど述べていくとして、このマーティンの進退問題を通して今季ここまでの島根を眺めていきたいと思う。

今回は暇さえあればマーティンのスタッツとにらめっこをしている私がどう思っているのか、スタッツ印象の両方から述べていく。

今回は総文字数1万4千字超えという、かなり狂った文字数なのでテキトーに読んでください。誤字脱字はお許しを。

最後まで読んでくれた方は、感想等をいただけると大変うれしいです。

今回、参考にしたデータサイトは下記の2つ。

https://twitter.com/B_ImpactMetrics?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

*データは全て2/13時点のものである。

●定期的に盛り上がるマーティンの進退問題

今季の島根は過去2シーズンと比べ成績が振るわないこともあって、その原因は何なのかという話題が自然に盛り上がった。というか私がそういう話をしてる。

その中で特に「ブレーキの原因はマーティン選手だ」という意見は前半戦で多く見受けられた。

これはある意味仕方がない。なぜなら昨季から今季にかけて最も島根が大きく変わったと言えるのが、トラビス→マーティンの変化だからだ。

そしてシンプルにマーティンが試合でほとんど結果を残せなかったことも大きい。

優勝を目指す島根の外国籍選手としてふさわしいのか、という以前にB1で戦う外国籍選手としての資質があるのか?という話まで出てくることになる。


私もシーズンが始まった直後から彼のパフォーマンスに対して少なからず疑念を抱いていた内の一人である。

以下は今季のマーティンの基本スタッツである。
参考までに()内は昨季のトラビスのスタッツである。

平均プレイ時間 16:24(20:27)
平均得点 6.1(10.9)
FG試投数 4.5(8.8)
FG% 56.4% (50.3%)
FT% 65.3% (52.4%)
平均アシスト 0.4(0.8)
平均リバウンド 4.1(6.5)
平均ブロック 0.7(0.3)
平均スティール 0.7(0.4)

まず第一印象として、外国籍選手のスタッツががこれだとかなりキツイ…というのが率直な感想である。

とりわけ平均得点6.1というのは、B1リーグに所属する外国籍選手(アジア枠選手は除く)の中で実質的にワーストの数字である。

(平均得点6.1以下の外国籍選手は数人いるのだが、彼らはチームに途中加入しており、まだ十分な試合数をこなしていない)

前半戦の秋田や千葉、京都、茨城がそうだったように、外国籍選手が仮にこの水準のスタッツで、なおかつチーム成績も振るわなかったら、真っ先に切られていてもなんら不思議ではない。

というか、優勝を目指しているチームならむしろ新しい外国籍選手を探すのが自然な成り行きである。

これは全ての外国籍選手に言えるのだが、彼らはロスター12(13)人の内の1人ではない。貴重な外国籍枠3人の内の1人であるということである。

ゲームの性質を大きく変える存在だ。

つまり、外国籍選手が日本人選手と同じようなスタッツでは基本的には許されない。

話をマーティンに戻すと、そもそも彼はゴール下でのシュートしか打てず、シュートパターンは下記の3つほどしか基本的に見たことが無い。

1.PnRからダイブ→パスを受ける→レイアップ

2.ポストアップ→ターン→左手フックシュート

3.ポストアップ→ポンプフェイク→ワンドリブル→レイアップ

3Ptのアテンプトは今季0本で、ミドルレンジからのシュートも打てない。

さらにはハンドリング力も乏しいため、ドリブルからペイントアタックのようなこともできない。

B1リーグに所属する他の外国籍選手と比べ、オフェンスにおいてできることは極端に少ないと言っていいだろう。

しかし、マーティンは実際には切られることはなかった。

これは島根だからこそマーティンを抱える余裕があったという言い方が正しいように思う。

なぜなら島根のオフェンスはBIG3が大半を担っているからだ。

・チームの総得点に占めるBIG3の割合
65.8%


・チームの総アシストに占めるBIG3の割合
72.7%

そう、島根のオフェンスは安藤、ケイ、ビュフォードがいれば成立してしまう。

そして今季の島根はオフェンシブレーティングがリーグで第3位というオフェンス激強チームである。オフェンスは上手く行ってるのだ。

つまり、マーティンが点を全く取れなかったとて、それが致命傷になることはない。

そういう訳でマーティンの低水準なスタッツはそこまで問題視されなかった可能性がある。

ならば、フロントがマーティンに期待した役割とは一体何なんだ?という疑問が湧いてくる。

この彼の与えられた"役割"に触れずして、マーティンを批判するのはフェアじゃない。

つまり単純に、基本スタッツだけで彼を評価することは出来ないということである。

多くの外国籍選手には得点面での貢献が期待されるが、マーティンは例外である可能性がある。

そこで、次からはマーティンの役割とその評価をしていく。

●マーティンを分析する(オフェンス編)

マーティンの役割については下記の石崎さんの記事にうまくまとめられている。(アカ作ってログインすれば無料で読めるよ)

これを仮に石崎仮説と呼ぶが、これは多くの人が感じているマーティンの役割と一致しているはずだ。

まとめるとこんな感じである。

●マーティンの役割

1.ビュフォードのサポート役

・スクリーンをかける
・PnRからダイブしてビュフォードのパスに上手く合わせる
・相手の注意を引き付ける

2.DFの強化
・とりわけPnRに対する守り方が良い
・相手ガードについていける

付け加えるとしたらリバウンドであろうか。

まずは石崎仮説の内、

「ビュフォードのサポート役」

を検証していく。

そもそも「スクリーンをかけるのがどれくらい上手いのか」などという項目はボックススコアには現れてこない。

そこでボックススコアには残らないオフェンスの貢献度を可視化するO-PIPMという数値を見てみる。これは高ければ高いほど良い。

マーティンのO-PIPM -1.95

これはチーム内で最下位である。
(トップはニックケイで+5.35)

次に、ある選手がベンチにいるときとコート上にいるときでオフェンシブレーティングがどう変化するかを表すon-off ORTGを見てみる。これも高ければ高いほど良い。

マーティンのon-off ORTG -8.58

これもチーム内で最下位である。
(トップはニックケイで+11.25)

最後に、ある選手のオフェンスにおけるのチームへの貢献度を表すO-BPMという数値を見てみよう。高ければ高いほど良い。

マーティンのO-BPM -2.47

チーム内で7位である。
(トップはビュフォードで+7.41)
 
要するに、数字を見るとマーティン選手のオフェンスにおける貢献度はチーム内でワーストレベルだということが分かる。



次に、石崎仮説の、

「PnRからダイブしてビュフォードのパスに上手く合わせる」

「インサイドで相手の注意を引き付ける」

を印象から語ってみる。


まずマーティンには致命的とも言える弱点が2つある。

1.アリウープへの合わせが出来ない

これは昨季のトラビスのハイライトである。

https://youtu.be/7BUwGEF4Fs4?si=V01BaguFZCxS7fZQ


いかに島根が戦略的にビュフォードtoトラビスのアリウープを狙っていたかが分かるだろう。

しかし、マーティンはダンクを全くしない。(今季1本かな?)

ということはつまり基本的にアリウープパスをもらったところで、ゴールに直接叩き込むことが出来ない。

空中でパスを受けたら一旦着地、そしてそこからお得意のレイアップ!

いやアリウープパスを出した意味は?ってなる。

そしてビジョンの広いビュフォードは、コーナーを見ながらノールックで繰り出すアリウープパスが得意だ。

なので、その合わせ役のビッグマンがダンク出来ないというのは、ビュフォードのサポート役としては適していない。

2.ハンドリング(ボールキャッチ)力に乏しい

マーティンはボールを保持する力が弱い。

PnRからダイブしてボールを受けたり、ゴール下でボールを持った時に、ファンブルしたり簡単に相手にボールをはたかれたりするシーンが目立つ。

これもビュフォードのサポート役として適任とは言えないだろう。

さらにマーティンはポップして3ptを打つことが出来ないため、相手のDFは思い切ってペイントを守ることができる。

よってマーティンが相手の注意を引きつけられるとは思えない。むしろ相手のDFが収縮して、ビュフォードがやりづらくなってしまう。

以上のことから石崎仮説の、

「ビュフォードのサポート役」というのには疑問符がつく。


次は石崎仮説の、

「DFの強化」を検証する。

●マーティンを分析する(ディフェンス編)

オフェンスのときと同じように、DF版のPIPM、on-off RTG、BPMを見ていく。

・D-PIPM(高ければ高いほど良い)

マーティンのD-PIPM +0.93

チーム内で3位の数字である。
(トップはニカで+1.16)

・on-off DRTG(低ければ低いほど良い)

マーティンのon-off DRTG -0.92

チーム内で3位の数字である。
(トップは白濱で-2.88)

・D-BPM(高ければ高いほど良い)

マーティンのD-BPM +0.86

チーム内で4位の数字である。
(トップは白濱で+3.74)

(やっぱり、白濱のDFってすごいんだなって改めて思った)

要するに、マーティンのDFにおける貢献度はチーム内で上位に位置しているということだ。

次に、石崎仮説

「とりわけPnRに対する守り方が良い」
「相手ガードについていける」

を印象から語ってみる。

まず結論として両方とも正しいと思う。

マーティンの強靭な脚力を活かした、トラップDFやショーDFは島根の重要なDFのオプションとなっている。

おそらく今季島根がショーDFを初めて採用したのは名古屋D戦だったと記憶しているが、その名古屋D戦、その次の千葉戦とショーDFが効果的に決まり、齋藤、富樫といったトップガードたちをかなり苦しめた印象がある。

また脚力と長い手を活かして、相手のガードにもついていき、ブロックをかましているシーンも多々見受けられる。

ここでマーティンのDFにおける弱点をあげておくと、

1.相手のビッグマンに1on1で押し込まれるシーンがかなり目立つこと(直近の長崎戦や三遠戦では意図的に狙われていた)

2.機動力のある外国籍選手にはついていけないこと(開幕戦でレイマンにぶち抜かれていたのは印象的)

3.DFリバウンドが1試合平均で2.6本ほどしか取れないこと(もっと取ってくれ。安藤でも2.7本取ってるぞ。)

などがある。

しかし、概ねDFは良いと言っていいと思う。


だが、ここで一つ考えなければならないことがある。

それは島根のDFは昨季と比べて悪化しているということである。

それを次に見ていく。

●意図と不意図

今季の島根のロスター編成には一つの明確な意図がある。

DF力の強化である。

これはヘナレHCもしばしば会見で発言しているのだが、今季の島根のテーマは間違いなくDFにあった。

過去2シーズン、島根のオフェンシブレーティングはリーグ2位3位を記録し、オフェンスは非常に上手く行っていたと言える。

それとは裏腹に、ディフェンシブレーティングは過去2シーズンで10位8位であった。

これは決して悪い数字ではないのだが、ディフェンシブレーティングが最も優れたチームがCSで優勝するというセオリーから考えても、島根がCSを獲るにはさらなるDF力の強化は必須だった。

さらには島根のオフェンスにおけるタレント力は、金丸の退団に象徴されるように、年々落ちて行っている。

そんな中で、今季はOFというよりはDFで粘り強く戦おうという意図がフロントにはあったはずだ。

そこで迎えた23-24シーズン。晴山とマーティンを獲得してDF強化に向けて体制は整った。

しかし蓋を開けてみればどうだろうか。

・ディフェンシブレーティングの変遷 
ヘナレ体制1年目 108.6

ヘナレ体制2年目 105.3

ヘナレ体制3年目(今季) 109.6 リーグ第13位

・平均失点の変遷
ヘナレ体制1年目 78.3

ヘナレ体制2年目 75.4

ヘナレ体制3年目(今季) 78.4 リーグ第12位

DFはヘナレ体制下で最も悪いのである。

逆に、オフェンシブレーティングや平均得点は昨季と同程度であり、高水準のままである。

つまりフロントが意図していたであろうこととは真逆のことが起きている。

となるとチームのDF力を強化を目的の一つとして獲得したマーティンの評価はどうすれば良いか。

チーム全体のDFが悪化しているのにマーティン個人のDFを高く評価することはできないというのが私の考えである。これは他の選手についても同様だ。

もちろん島根のDFが悪化しているのはマーティン一人だけの責任ではない。ニカの離脱の影響が大きいことは言うまでもない。

以上のマーティンを分析した結果をまとめるとこうなる。

マーティンのオフェンス  ✗

マーティンのディフェンス ◯ 
(ただしチームDFは悪化)


冒頭でも述べたが、私は「優勝のみを目指すならマーティンは切るべきだ」という立場である。

次は、その理由を述べていく。


●トレンドから外れ我が道を行く島根


近年のBリーグのトレンドというか、多くのチームが目指している理想のチーム像というのは、だれか一人に頼ることなくみんなで戦うチームである。

もう少し具体的に言うと、得点が特定の人に集中しない、どこからでも二桁得点できる、タイムシェアをする、日替わりでヒーローが誕生するようなチームと言ったところだろうか。

琉球が昨季のCSにおいて、そのスタイルで優勝したことでこの流れは加速していると思う。

そして冒頭であげた今季の4強は、核となる選手はいながらも、まさにこのようなチーム作りをしている。

しかし、島根はこのBリーグのトレンドから離れて我が道を進んでいる。

島根を支配しているのはBIG3である。

先程、チームの総得点に占めるBIG3の割合とチームの総アシストに占めるBIG3の割合を見た。

次は、他チームの得点・アシストの各上位3名のチーム内比率を見てみよう。

つまり、他チーム版BIG3の得点とアシストのチーム内比率を見るということだ。

この数値が高いということは、端的に言えばオフェンスにおいて特定の選手への依存度が高いということである。


・チーム総得点に占める上位3選手の割合
1位 島根 65.8%
2位 横浜 58.4%
3位 三河 58.2%

・チーム総アシストに占める上位3選手の割合
1位 島根 72.7%
2位 横浜 71.9%
3位 佐賀 64.3%

島根が2冠達成!!

(島根と似たようなチームに横浜がある。言わなくても分かるだろうが、河村が支配しているチームだ。うまく行っているだろうか?)

平均プレイ時間も、

B1全体での1位、2位が安藤(34:25)とビュフォード(33:54)であり、

4位にケイ(32:33)がつけている。

みんなで戦うチームが美徳とされる中、島根は特定の選手への依存度がすこぶる高い。

ここで質問なのだが、

特定の選手に頼るチームは強いと思うだろうか?

私は、NOだ。

今季もニカが離脱してチームが下降気味だし、

ビュフォード1人が調子悪いとチームも調子悪いし、

今季も酷使され続けた安藤がついには怪我で離脱すると、チームはそこから連敗を喫するし…

2シーズン前は5人

昨シーズンは4人いた平均二桁得点者が、

今や3人である。

これから約2ヶ月で21試合をこなす過密なスケジュールの中で、BIG3が酷使されたら彼らの体力は持つのだろうか?

このチームが優勝を目指せるだろうか?

島根の中心はBIG3であり、ビュフォードであり、そのビュフォードのサポート役が必要だという考え自体には私も賛成だ。

ビュフォードは圧倒的な個の力があり、彼が島根の中心になるのは自然な成り行きである。

ただ、今季の島根のオフェンスが上手く行っているとは前述したが、

最近の試合ではBIG3に対する包囲網も敷かれ、彼ら3人のパフォーマンスが安定しない。(疲労の影響もかなり大きそう)

ビュフォードもFG%が伸びずに苦しむ場面が多々あるし、重要な場面でのターンオーバーも目立つ。

そして調子が良い日に爆発しても、それがチームの勝利に結びつかない試合も多々ある。

このまま彼ら3人を酷使しながらシーズンが進んでいっても、不安定な戦いが続いてしまうだろう。

よって島根が目指さなくてはならないのは、BIG3が中心にいながらも、その負担を分散化する方向である。

そのためにはケイ・ビュフォードに次ぐ外国籍選手は、まずは点を取ってこれる選手ではないといけない。

つまり、チームを勝たせることが出来る選手だ。

また、ビュフォードの負担を分散化させるためのサポート役に、もっと適した選手を置かなければならない。

マーティンを分析する(オフェンス編)で、マーティンがビュフォードのサポート役に適さないことは述べた。

さらにマーティンの役割は得点を取ることではない。

従ってマーティンはチームを勝たせることが出来ない。

(というか、マーティンはシュート成功率はなかなか高いのだが、そもそもアテンプトが少ないので話にならない。そこまで信頼されていないのか、オフェンスパターンが少ないので使いづらいのか。)

チームが5連敗をしたこととは裏腹に、その間もマーティンは自身の仕事を全うしていた。

そのため、連敗中も島根ブースターからもマーティンに対して割とポジティブな声が多かったし、私もマーティンのパフォーマンスは今季の中ではかなり良かったと思う。

問題は、マーティンが頑張ったとて、それがチーム成績に反映されないことである。

今、島根にほしいのはチームを勝たせることが出来る選手だ。

そう考えると、新しい外国籍選手を連れてくるしかないのである。

ビュフォードがより伸び伸びプレーできるようにする。

平均で二桁得点できる選手を4枚に増やし、得点の分散化を図る。

ニカ-新外国籍選手-ケイのon3を出来るようにする。

(ビュフォードの調子が悪いときは、マーティンとケイが出場せざるを得ないのだが、このユニットはウイング不足に陥り、あまり強力なオプションではないように思う。ビュフォードが出場していない時も、安心して使えるユニットが必要だ。)

このようにオフェンスのオプションを増やすことで個々の負担を減らしチームの安定化を狙う。

そのためには、インサイドでのビュフォードとの合わせが上手くないといけない。

またPnPからペリメーターショットや3ptも打てる選手が理想的だ。


だが当然、新外国籍選手を迎えるというのは博打でもある。

まずシーズン途中に加入したことでチームにフィットできるのか、そもそも異国の地、しかも島根で急に生活するは大丈夫なのか。

とか色々な問題がある。

そこで私は提案したい。

トラビスを呼ばないか?

色んな意味で島根を知っている、ビュフォードへの合わせが上手い、強力なインサイド、3ptも打てる、チームを勝たせられる。

これトラビスですね。

確かに1シーズンともなれば、彼の怪我のことも不安に思う島根ブースターもいるだろう。

約2ヶ月という短期間ならマックスで力を発揮できるのではないか?

トラビスが昨季怪我から復帰して3試合目のA東京戦。

25得点 FG%84%

チームを勝たせる選手というのはこういうことだ

以上が私の考えである。

(ちなみに今季途中契約して、来季もトラビスと契約するプランもありだと私は思っている。)


●マーティンもまた、犠牲者である

ここまではマーティンについて否定的な論調になってしまっているが、ここからは少し擁護していきたい。

そこまでマーティンを責められない事情が2つある。

1.ロスター編成が悪い

まずマーティンとニカという、器用ではない二人を同時に抱えたことがよろしくない。

ニカとマーティンは2人ともハンドラーへの合わせがメインであり、オフェンスにおける役割が基本的に被ってしまう。

PnRからダイブしか出来ない選手が2人もいるというのは、PnRのハンドラーとして優れている安藤やビュフォードにとってはかなりやりづらそうというか、宝の持ち腐れである。

また、フロントが日本人エース(ウイング)を揃えられないこともマーティンの立場をさらに悪くしている。

マーティンはそもそもシュートを多く打って得点するようなことを期待されて島根に来たわけではない。

しかし、BIG3しか点を取れないというチーム状況なら当然マーティンにも得点を期待してしまうのが自然な流れだ。

マーティン本来の役割に注力させるためには、得点力のある日本人ウイング、もしくは帰化選手(ホーキンソン)をセットで取らなければいけなかっただろう。

まぁこの辺の編成ミスについてシーズン終了後の振り返りnoteに回すとしよう。



(これは私が考える、堀GMがマーティン選手を獲得した意図だ。それは前述した通り、確かにビュフォードのサポート役である。しかし、これは単純にマーティンのコート上におけるプレーのことだけを指しているわけではない。ビュフォードの黒子役に徹して献身的な働きを厭わないという性格面(パーソナリティ)での話でもある。

Bリーグに来る外国籍選手なんてエゴがあってなんぼだ。プライドがある。しかし、ビュフォード中心のチーム作りを進める島根で最も重要なのはビュフォードへの適応である。ビュフォードに怒られても、怒りやエゴをぐっと抑え、性格面でもビュフォードに合わせられる"大人な選手"が求められる中、マーティンに声がかかったのではないかと思う。

これでショーン・ロングとかメイテンとかパーキンズとか来てたら、絶対ビュフォードと喧嘩してただろ

堀GMがRS開始前にメルマガで、外国籍選手のリクルートにおいて選手の性格やバックグラウンドをかなり入念に調べていると語っていた。

マーティンはめっちゃ良いやつ。

その甲斐もあってか、ビュフォードと仲が良さそうだ。

(というか島根ブースターがマーティンに同情する最大の理由は性格が良いからだろう。これで性格が悪かったら誰も擁護しない。)



2.怪我

マーティンはよくパワーと身体能力が持ち味のアスレティック系のC(PF)だと紹介されるが、これはかなり現状とかけ離れている。

マーティンを一言で表すなら、フックシュートが得意な技巧派センターである。

コンディションが万全ではないというか、怪我の影響でかつての輝きを失っているように感じる。これはちゃんと調べなかったフロントが悪い。

これは彼が17-18シーズンに琉球に在籍していた頃に見せた衝撃的なダンクである。

https://twitter.com/B_LEAGUE/status/984050430320656387/video/1

ワイヤーで上から引っ張られているかのような跳躍力だ。

正直、今のマーティンの状態はこの頃とは程遠い。膝の怪我によって明らかにバネが劣化している。

私には再起が可能なのかはわからない。しかし、今季中にこの頃と同等の輝きを取り戻すのは無理だろという漠然とした感想である。


さて、ここまで私がマーティンを切るべきだと考える理由を述べてきた。

しかし、島根フロントは動かないだろうという話をしていく。

●それでも島根は動かない

実際に島根が動くことはないと思う。

その理由は以下の3つである。

1.今更感が強い

レギュラーシーズンも残り21試合。期間にして約3ヶ月、バイウィークを除けばあと2ヶ月である。

シーズン前半のバイウィークでは、出遅れた球団が起死回生を狙って外国籍選手の入れ替えに動くことも少なくない。

しかし、もうここまで来ると今季のことより来季のことが見えてくる。

ここまで構築してきたチームの形を崩してまで、積極的に動く勇気のある球団は少ないし、島根も例外ではないだろう。

(選手の怪我などで補強の必要に迫られる球団はもちろんある。)

2.優勝への覚悟がそこまで感じられない

この2月のバイウィークで積極的に動くというのは相当な優勝への執念と覚悟が必要だ。

ここまで積み上げてきたものを一度否定して、残りの短期間で再構築しなければならず、ある意味で博打のようなものだからだ。

リスクにふさわしいリターンが得られるか分からない。

なので今のメンバーで連携を高めてステップアップしていこうという考えに普通は至る。

問題は、島根にその優勝への気持ちを感じるか否かである。

NOだ。

今季の島根(球団)からは優勝に対する執念と言うか、是が非でも優勝したいという熱意がそこまで感じられない。

彼らのトッププライオリティBプレミアの審査基準を突破することにあるだろう。

(別に球団のこの考えは否定しない。Bプレミアに行きたければ、審査を突破するしか無いから。)

私はそもそも、レギュラーシーズン開始前から熱量の低さは感じていた。

その一つとして新体制発表会がある。

ヘナレ体制下に入ってからは2シーズン連続でバンナムのスタジオを借りて大々的に新体制発表を行っていた。

しかし今季はどういうわけか、あらかじめ作成された簡素な数分の動画がyoutubeで公開されるのみに留まった。

この熱量の違いは何なのだろう。

さらに言えば新加入選手の入団記念グッズが今季は出ていない。

フロント陣も今季のロスターには自信がないのだろう。

(人間、自信があるときはドヤ顔をして人に見せびらかしたいものだからね。)

それが表れたシーズン前だった。

(その点、昨季はRS開始前から今は禁止されたグレーなサポートスタッフを獲ったり、トラビスが怪我したときには迅速に動いたりと、なんとしてでも優勝してやるという執念が感じられた。

今季はニカが怪我をしたときのリスクヘッジもしていたとは思えず、一体あなたたちは昨季何を見てたんだと突っ込みたいところ。これもシーズン終了後のnoteに回そう。)


まぁ要するに、優勝に対するプライオリティが低いため、補強に動くことはないだろうと言うことである。

(安藤やケイ、ビュフォードと言うトップタレントが集まったのに、そんなモチベで良いのか?ということについてはシーズン後の振り返りで触れる)


3.ニカの復帰とマーティンの復調

不調に陥っている島根だが、マーティンを代えなくても、なんやかんやでニカが戻ってくればなんとかなりそうな雰囲気はある。

やはり、島根にとってニカの存在は大きすぎる。

そもそも島根のオフェンスコンセプトは、ビュフォードの圧倒的な個の力を相手に押し付けつるというのものである。

ビュフォードに出来るだけ長く体格やスピードで劣る日本人選手とマッチアップさせる状況を作るには、ニカが必須なのである。

またニカはビュフォードへの合わせも非常に上手い。

DFにおける貢献も言うまでもない。

先ほども少し触れたが、ニカのDFにおけるボックススコアに残らない貢献度はチーム内で1位である。

リバウンドも平均5.7本取れる。

なので、わざわざ補強に動かなくてもニカが復帰すれば、それなりに上手くいきそうなのだ。

(唯一の懸念点は、離脱の理由がヘルニアなので、シーズンアウトも普通にあり得ることだ。そうなったら島根は終わりです。)

もう一つは、マーティンがシーズン39試合目にしてようやくチームにフィットしてきた感があることだ。

直近3試合ではシュートアテンプトは11本と少ないものの、全て決めている。

FG%が100%なのである。

渋谷戦game2では、1Qの島根のオフェンスを引っ張っていたのは間違いなくマーティンだった。

少しずつ、安藤・ビュフォードへの合わせもうまくなってきている。(相変わらずダンクはしないが)

ここからシュートアテンプトを増やして行けばなかなかいい感じになりそうな雰囲気がある。

CSでシンデレラボーイになりそうな雰囲気もある。(こういうRSで全くダメだった選手が突如覚醒するのがCSなのだ。)

なのでフロントとしても、その復調気味のマーティンを切りづらいだろう。

以上、上記の3つの理由から島根が動くことは無いと思う。


最後に、島根がこのまま動かずに終盤戦へと向かっていくとして、どうすれば優勝に近づくことができるかを考えてみたい。

●島根はどこに向けて着地すべきか

私はいち島根ブースターとして、絶対CSに行って優勝してくれよな!!!

と思う気持ちと同時に、ただのバスケ好きでもあるので、今の島根の状況を客観的に見ていきたいという思いがある。

まず普通に一歩一歩ステップアップして行っているようでは優勝には到底近づけない。

というか今の状態で、琉球やA東京、三遠を差し置いて島根が優勝できると考えている人は東大に行ったほうが良い。

tier1チームと島根の間にある大きな壁をぶち壊すには劇的な何かが必要だ。

これはニカが復帰をすることは大前提というか必須条件であるが、

島根の伸びしろは3つだと思う。
(逆に言うと、ここが徹底できていないために島根は勝ちきれていない)

1.ディフェンス

島根のDFが昨季に比べて悪化していることは先ほども述べた。

これはニカが復帰すれば、自然と向上してくるはずだと信じたい。

今季の島根、どういうわけかシュートチェック越しに3ptをぶち込まれるシーンがすこぶる多い。

とりわけビュフォードは相手の3ptにはそこまでチェックにいかずに、あっさり決められるシーンも多い。

ビュフォードは自身が相手にかわされてペイントに侵入されるとニカがいないリム周りは手薄であるから、相手に簡単にレイアップにいかれることを警戒しているのかもしれない。そのため、思い切ってシュートチェックに行けないのだろう。(シンプルにサボりの可能性もある)

まぁいずれにせよ島根のチームDFというのはニカのリムプロテクト能力があってこそ成立する。

逆に、ニカがいることでビュフォードのリムプロテクト能力も活きてくる。

インサイドで相手に押し込まれてそのまま得点を決められるシーンも減ってくるだろう。

(ニカが復帰できるのかどうかは知らん。)

2.3pt確率

島根が今季、いまいち安定しない原因のひとつは3pt確率の低下であろう。

昨季の島根の3pt確率 36.2%(リーグ第1位)

今季の島根の3pt確率 33.2%(リーグ第12位)

とりわけ、昨季の島根のコーナーからの3pt確率は40%を超えており、これが非常に相手に刺さった。

今季はというと、コーナーからの3pt確率は38%で、やや減少している。

島根が今後、上位チームに喰らいつくにはコーナースリーを40%以上の確率で決めることが必須だ。

それも試合によってむらがあるようなものではなく、毎試合安定して40%を決めることだ。これができなければ勝負の土俵にすら立てない。

コーナー3ptが決まればビュフォードのペイントアタックも効果的に決まる。

ビュフォードのペイントアタックが決まれば、またコーナー3Ptが効果的に決まる。

この良いサイクルを作ることが優勝への鍵だと思う。

あとは個人で言えば、3pt確率が20%台まで低下している白濱とビュフォードの復調は絶対に必要だろう。

3.津山尚大

これは度々言っているのだが、島根においてBIG3に次いでポテンシャルが高いのは間違いなく津山である。

この津山が安定して10得点くらいできると、得点の分散化ができて、ただでさえBIG3が強力な島根はアンストッパブルな存在となれる。

そろそろ覚醒のときですよって、津山ママから津山本人に言って欲しい。そしたら多分やる気出す。

(余談だが、個人的に津山くんのことは大好きです。以前、私の職場に津山くんが来たのだが、めっちゃ良い人だった。優男でした。私はちょろいのですぐ好きになりました。以上、余談でした。)

まぁ当然、他の選手の覚醒も大歓迎。

以上の3つを徹底できれば島根は4強たちと同じ土俵で戦えるはずだ。


ただ、これは島根が本気で優勝を目指していればの話である。

仮に島根が優勝を目指していないのであれば、こんなことは言う必要はない。

球団が「ファンを喜ばせるためにできるだけ多く勝って、たくさん集客して、その結果CSに出れたらラッキーだよね」くらいのモチベなら、こちら側としてもそういうモチベで応援するからだ。

でも私は島根には優勝を目指して欲しい、そう心から思っている。優勝を目指して、仮に上手くいかなかったとしても安藤とビュフォード、ケイには完全燃焼してもらいたい。

BIG3はBリーグ史に名を刻む存在だ。そんな彼らが奇跡的に島根にいるのに優勝を目指さないなんてのはあってはならない。

選手は本気なんだから、フロントも本気を出すんだ。

以上が私の思いである。

●結論


さて、本文の結論である。

「マーティンで行くと決めたなら、もうマーティンに期待するしか無い。」

燃えろマーティン!頑張れ!

(私が講釈を垂れている間も、頑張って練習してくれてありがとう)

以上です。

最後までグダグタした話に付き合ってくれた変態の方々ありがとうございました。

(ちなみに、巷で話題のILループを使う方法も提案したかったんですが、流石に倫理的にアウトだろっていう内容だったのでカットしました。)

またシーズン終了後の振り返りnoteでお会いしましょう。

安藤、代表がんばれよ!!!(阿部も!!!)

(追記:安藤は代表を辞退しました…)


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