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沢山のスポーツを経験しよう!~マルチ・スポーツによるメインスポーツへの効果~

セブンです.
今回は沢山のスポーツをする事でのパフォーマンスへの効果を取り上げます.
一見すると,他のスポーツがパフォーマンスに影響するとは考えにくいですが,複数の違うスポーツ経験が主となるスポーツにどのような効果をもたらすかを実体験も含めて解説します.

運動全般という意味でのスポーツパフォーマンスの向上について,脳の働きからの解説は→ スポーツが上達するには!?~いわゆる運動神経のために~ 


色んなスポーツをする事,【マルチスポーツ】は,日本ではほとんど馴染みがありません.
でも,僕の場合は競技歴(大会等の実績)で考えると,
・剣道6年
・野球5年
・サッカー5年
・卓球5年
・陸上4年
の経験があります。
他には,バスケットボール,ゴルフ,フラッグフットボール,スキー,スノーボード,テニス,バドミントン,カヌー,サーフィンなどの経験もあり,スキーはエンジョイ勢ですが30年ほどにもなります.
おそらく子供の頃からこれだけ色々なスポーツを出来たのは両親の理解と生まれた地域の特性があったからだと思います.

沢山のスポーツが出来た環境とは!?

両親はそれぞれ『ボート』と『テニス』での国体出場経験があるほど,スポーツに慣れ親しんでおり,物心がついたときには二人とも何かと運動はしていました.
母親は当時,○○○(地元の地域名)のジョイナーと呼ばれていた笑 くらい(もはやジョイナーを知らない人が多いかもしれませんね:汗).

僕の生まれ故郷は大変田舎で,小学校の同級生は9人,全校生徒も80人程度しかいない本当に小さな町.
スポーツクラブはスポーツ少年団として運営されていましたが,子供1人につき1競技だととても複数のスポーツクラブは成り立たないので,いくつものスポーツに参加が許されていて,僕はその中で参加出来るスポーツ少年団に全て入るほど運動ばかりしていました.

複数のスポーツをすることで生まれるメリット

ここからが本題で,複数のスポーツをやってきた経験を踏まえて,いくつかのスポーツをすることのメリットについて書くのが本章の目的です.

まず,全般的に言えることは身体に扱いが上手になる.
僕はいわゆる【運動神経】と呼ばれるモノが,すごく良い自信があります.
新しいスポーツをした時に,全く出来ないという経験はなくある程度こなせます.これは単純に、走る・投げる・捕る・打つなどの動作経験が多い事に起因しています.
学術的に言えば,反復試行による運動学習の結果と,その汎化と言うところでしょう.

もう少し突っ込んで書くと,スキーやサーフィンなどのスポーツはダイレクトに身体の使い方を覚える事に効果があります.
・どの重心位置で力を入れれば目的の運動を達成できるか?
・力を入れるべきところはどこで,力を抜いたほうが良い部分はどこか?
など様々な動作を経験することで生まれる運動感覚が身に付きます.
さらに,身体の各部分を細かくコントロールすることが出来るようになります.
例えば体幹トレーニング中の姿勢です.骨盤の前後傾を厳密にコントロールして姿勢をホールドする事が必要ですが,ほぼボディイメージ通りにホールド出来る自信があります.
こう言う観点から言えば,『ボディスキーマやイメージを正確に再現出来る能力』と呼べるかもしれません.

これは意識してやっていた訳ではなく,今になって考えてみると良い結果になりました.

複数のスポーツの良さが身に付かない事例から気づいたこと

実は身に付かなかった事柄もあります.僕がスポーツに携わる理由はここにもあるのですが・・・
今になっては悔やまれる事です.

それはスポーツに大事な【手首の使い方】が分かりませんでした.手首が使えないとピッチングやラケット競技で正しいフォームが出来ません.
僕は野球をしていた時にピッチャーをやっていましたが,球速もコントロールも充分ではありませんでした. もっとも良いピッチングフォームを知らなかったという事もあります.
この【手首の使い方】別の機会に説明します.大坂なおみ選手が取り入れていたアメフトのボールの投げ方はすごく大事です.
この頃に今の知識があれば,色々変わっていたかも知れません.

僕はちゃんとしたスポーツの知識が伝わらなくて,埋もれてしまったりケガや故障に悩まされている選手は沢山いると思っています.
・埋もれている選手がどうしたら開花するか?
・どうしたら本当の事がみんなに伝えられるか?
を考えて今は活動しています。

今,身体の動かし方を大人の人に伝えると,「小学校の時からこれを知っていたら,自分はプロに行けたな(笑)」と言う人が何人もいます.
実際プロに行けたかどうかは分かりませんが,それほど『身体の使い方』というものを意識せずにスポーツをしていた人が多く,そのような人のほとんどに沢山の伸び代があった! という事になります

話が逸れてしまいましたが,複数のスポーツをすることの大事さですね. 
僕が思う,マルチにスポーツをやったうえでメインに行うスポーツのパフォーマンスへの一番の効果は,戦術的な要素です.

マルチスポーツは身体の使い方だけでなく,戦術的要素にも強く影響する!

例えば,陸上競技が与える他のスポーツへの効果は,試合へ向けた準備です.
距離が長くなると【試合での駆け引き】も結果を左右しますが,陸上競技は試合当日の心身の調子がそのまま競技成績に影響します.

ですから,『その試合に対してどう準備はしたか?』がとても大事になります.
長期でのピリオダイゼーションだと,練習メニューとその期間.
短期だと前日の食事,睡眠時間,当日の起床時間,朝食,ウォーミングアップのメニュー,そしてそれにかける時間など様々です.
その一つ一つを見返して、レースの結果と照らし合わせる.
要因を分析して洗い出すと,どういう練習をして,どういう生活内容で,当日のウォーミングアップはどのようにしたら良いかが分かってきます.

チームスポーツなど色んなスキルが増えるほど,心身のみのパフォーマンスを省みることが少なくなりますが,陸上など身体のパフォーマンスが結果を左右するスポーツを行う事で,個人個人で心身のみに絞って調子を整える【ルーティン】のような物が出来上がります.
このルーティンが長期的にも短期的にも当日へのコンディショニング方法を見直すことが出来ます.練習日誌を付ける意味はここにあるでしょう.

ほとんどのスポーツのカギ〜ポジショニングへの効果〜

さらに戦術面で言えることは,チームプレイにおける『ポジショニング』です.
ポジショニングはそれぞれの競技で重要性が変わります.

サッカーやバスケットボールでは,ボールを持った時の動きももちろんですが,ボールを持たない時【オフ・ザ・ボール】の動きも重要です.
この時いかに『俯瞰的』にフィールドやコートを観察して必要な位置にポジショニングするかが必要になります.
しかし,サッカーやバスケットのように流動的にプレイが進む環境だと,コート全体に意識が持てず,『俯瞰的』にポジションを観る事がなかなか身に付きません.

ここで僕自身がすごく効果があったと感じるのは,アメリカンフットボールです.もちろんタッチやフラッグフットボールでも良いです.
アメフトは一回一回プレーが止まり,オフェンスとディフェンスの駆け引きのなかで,どこに走ってパスを受けるかを決めてから次のプレーに移ります.
その都度,味方の動きを把握してさらに,予測的に相手の走りをイメージしてプレーに臨むことが出来るので,どのスペースが空くか?どこに動けば他のスペースが空くか?などを『俯瞰』してプレーを捉えやすいのです.

そうすると,相手との駆け引き(ここではマークをはずす事)にも幅が出ます.
単純な切り替えしやストップ&ゴーではなく,一度ボールと反対方向に動いて目線を散らす事や,相手の視界を意識してその視界から外れる動きなどを学びやすいのです.

そして、動作一つをとっても質が違います.
アメフトでは,ポジション毎に特化した動作を求められます.
レシーバーを例にあげると,とにかくディフェンスのマークを外して目標の場所に行かなくてはなりません.
マークを外す【動作】の質がとても高い.フットワークです.
ブレイクやカットなど動作一つをしっかり練習するからです.
このフットワークの練習がけがの予防にも繋がっています.バスケットやハンドボールなど膝の靭帯損傷を起こしやすいスポーツで,特に女性選手は取り入れるべき項目だと常々考えています.

このように違うスポーツを経験することで,メインに取り組んでいるスポーツに好影響があります.
ここで書いたのはごく一例です.
剣道,卓球,ゴルフなども他のスポーツに通じることが沢山あります.

あるスポーツのパフォーマンスを伸ばす上で,沢山のスポーツをする事は重要です.というより,もはや【必要】かも知れません.
なかなか今の現状では難しいところもあるでしょうが,どんな小さな機会でも沢山の‘挑戦’してみましょう.必ず新しい何かを手に入る事が出来ます!
そして,もう一つ.
一種類のスポーツに打ち込もうが色々なスポーツを経験するのも一番は【楽しむ】事です.
これを忘れないようスポーツしましょう!

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