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【S.S.C】宮崎から大阪へ。地元を魅力あふれる場所にしていく―阪大法学部2年・甲斐響太郎くんが描く未来像とは? 【¥500】

宮崎出身の阪大生・甲斐響太郎(かい・きょうたろう)くん。地元・宮崎の活性化のために関西で挑戦し続ける理由を探ります。

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学生応援インタビュー企画S.S.C

『地方・地域を元気にしたい』

都会と比べてどうしても活気が無いように見えてしまう「地元」に対して、アツい想いを持っている学生は大勢います。大阪大学法学部2年の甲斐響太郎(かい・きょうたろう)くんもその一人。

でも、彼には一味違ったところがあるんです。それは、「想いを形にしている」こと。

代表例としては、2019年夏の「ローカルキャリアツアー(LCT)」が挙げられます。彼はなんと、地方創生とキャリア形成のありかたを多くの学生と共に学ぶべく、関西の学生を大勢引き連れて地元・宮崎へと向かったのでした。

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◇甲斐響太郎
宮崎県宮崎市出身。大阪大学法学部2回生。関西の学生が地域との関わり方を考えるスタディツアーや宮崎での100人交流会を主催。

甲斐くんにとって地元・宮崎とは。いま関西で学んでいる事とは。そして、地域を元気にするための将来像とは。クールガイな甲斐くんの内面に迫ります。


1.宮崎(日向国)なのに、どうして「甲斐」?

インタビュアー:コフンねこ
――今日はよろしくお願いします!

甲斐
「はい!よろしくお願いします」

――実は僕、甲斐くんについてめっちゃ気になってることがあるんです。どうして宮崎出身なのに山梨県を意味する「甲斐」って名字なんでしょうか?

甲斐
「自分も気になってWikipediaで調べたんですよ!すると、どうやら平家の落ち武者の名字らしい……と発覚しました(笑)」

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――なぜ宮崎に平家の落ち武者が!?

甲斐
「本当かどうかはわかんないんですけど、源氏との戦いに敗れた平氏がどんどん南に流されてきたらしいです。一説によると、宮崎と大分と熊本の県境のあたりに避難したとか。あ、宮崎には『平家の里』っていう名前のハンバーグ屋さんもあります(笑)」

――ふむふむ。壇ノ浦で負けてから、関門海峡→豊後水道→……と南下してきたのかもしれない……!

甲斐
「実際、『甲斐』って名字の人は宮崎でもかなり多いんですよ。1学年で2~3人はいる感じ?」

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――ええ!?『甲斐』は宮崎では一般的なんですか??

甲斐
「そうです。ある場所ではほとんどの家の表札が『甲斐』だったりするらしくて……宮崎県民にとって『甲斐』は本当に当たり前の名字だと思います」


2.実は宮崎のことが……

――今のお話とか、Twitterのプロフィール欄にヤシの木がいっぱい並んでいる様子とか……甲斐くんって宮崎のことものすごく好きなんだろうなと思います。実際どんなところが好きなんですか?

甲斐
「ちょっと待ってください!少し誤解があります」

――え??

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甲斐
実は、今の宮崎の雰囲気はあんまり好きでは無くて……

――衝撃の事実。それはどうして……?

甲斐
宮崎ってすごく諦めムードが漂っているん場所なんです。学生は早く都会に出ようとするし、大人も『いい仕事なんて宮崎にはない』とか平気で言ったりするし。シャッター街なんかも放置されていて、『本当にこのままでいいのか?』って感じがします」

――じゃあ現状が好きなわけではなくて、『変えたい気持ちが強い』わけですね

甲斐
「僕は『回復志向』みたいな想いがものすごく強くて、例えば家の掃除とか好きです。だから、宮崎の中でのマイナスイメージをプラスに変えたいというか、少なくともゼロに戻したいと言うか。そういう価値観が僕に中にはあります」

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――すごく失礼なこと聞いちゃいますが、『正直好きではない』土地に対してどういうモチベーションで挑もうとしているのでしょうか?

甲斐
「そこで勘違いしてほしくないのは、宮崎そのものは大好きだってことです。18年間育ててもらった恩義もあるし、家族や友人もいます。僕は将来宮崎に帰りたいくらい宮崎に対する愛情があるので、その裏返しで『諦めムード』を変えたいんですよ」

――『愛着』のよう感情なのかな?そんな宮崎のために今挑んでいる活動があれば教えてください!

甲斐
「はい!一つは『もえすっど』っていう100人規模の交流会を半年に一度開催しています。宮崎で活躍している社会人の方と学生と、みんなで交流してもらうイベントです」

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『もえすっど』の様子)

――それめちゃくちゃ面白そう。出会いの場を提供してるわけですか……!

甲斐
宮崎で活躍できるってことを学生に知ってほしくて。そして、社会人の中にも学生のすごさを知らない人がいるんですよ。ごちゃまぜに交流してもらって、まずはお互いを認知しあえたら……と思ってます」

――その場を通して諦めムードを払しょくするチャンスを生んでいる感覚なんでしょうか?

甲斐
「そうですね。実際に『もえすっど』がきっかけで宮崎で企画を作った学生もいるし、社会人と学生の協力関係もできました。どれももちろん、挑んだ人自身の思いの種や努力があったからできたことのはず。出会いの場を活かしてくださったみなさん一人一人がすごかった……!」

――すげー!甲斐くんの想いが実際に宮崎に変化を与えてるんですね

甲斐
「ほかにもLCTで出会った日南市の教師の方と一緒に、高校生向けの新たな企画を考えているところです」

――おお、それはどんな感じなんでしょう

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甲斐
「高校生って将来についてむちゃくちゃ悩んでると思うんです。地方の高校ってものすごく小さな社会だと思うし、それって将来の可能性について考えやすい環境ではない。『将来に向けて何かしなきゃ』と考えていても、何がなんだかわからないことも多いはずですよね」

――たしかに!高校生の頃、僕も将来のことで悩んでたな……

甲斐
「そこで、高校生がワークショップを通してその想いを具体的な形にできるような手助けをしたいな、と。でも、『これやって』『あれやって』と僕たちが投げかけるんじゃなくて、高校生自身の内面をぐっと引き出すイメージです」

――おぉ……甲斐くんの世代から宮崎がプラスの方向に変わっていきそうな気がします!


3.どうして関西でも活動するの?

――もう一つ、『宮崎をなんとかしたい!』っていう想いが強い中で、どうして関西に進学したのかも気になります

甲斐
「まず、阪大に進学したのは『公務員になって宮崎県庁に行きたかったから』です。だから最初は公共政策を研究するサークルに入っていました。でも、そのサークルでも『諦めムード』に似たモノを感じてしまって……」

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――それはモヤモヤしちゃいますね……

甲斐
「その時期に友人から、『宮崎で高校生向けの企画やらない?』って連絡が来たんです。このままの大学生活だと面白くないな、と思ったので参加することに決めました」

――めっちゃアクティブ。どんな企画だったんでしょうか?

甲斐
「宮崎ってそもそも大学生がホントに少ないんですよ。高校生と大学生が交流する場もほとんどない。そういう状況で、高校生に向けて大学生活について話したりとか、大学に進学する意味とか目的ってなんだろう?って投げかけてみたりとか、そんなイベントです」

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(イベントの様子)

――そして、そのあと『ヨリアイ』に参加したわけですね。『ヨリアイ』に参加した最初のきっかけは一体何だったんでしょうか?

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(現在は『ヨリアイ』で運営メンバーを務めている甲斐くん)

甲斐
「宮崎では活動できることがわかったけど、関西にいる時間のほうがどうしても長くなっちゃうのが気がかりで。本気で宮崎大学への編入とかも考えてたくらい悩んでました(笑)。じゃあ関西でどうしよう……と思った時に『ヨリアイ』が始まったんです。もともと創設者の黒川さん林田さんを知っていたのもあって、参加しました」

――地元宮崎と関わる中で、自分は関西にいなきゃいけない……その葛藤がある意味では『ヨリアイ』に参加するモチベーションだったわけだ……!

甲斐
『関西で自分がスキルアップとか成長しつつ、将来はそれを宮崎に活かせたらいいな』って感じです。自分ではそういう場を作ることができなかったけど、『ヨリアイ』では自分を伸ばすことができるんじゃないかな……と思って」

――そしたら、たしかすぐに運営チームに抜擢されたんですよね?

甲斐
「はい(笑)。後のLCTのようなツアー企画を『ヨリアイ』では最初から考えていたようだったので、そこに宮崎への想いが強い僕が適任だと感じたんじゃないでしょうか?リクルートされた感覚です」

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――リクルートか……実際『ヨリアイ』で成長できてる部分ってどんなところですか……?

甲斐
活動に対して『目的』をきちんと持つようになったのが一番の成長ですかね。視座が高くなったと言うか……これまで手段に走りがちだったけど、目的を最初に設定するようになりました」

――やりたいことが明確になったわけですね!

甲斐
「そうです!目的が最初にあって、手段を組み立てて……のような形で、何かに取り組むときのプロセスを自分の中でハッキリ掴めるようになったんです」

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――うらやましい……僕には全然できない……!『ヨリアイ』ってすごいな……

甲斐
「そこなんですけど、僕は環境とそれに対する付き合い方が大事だと思っています。『ヨリアイ』だからみんな成長できるわけじゃなくて、環境に対する主体性が必要だと思うんです。成長しよう!と思ってないと実際に伸びを感じるのは難しいんじゃないでしょうか」

――僕も同感です。ホントに年下なのか甲斐くん……!すごすぎる……

4.LCTでの後悔

――満を持して、甲斐くんが運営のリーダーを務めていたLCTについて教えてください!

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(第1回「LCT in 日南」の様子)

甲斐
第一回のローカルキャリアツアー(LCT)では、関西の学生を大勢連れて”地方創生の先進地域”と呼ばれる宮崎県日南市を訪れました。そこで、地域活性化に携わる人のお話や事業を体験して、自分と地域の関わり方について考えてもらうのが目的でした」

――詳しくはTwitterやnoteの記事でも拝見しました。傍から見ての感想ですが、大成功だったように思います。甲斐くんは実際どんな感想を抱いているのでしょうか?

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甲斐
「僕としては後悔のほうが大きいんですよ」

――!?

甲斐
「理由は2つあります。まず一つはリーダーとして未熟だったところです。自分が中心で動きすぎたせいで、チームで動くメリットをうまく活かせなかったんです。運営メンバーの成長という意味では至らぬところがあったかなと感じています」

――仕事を振るのって難しいですよね……もう一つの理由は?

甲斐
「もう一つは、『宮崎と関西のつながりを作る』という文脈ではうまく行かなかったところです。お金の面では日南市の方々にもメリットはあったと思う一方で、継続性とかきっかけづくりの面では失敗してしまいました」

――きっかけづくり、っていうのは……?

甲斐
「『宮崎に関わり続けたい!』と良い意味で思える人を増やせなかったんです。たしかにLCTがきっかけで企画を興した人もいるのでそれは嬉しかったんですけど……」

――でももちろん、良いこともあったわけですよね?

甲斐
「はい!もちろんです。関西から大勢の学生を……

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ココから先は有料部分になっております。甲斐くんを応援したい方、宮崎を元気にしたい方は是非ここから先もお読みください!

ご連絡はコチラ……
甲斐響太郎Twitter…@kaikyou1223
『ヨリアイ』Twitter…@yoriai_kansai
インタビュアー:コフンねこTwitter…@Story_Neko5

※以下では、リーダーの甲斐くんが抱いているLCTへ感想甲斐くん自身の将来像について読むことができます※

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