【S.S.C】石橋駅前公園にステージを作る!?建築を学ぶ阪大生のチャレンジ【坂本樹くん】
阪大生なら一度は訪れるまち・石橋。石橋で髪を切ったり、ご飯を食べたり、お酒を飲んだりしたことのある学生も多いはず。
しかし、「石橋の公園で遊んだことのある大学生」はそう多くありません。
それは地域の方々にとっても同様です。広いスペースがありながら、日常生活とは少し遠い存在の公園。石橋商店街の活気と比べて、少し寂しげな印象を覚えます(もちろん、こどもたちにとっては数少ない遊び場ですが……)。
なかでも、老朽化が進んでいるのが『公園のステージ』です。屋根の設備が中途半端で、雨風をしのぐことも難しいのだとか。
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そんな『石橋駅前公園のステージ』を「設計したい!」と立ち上がった学生たちがいました。その中心で動いているのが、S.S.Cでは2回目の登場となる大阪大学工学部地球総合学科3年の坂本樹(さかもと・たつき)くんです。
建築を学ぶ彼が目指すのは、『まちの“おはこ”をつくる』こと。
果たして、石橋公園ステージ設計計画はなぜ動き出し、どのような想いで進んでいるのでしょうか。
1.どうして石橋のステージを?
―(コフンねこ)まず気になるのは、坂本くんが石橋公園のステージを設計しようと決意したきっかけです
坂本くん
「最初の出会いの場は池田市のまちづくりサロンでした。池田市と阪大と地元の企業が協力して行ったまちづくり企画です。そこで、『学生連携による地域活性化』を提案したグループがあったんですよ」
―「あった」ってことは……
坂本くん
「そう、僕たちは”なんでもいいから設計させてくれ”っていうスタンスの、ソコとは違うグループでした。
でも、まちの人側から”学生の力で石橋のまちの看板や公園のステージをなんとかできないか”と言われたのがきっかけで、そのグループとつながることになりました」
―具体案と具体的な手段がマッチしたわけですね
坂本くん
「そんな感じです。ただ、『やるからには石橋!』との想いもあって……」
―石橋じゃなきゃダメ、だと
坂本くん
「まずは、自分が愛着を持てる場所じゃないと嫌でした。その点石橋は大学に近いまちで、地元の方にはすごく人情味もあります。石橋を好きになれる可能性はものすごく高かった。それで、『ぜひ石橋で挑戦したい』と思ったんです」
2.動き出した計画
―そんなきっかけがあったんですね!具体的に計画が動き出したのはそこからでしょうか?
坂本くん
「『僕たちで石橋駅前公園のステージを設計したいです』と石橋の商店街の方々に伝えたら、もうノリノリで、その日のうちに『絵を描いてきてくれ!』って言われたんですよ。すぐさまメンバーを10人集めて、次の週の会議までに絵を5枚仕上げました」
―計画から実行までが早すぎます(笑)!商店街の方々には喜んでいただけましたか?
坂本くん
「ありがたいことに、めちゃめちゃ喜ばれましたね……。まちの方々も『これは実現するかも!』と思ってくれたみたいです。できなくてもいいから自分たちの努力でやれるところまでやろう、と決意したのはそのタイミングでした」
―むちゃくちゃワクワクする展開です
坂本くん
「その決意を機に、先輩や先生や工務店の方々からアドバイスを受けつつ”専門的で具体的なプラン”を立て始めました。ただ、あくまで自分たちが主体で頑張ってます」
3.石橋の『おはこ』を作る
―次に、自分たちが主導で『石橋駅前公園ステージ設計計画』を実行することが決まってからの動きを聞かせてください
坂本くん
「いきなりもう一度計画を見つめなおしました。まずは、最初に描いたスケッチを一旦なかったことにして……」
―え、せっかくの案を!?
坂本くん
「石橋駅前公園のステージが新しい石橋のシンボルになる可能性があるわけですよ。それを考えたら、中途半端な案ではいけないなと思ったんです。
だから、まずは『現状の石橋のシンボルってなんだろう?』を考え直すところから始めようと」
―なるほど……具体的に何をしたのでしょうか
坂本くん
「まちの徹底調査です。まず石橋では商店街北側の『赤い橋』をシンボルとして推しています。そもそも商店街自体だってシンボルですよね。それから、『石橋』の地名の由来となった場所も有名です」
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坂本くん
「石橋商店街の道の幅が狭いことも特徴だと思います。道の幅が狭いと交流が生まれやすいなんて説もあるみたいです。それ以外にも、アーケードの屋根の色とか、住宅街の雰囲気とか、たくさん観察しました
同時並行で公園・ステージの観察も進めています。まず注目したのは、ステージのある公園の『遊ばれ方』です。
どの時間帯に、どういう人が、どの位置で、どんなふうに過ごしているのか。それを知りたくて。ステージはある意味遊具としても使われることになりますからね。もちろん、ステージの台座の寸法を測ったりする専門的な計測も行っています」
―そういえば、石橋のお祭りでアンケートも実施したと聞きました!
坂本くん
「そうです!その結果、公園を日常で使ったことのある人は多い一方で、ステージの存在を評価している人は非常に少なかった。
そして、公園を音楽ライブの会場にしたいと考えている人が意外に多いこともわかりました。なにより、新ステージ設計を多くの人が応援してくれていてうれしかったですね」
―まちと公園の調査がきっかけで何か決めたことはありましたか?
坂本くん
「そこで決めたのが『石橋のおはこをつくろう※』との目標です。
公園を訪れた人がどう使うか。どうしたら思い出として記憶に残るか。その思い出が時間や場所を超えて、どう結節していくか。
まずはイメージを固めて、そこからそのイメージや想いを形状や寸法、色、動線など具体的なデザインに落とし込んでいきました」
(デザイン案。実際はもっとあった)
―なるほど……!
※石橋では毎年「おはこ文化祭」と称するお祭りが開催されており、それにちなんだ形。
4.具体的に決まった案
―ということは、ここから具体的なデザインが決まっていくことになるわけですね
坂本くん
「調査と同時並行で、メンバー間で毎週アイデアが出続けて……最終的には30~50案も。そこから2019年3月までに2案に絞り、最終的にはイチョウ型のステージを採用しました」
―最終案に対するまちの方々の反応はどうでした?
坂本くん
「石橋の方には目で見て感じてもらいたいと思って、模型も作ったんです。今思えば稚拙なモノですけどね。ただ、大きすぎて車に乗せられなかった……(笑)」
―最終案に決まったのはどういう理由だったんですか?
坂本くん
「イチョウ型のステージの案は、音響を意識したデザインになっています。アンケートで要望が多かった『音楽のイベント』が盛り上がったらいいなと思って。
それから、日常の使われ方もこだわりました。子どもたちが遊びやすいように幅や隙間を開けることにしています。音響と遊びが大きな理由ですね」
―すごい具体的な案だ……!何度も聞いて申し訳ないんですけど、まちの方々の反応はどうでした?
坂本くん
「模型の力はすごかったです。いい反応が返ってきました。石橋に住む人ならではの質問や意見もあって、今でも参考にしてます」
―っていうか、ここまで自分たちで進めたのがすごいです……!
坂本くん
「正直に言うと、新しいステージを完成させることはそこまで大きな目的ではありません。実際、工務店さんや工学部の先生に主導権を渡せば新ステージを作れることは間違いないですから。
それよりも、自分たちで進めるワクワク感やまちの人との交流を大事にしたかった。だからこそ自分たちで進めています」
ココから先は有料です
以下では、『ステージの活用法』『まちづくりと学生の親和性』についてのお話が続きます。
本人からのメッセージ
これは僕の「オモロイ!」に対する挑戦です。石橋は「オモロイ!」を応援してくれます。
この記事を読んでくださった方は、きっと石橋を歩くことも多いはず。ですが、その魅力には気づいているでしょうか。
そんなあなたに、僕が感じた石橋のパワーが伝わると幸いです。ぜひ有料部分も読んでみてください。頂いたお金は、石橋地域でのイベント費・特に創作活動費にあてます。
ご支援宜しくお願い致します。
なんと!いただいたお金はそのままプロジェクトへの支援金になるのだとか。将来、できあがった新ステージを使いたいみなさんは是非!この機会に記事購入でご支援をお願いします(^▽^)/
ご連絡はコチラへ!
坂本樹
Twitter:@nobusuke1062
インタビュアー:コフンねこ
Twitter:@Story_Neko5 kofun.neko@ourlocal-labo.com
5.ステージはどのように使えるのか?
―新しくステージが完成したら、どんなふうに活用できるのでしょうか?
坂本くん
「まちの人々や学生に活用してほしいです。
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