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メンズカットしか取り柄がなく、指名売上20万円超えなかった美容師が、インスタで自己集客を成功させて、たった1年で自由に働けるようになった全て。

皆様こんにちは。フリーランス美容師のTAKAです。
この記事に興味を持っていただきありがとうございます。


早速結論ですが、2024年以降を美容師として生き残るには【価値のある美容師になる】ことです。


価値の高い美容師になるためには【自己集客・予約管理・材料仕入れ先・マーケティング・ブランディングetc】といった幅広い知識と経験が必要になります。


【個人でもやっていける人材=正社員でも重宝される人材】です。
もし今正社員で、「給料が少ない、休みが少ない、自由がない」という人は【会社に使ってもらっている人】です。会社に使ってもらって初めて価値を生み出す人材なので、自由が少ないのです。


ちょっと冷たい言い方になりますが、【価値がない】ので使われるんです。正社員でも、バリバリ売り上げを上げている人は比較的自由度が高いはずです。あなたの先輩や同期にも、自分よりも自由にしている人がいませんか?その人は会社にとって必要な人材なので、自由度が高いのです。

そして会社に必要な人材は、会社が【使う】よりも【自分で考えて動いてもらう】方が遥かにいい成績を残してくれます。
あなたは会社に「自由にしていいよ」と言われて、その会社に大きな利益を生み出したり、生み出すための価値を提供できますか?

できなければ【使われる側】です。
過去の僕は完全に【使われる側】の人材でした。(正社員時代)

朝8時〜24時まで拘束され、休憩はメシを食う5〜10分だけ、休みの日は夕方まで後輩のレッスンに付き合う。1〜4年目まで手取り13万円(福利厚生はほぼなし)
2年目から売上は90万近くありましたが、役職と仕事量だけ上がり、給料は上がらないというような会社でした。

この時、売上はまぁまぁありましたが、指名してくれるお客様が自分の本当のファンなのかというと、ファンではありませんでした。

会社を辞めた後の移転先について来てくれたお客様は5人程度でした。

これは、会社が集客してくれていた「誰が担当してもいいよ」というお客様を、たまたま僕が担当していただけです。僕は勘違いしていたので「俺が抜けたら、会社苦しいやろ」と本気で思っていました。

もし正社員でこの気持ちでいる人は、気をつけてください。会社はあなた一人が抜けた程度では、痛くも痒くもありません。
会社からすれば、「歯車が壊れたから、別の歯車準備しよー」としか思いません。(言い方は悪いですが、こんなもんです)

「給料が少ない、休みが少ない、自由がない」という状態から抜け出すには、価値のある人間になることです。我々でいえば【価値のある美容師】です。

自分で集客するために【マーケティングやブランディング】を学び
集客するためのツールで【インスタやミニモ】を毎日運用し
自分で予約管理をする【LINEやライム、ミニモ】を作り管理し
お客様に提供する高水準な技術【練習やセミナー、技術動画】を学び続け
お客様に何度も来てもらう【カウンセリングや人間性】を磨く

これらが出来るようになれば、価値のある美容師と言えます。
フリーランスになっても通用しますし、正社員としても会社にはなくてはならない存在になります。

お店に集客してもらい、
出勤さえしていれば入客でき、
失客してもまた新規がたくさん来る

このような状態なら「給料が少ない、休みが少ない、自由がない」と文句を言っても仕方ありません。会社からしても【美容技術】しかできない人材は、美容技術以外で使う方法がありません。

使われない人材になることが、あなたが理想とする働き方や美容師像の第一歩です。そのためには美容師として、人間としての価値を高めましょう。

目次
1.コンテンツ力
 -ビジネスの基本構造
 -価値とは何か?
  -美容師としての価値の作り方
 -価値をどこに設定するか?
2.コンセプトメイキングとターゲット設定
  -究極の未来
3.カウンセリングの重要性
 -カウンセリングを鍛えることで
4.マーケティング戦略
 -フリーランス美容師のマーケティング戦略
 -マーケティングてなに?
 -マーケティングの具体的事例
-伸ばすことよりも、【見てもらうこと】を中心に考える
-ストーリーズは人柄を伝えるのが8割、ヘアスタイルが2割
自分の強みがどんな人に必要とされるか?をベースで考える
-ストーリーズは途切らさない
5.ブランディング構築
-美容師がブランディングするなら
  -間違ったブランディングの考え方
  -〇〇感を担保する
6.集客
 ー集客での大切な考え方
 ーインスタ集客
 ー具体的なインスタ運用
 ーカウンセリング動画の内容
7.インスタ広告大攻略
 ー広告とは
 ーインスタ集客の道のり
 ーインスタ広告の出稿の仕方
 ー広告用投稿のサムネ
 ー広告まとめ
8.お客様管理
 ー公式LINEの活用
 ー予約管理アプリ【ライム】
9.まとめ


1.コンテンツ力

美容師として一番欠かせないものは、コンテンツです。コンテンツというのは、自分の売り物(商品)のことです。お客様に提供する技術が、美容師のコンテンツにあたります。また人気商売のため、美容師自身が商品という捉え方もできます。

そもそも、美容師としてカットやカラーが出来ない、または苦手という美容師がお客様を集客できるわけがありません。もし出来たとしても、お客様がリピートしてくれることはありません。

「美容師として売れたい」「フリーランスを目指す」「自己集客したい」ということを達成するためには、技術力がなければそもそも不可能です。ここ最近の美容業界を見ていると、スタイリスト早期デビューというのをよく見かけます。これは現代人に合わせて修行期間を短くする(長いと辞めてしまうから)というものです。

僕は早期デビュー自体に対しては、肯定派ですが、下手くそが早期デビューするのは大反対派です。これは早期デビューした本人も、会社も得をするように見えますが、実は誰も得することなく、むしろ損失が大きくなる危険性があります。

集客に限らず、技術力が高まってからでないと、何をやっても上手くいきません。


味が不味いラーメン屋さんを繁盛店にさせるためには、まず何をしますか?
当たり前ですが、不味いラーメンを美味いラーメンにすることからです。
不味いラーメンのまま、マーケティングを学び集客に力を入れたとしても、お客様がリピートしてくれなければ意味がありません。


ラーメン屋さんのラーメンは【美味くて当たり前】です。「ここ不味いけど、今日のご飯はここにしよう」なんて思わないですよね?

同じように美容師は【技術が上手くて当たり前】なんです。
まずはしっかりとしたコンテンツを、身に付けることが【価値のある美容師の最初の第一歩】です。

ここからは、コンテンツ(技術力)がある人に向けて話していきます。

「まだ技術不足だけど集客したい」という人は、時間もお金も無駄になってしまうので、まずは技術セミナーやヘアキャンプにお金を使って下さい。
技術力アップのために時間とお金を使って下さい。


ビジネスの基本構造

コンテンツ(技術力)が身に付いたら、そのコンテンツの価値を自分が理解しましょう。

ビジネスの基本的な考え方は【需要と供給】です。


お客様(需要側)が欲しいと思うものを、美容師(供給側)が提供できなければ、ビジネスは成り立ちません。

逆を言えばビジネスは、お客様の求めているものを提供するだけですので、構造はとてもシンプルといえます。

しかし、あなたもご存知の通り美容師はかなりの数います。同地域にいる美容師全てがライバルです。そのライバルに勝つためにあらゆる手段を使わなければなりません。

そのたくさんライバルとの競い合いが、ビジネスの構造を複雑化させます。
この複雑化された構造をシンプルにすることが、美容業界を勝ち抜く方法です。


では、どうやってシンプルにするか?


それは【自分の持つ価値】をお客様に伝えることで、よりシンプルに戦うことが出来ます。


例えばあなたはラーメン屋の店主です。同じエリアに自分も含めてラーメン屋さんが10軒並んでいました。
自分以外の9軒が「うちのラーメンは美味いよ!」とアピールしています。

あなたは何と言ってアピールしますか?


この9軒のラーメン屋は自分達の価値を「美味い」に設定しています。つまり9軒のお店は美味さで競わなければなりません。

あなたは同じように「いや、うちの方が美味い!」と言って9軒のラーメン屋と同じ土俵で戦いますか?それとも別の土俵を見つけて戦いますか?

別の土俵とは例えば「提供スピードが速い」という速さで戦えば、多少味は落ちても「さっさと食べてしまいたい」というお客様達の獲得は容易になります。

この別の土俵を見つけることが、ライバルとの戦いをシンプルにしてくれます。厳密に言えば、土俵が違う時点で戦いにならないので、ライバルがいない土俵を見つければ一人勝ちになります。(需要があれば)

僕はライバルが少ない土台を選んでいるので、敵が少なく集客が上手くいっています。


美容業界でも全く同じです。
みんながみんな「カラーが得意です」「パーマは誰にも負けません」というような土俵で戦っているから、お客様を取り合うことになります。
そして最終的には価格で競争しようとしてしまいます。


そうならないためにも、まずは自分の価値を見つけましょう。
価値を作って、その価値で戦うことを【差別化】と言います。

価値とは何か?

ビジネスにおける価値とは、一言で言うと『役に立つ度合い』です。つまり価値とは、一人ひとりのお客様が本当に求めているものです。


あなたが美容師として持っている強みや価値はなんですか?
一度考えてみてください。














強みや価値が思いつきましたか?

それは「パーマ」ですか?
「ブリーチ」ですか?
「ショートカット」ですか?

おそらくほとんどの方が、このような技術名を思い浮かべたと思います。
しかしこれらは全て価値にはあたりません。

なぜなら技術名は【名詞】です。名詞は誰にでも出来ることなので、差別化がしにくく価値になりません。

価値の正体は【動詞】です。
「動詞てなんやねん!?」と思いますよね?

すごく簡単なことです。
「失敗したパーマを直すことができます」
「痛くないブリーチ施術ができます」
「朝のスタイリングが2分で終わるショートカットが切れます」

これが動詞です。

パーマなんて誰でも巻けます。
ブリーチなんて誰でもできます。
ショートなんて誰でも切れます。

名詞で表現できることは、誰にでも出来ることです。

誰にでも出来るということは、ライバルが多いということです。つまり価値が無いんです。これを理解せずに戦っているから結果がでません。

動詞が大切というのを理解していると、価値を活かすことが出来ます。
理解してない人はいつまでも、たくさんのライバルの中で同じようなことをし続けます。

何度も言いますが価値は動詞です。
動詞は誰にでも出来ることではありません。
このことをしっかり理解して、自分の価値を考えてみてください。

価値を作ることができれば、ターゲット客が自動で決まります。価値(需要)が決まれば、供給先(ターゲット)はセットです。

僕は今は【やりすぎないパーマ】という価値で戦っています。
この価値にした理由は、現在のメンズパーマ市場が【バチイケスタイル】ばかりになってきたので、土俵を変えて【やりすぎない】にシフトしました。

「「やりすぎない」て動詞か?」と思った方もいるかと思います。

やりすぎないというのはとても簡単な言葉です。
しかしこの言葉を生み出すために、今のパーマの市場やお客様の行動心理をしっかり考えました。考えた結果、今は「やりすぎない」が1番刺さる言葉だと思ったので、この言葉にしています。(これは時代が進むにつれて変わっていきます)

「やりすぎないパーマ」が誕生した経緯を説明すると、メンズ市場では、強すぎるパーマを押す美容師が増えてきました。強いパーマが集客出来るとなれば、美容師達はみな強いパーマを発信します。

こうなってきた時に「強いパーマは嫌だな」と思うお客様が取り残されることが予想出来ます。

これにより【弱いパーマ】を当てたい人達がフリー(当てたくても選べない状況)になります。

僕はそのお客様達をターゲットにして、弱いパーマを当てたい人達の土俵に移動しました。なのでほとんどライバルがいません。

ただ「弱いパーマ」というネーミングで打ち出すと「パーマがすぐにとれてしまうんじゃないか?」というデメリットに目がいってしまう恐れがありました。なので言い方を変えて「やりすぎない」にしています。
弱いパーマを求めている人達は「やりすぎないパーマ」という言葉に目がいきます。

この一連の流れがみえたので、「やりすぎないパーマ」になりました。

「弱いパーマを当てたいのに、強いパーマを当てる美容師しか見当たらなくて困っている人に向けたパーマ」=「やりすぎないパーマ」です。

なので、やりすぎないパーマは動詞なんです。

価値とはお客様が本当に求めているものです。

そのことを常に意識して、自分の価値を探して下さい。

ちなみに今の一連の流れを予想して、組み立てることを【マーケティング】と言います。

美容師としての価値の作り方


価値は【ターゲット客が求めていることを叶えること】です。
言い換えると、あなたが美容師としてお客様に提供できることで、【お客様の不便や不満を解決すること】が価値です。

美容師として高い価値を作るためには、あらゆる要素を身に付けなければなりません。ですがその前に、最低限身についていなければならない要素があります。

最低限身につけなければならないことは
・平均以上の技術力
・丁寧な接客
・当たり前のサービス内容
・自分の見た目や匂い、態度が世間の常識であること

この4つはサービス業なら身についてて当たり前のことです。ここが足りていないなら、どれだけ価値を作ろうとしても無駄です。
なぜなら【価値を作る】理由は、お客様に来ていただく事です。価値以前に店として、人として問題があればお客様が来るはずもありません。


上記の4つが身についている前提で、価値の作り方を説明していきます。


まず価値というのは、美容師側が感じることではなく、お客様が感じることです。なのでターゲットのお客様にとって価値があるかどうかが重要になってきます。

簡単に例を出すと、美容室での【丁寧な接客】はお客様が求めていることですし、心地いい接客は大きな価値となります。
しかし、1000円カットでは丁寧な接客よりも【早い】に重きを置いています。
なので同じ美容業界とはいえ、1000円カットを利用するお客様は、丁寧よりも早いを求めているので、早い方が高い価値となります。

この例から分かるように、価値というのは提供するお客様によって変わってきます。先ほど言った【ターゲットのお客様にとって価値があるかどうかが重要】というのはこういうことです。

つまり、僕が提供している価値とあなたが提供する価値は、ターゲット客が違うので全く別物になってきます。このことを理解せずに、「上手くいっている人を真似しよう!」としてしまうと、必ず失敗します。


・平均以上の技術力
・丁寧な接客
・当たり前のサービス内容
・自分の見た目や匂い、態度が世間の常識であること

これらを理解した上で、価値を作るためには

【自分が提供できる技術で、お客様の求めていることを叶える】

ことです。

そして多数いる美容師のライバルに勝つためには『役に立つ度合い』が高い価値を身につけて発信することです。役に立つ度合いはお客様それぞれで感じ方が違います。例えば、同じ価格、同じ立地条件で

① 2時間で可愛いミルクティーカラーができる。
② 3時間かかるが少ないダメージで可愛いミルクティーカラーができる。

このようにミルクティーカラーでアピールしたときに、値段は同じでも①を選ぶお客様もいれば、②を選ぶお客様もいます。これは「美容室が苦手」「予定があって急いでいる」人にとっては①の方が役に立ちます。
「ダメージしたくない」「出来るだけ色持ちさせたい」人は②に価値を感じます。

お客様にはそれぞれの事情や感情がありますので、その事情や感情を自分の提供できることで役に立つことで、お客様が価値を感じてくれます。

あなたが美容師としてお客様に提供できることで、お客様の不便や不満を解決できることをしっかりと作りましょう。


価値をどこに設定するか

価値がどんなものか分かり、自分の価値を作ったら、次は価値をどこに設定するかが大切になってきます。

価値の設定する場所は大きく2つに分けられます。
「人」か「モノ(事)」の2つです。

分かりやすく言うと
「美容師自身」か「コンテンツ(技術等)」かの2つです。

先に言っておくと【美容師自身】に価値を付ける方がいいでしょう。コンテンツに価値を付けるのがダメというわけではありません。戦略的に使えばどちらに付けてもいいですが、出来るだけ美容師自身に価値を設定した方がシンプルで分かりやすいです。

美容師につけた場合

なぜ美容師自身に価値を付けるのかというと、美容師は接客業なので人対人のビジネスです。なので最終的には「あなたにやってほしい」という状態になることが出来ます。美容師であるあなた自身に価値を感じてもらうことができれば、一生のお付き合いができるお客様になってくれます。

実際、自分自身に価値をつけている美容師さんは、予約が取れない人が多く、既存客だけで回していけるので、新規集客をする必要がありません。
なので独立したり、お店が変わっても、お客様はついて来てくれます。

美容師自身に価値を付けることのメリットは、【お客様に困らなくなる】ことです。つまり、長期的に売上が落ちないので、美容師をずっとやっていけるということです。

しかしデメリットもあります。デメリットは、【ハサミが置けない】ことです。いわゆる現場から退いて経営に回るということが出来にくくなります。
あなたを目的にお客様は来ていますので、「今後経営に回りますので、弟子に引き継ぎます」というのが出来なくなります。

生涯現役や一人サロンをやる人には関係のないデメリットです。

メリットは売上が安定すること
デメリットはハサミが置けないこと

コンテンツにつけた場合

次に【コンテンツ】に価値を付けるというのは、流行りの技術や、難しい技術、仕上がりの見栄えに対して価値を創っていくことです。
バレイヤージュや、波巻きパーマなど流行のスタイルに対して、「ウチは出来ますよ」とアピールすると爆発的な集客が見込めます。
なので短期的な売り上げを作ることができることが、コンテンツに価値を付ける最大のメリットです。

デメリットは、周りの美容師が流行を取り入れ始めたら、集客は落ち着いてしまいます。ライバルがいないから売上を作れるということなので、ライバルが増えてきたら、次の流行をいち早く察知する必要があります。

メリットは短期で爆発的な売上を作ることができること
デメリットは、流行を追いかけ続けなければならないこと

価値の設定は無意識的にしている人が多いと思います。
新規集客を追い続け、失客率が高い人は、コンテンツに価値をつけている人がほとんどです。

集客できずに焦っている人も、コンテンツに価値を付けがちです。
「髪質改善できます!」「メンズパーマ美容師です」と言ったようにアピールすると、流行りが終わった時にまた焦ってしまうことになります。

短期的に売上を上げるための戦略と理解して、価値を付けるのはOKです。
自分が何をしているのかは、しっかり理解しましょう。

結論、現場を退く予定のない方は、価値の設定は【自分自身】にしましょう。


2.コンセプトメイキングとターゲット設定



コンセプトは美容師で成功するために必ず必要な土台となります。

コンセプトが決まれば【ターゲットが決まり、戦略が決まり、方向性が決まり、インスタの運用が決まり、マーケティングが組みやすくなり、差別化しやすくなり、やるべき事とやらなくていい事が明確】になります。

スポーツで例えるなら、「自分はホームランバッターを目指す」というコンセプトを掲げたなら、ホームランを打つためのトレーニングメニューをすればいいわけです。
「ホームランバッターを目指す!」と言っているのにバント練習や、走塁練習に同じように時間を割いていたら「ホームランバッターを目指すんじゃなかったけ?」と周りに思われてしまいます。

「短距離選手になる」と決めたのなら、【早く走るための練習】をすればいいわけです。

「ストライカー(サッカーの点取屋)になる」なら【得点に結びつくための練習】をすればいいんです。

コンセプトが決まってない人は、フォワードなのに守備の練習にも同じように時間を使ってしまいます。

美容師で言えば、コンセプトがないと、なぜそのターゲット設定なのか?なぜその投稿をしたのか?など自分自身がやっていることが、自分で分かっていないような状態になってしまいます。


コンセプトは理念であり判断軸になります。
【誰にどのような価値を提供するか?】これを考えて自分の思うコンセプトを確立してください。コンセプトは【集客や売上】に直結します。


成功している美容師は必ずと言っていいほどコンセプトがあります。なぜならコンセプトがあるから、間違った方向に進まず、正しい方向に努力することが出来るからです。

僕の周りにも頑張っている美容師はたくさんいます。ですが結果が残せる美容師はほんの一握りです。ほとんどの美容師が正しい方向に努力ができていないが為に、頑張って行動しても思ったような結果が出ません。

すごい極端なことで例えると、メンズパーマやメンズカットを得意としてそれを発信しているのに、所属しているお店が女性メインで集客しているお店だった場合などです。
その店で働くなら、発信を女性メインに変えた方が集客は上手くいきます。逆でメンズに特化したいなら、メンズを集客しているサロンに行った方が、今している発信が無駄になりません。


正しい方向に進む為にはまずコンセプトを作ることからです。
【誰にどのような価値を提供するか?】これを考えましょう。

コンセプトを作るには今自分ができることで、何が出来るのか?したいのか?を明確化、言語化することです。もっと分かりやすくすると、どんな価値を使って、どんなお客様をどこに導いてあげれるか?ということです。

例えば
スターバックスは【サードプレイス(第三の場所)】というコンセプトを掲げています。これは家でもなく職場でもない、第三の休まる場所という意味です。

このコンセプトがあるから、スタバには広い席間隔があります。
お客様がゆったり出来るように、席を増やしすぎず、居心地を重視しています。これは【サードプレイス(第三の場所)】というコンセプトに沿って作られているからです。

この例のようにコンセプトがあって→提供するもの、出来るものが決まります。コンセプトがなく回転数や売り上げを上げようとしていたら、今のようなスターバックスは存在していないかもしれません。

つまり集客やマーケティングを学ぶ前に、まずは自分のコンセプトを決めてください。コンセプトが決まれば本当に学ぶべきことも見えてきますし、自分が向かう先が明確に見えてきます。

僕の失敗例で言えば、過去に何から勉強していいか分からなかったので、とりあえずYouTubeやインスタで成功している人が紹介している本を買って読んでいました。「何もしないよりは、本を読んでいる方が良い!」と思っていたからです。

しかし、その時はコンセプト(何がしたいか)が無かったので、読んでも僕が使えるような知識はなく、ほとんど意味がありませんでした。
内容が頭に入ってこないし、仮に入ったとしても使う場がわからないので、そのうち忘れます。

コンセプトを決めると、今読むべき本が分かります。見るべきYouTube、入るべきオンラインサロンが分かります。

美容師として自分の生きていく指針にもなるとても重要なことなので、適当に決めずにしっかりと決めましょう!

絶対にしてはいけないことは、人のコンセプトを真似ることです。
「あの人成功しているから真似しよう!」これが一番危険です。コンセプトにはその人の軌跡がベースになって作られます。
自分で経験してきたことだからこそ、ブレないコンセプトになりますので、必ず自分でコンセプトは作り上げましょう。もし自分の経験からコンセプト作りが難しいのなら、経験不足の可能性が高いので、色々とチャレンジして経験しましょう。

ポイントとしては真似をするのは【要素】だけにしましょう。

アドバイスぐらいなら人にもらっても良いと思いますが、答えは自分の中にしかないので、しっかり考えましょう。


究極の未来

自分が提供出来るもので、相手に与えられる究極の未来を言語化出来るようにすることはとても重要です。

これは、今後生き残りたい美容師なら絶対に頭に入れておくべきことです。

美容師がお客様に必ず見せなければならないことは、「自分に任せると今後こうなるよ!」という【究極の未来】を見せることです。

究極の未来とは、そのお客様の目先の小さな問題を解決するだけでなく、人生を通して「あなたはこうなれますよ!」と提示することです。髪の毛を通してお客様が求めている未来を作ってあげることです。

多くの美容師が、目の前の問題に対してだけの解決策しかお客様に伝えていません。確かにお客様は「今の悩みをどうにかしたい!」という気持ちでご来店します。なので今の悩みを解決することは、美容師として当たり前なことです。

当たり前のことを当たり前に解決するだけでは、お客様にファンになってもらうことは不可能です。【目の前のことの解決+これから起こりうる未来への対抗策】この2つをセットにして初めてお客様に「すごい美容師」と思ってもらうことが出来ます。

そして最終的にそのお客様にとっての【究極の未来】を提示してあげることで、一生のファンになってもらうことが出来ます。

なぜ究極の未来提示が必要なのか?と言うと、繰り返し起こっている問題の一時的な解決よりも、根本から改善して永続的な解決の方がいいに決まっているからです。

例えば「癖があり毎日の朝のアイロンがしんどい」人がいたとして、毛量や長さを減らして【アイロンをやりやすくしてあげる】という選択肢は、繰り返し起こっている問題の一時的な解決になります。

この人に対して【縮毛矯正を勧める】ことで根本から改善して永続的な解決に繋がってきます。(厳密に言えば、半永久的な解決)
半年に一回縮毛矯正を当てなければなりませんが、このお客様の「毎日の朝のアイロンがしんどい」という問題は解決できます。

このように、お客様が求めている未来を作ってあげることがとても重要です。売れっ子美容師は必ずと言っていいほど【未来の話】をしています。もし出来ていないなら、これからは必ずしていきましょう。

3.カウンセリングの重要性


カウンセリングは美容師の生命線だと僕は思っています。
カウンセリング次第で、売れる美容師になるかどうかが決まります。売れている美容師は必ずカウンセリングが上手いです。逆にカウンセリングに苦手意識がある美容師には、ファンがあまりいません。

自由に働けるくらいの売上を作っていくためには、必ずカウンセリングが必要になってきます。苦手なら必ず上達しましょう。


僕は業務委託で働き始めた頃、カウンセリングがとても苦手でした。強い苦手意識もありました。そのため、ファンと呼べるお客様はほとんどおらず、フリー客ばかり入り、失客率も90%を超えていました。

この状況を打破するために、苦手なカウンセリングを磨き始めました。カウンセリングを磨き始めてから1年くらいで、フリーランスになれました。

カウンセリングは「話し上手」な人が上手いと思っている人が多いですが、実は話し上手かどうかはあまり関係ありません。
カウンセリングを上手くなるコツは、【カウンセリングの構造を理解する】【お客様の目的を理解する】ことで誰でも上手くなることが出来ます。


例えば、お客様は何を目的に美容室に来ていますか?


髪を切りに?髪を染めに?


確かに美容室は髪を切ったりするところですが、それはお客様の本当の【目的】ではありません。

お客様の目的は可愛く、カッコよくなることです。髪を切るのはそのための【手段】です。その手段と目的の違いを美容師が理解していないと、お客様を本当のファンにすることはできません。

お客様の目的をもっと細く分類すると、「可愛くなるため」の他に「癖で広がる髪をストレスなく収めたい」とか「男子にモテたい」とか「結婚式前に綺麗にしたい」という様々な目的があります。

その目的を達成するための手段として、カットやカラーがあります。

美容師が「今日のお客様は【カット+カラー】で予約して来たから、カットとカラーが目的だな!」と思っているとお客様の満足度は上がりません。
間違った認識をしている美容師は「今日はカットカラーですね。どれくらい切ります?」みたいなカウンセリングをしてしまいます。

こんなカウンセリングをしていては、いつまで経っても価値のある美容師にはなれません。なぜなら、誰でもできることを聞いて、誰でもできることをやっているだけだからです。

売れる美容師になるためには、カウンセリングが最も大切です。

指名が取れるスタイリストは皆例外無く、カウンセリングが上手です。カウンセリングの手法は様々ですが、お客様が絶対に安心するカウンセリングテクニックがあります。

それは喋るのが苦手な方でも、実践できます。売れるスタイリストが共通して持っている考え方なので、自分のカウンセリングスタイルを崩す必要はありません。喋るのが苦手でも大丈夫です。その考え方というのはお客様の事を【行動ベースで見れているか】です。行動ベースというのは、お客様がなぜそれを求めているか?を考える事です。

例えば、白髪染めの予約でご来店した、小学生の子を持つ40代女性のお客様がいます。お客様の要望は「白髪が気になるからしっかり染めたい。だけど暗くはしたくないから、明るめで染めて欲しい。」です。

売れないスタイリストは要望を聞いた後、早速「どれくらいの明るさが良いですか?」と、明るさや色味についてカウンセリングを始めます。

カウンセリングの結果、売れないスタイリストは「明るすぎると白髪が染まらないので、少し暗めになりますが、ギリギリ染まる明るさで染めますね。」という結論を出して施術に入ります。仕上がった後、お客様は白髪が染まった事には喜びますが、おそらく仕上がりには満足しません。

一方で売れるスタイリストは、いきなり明るさ、色味の話はしません。
「なぜ白髪を染めたいんですか?」「なぜ暗くしたくないのですか?」「なぜ明るい方が良いのですか?」「何かイベントがありますか?」「お仕事はしていますか?」などお客様の背景に対しての質問をします。

なぜ?を繰り返していくと、お客様が白髪を染めたい本当の理由に辿り着けます。背景を聞いていくと、「近々、子供の卒業式があって綺麗にして行きたい。」という事が分かりました。

売れるスタイリストは「仕事などしていないのであれば、ハイライト入れて白髪をぼかしながら、明るめのカラーで染めてみませんか?ハイライト入れることで白髪染めを使わなくても、白髪はしっかり染まりますし、色味も綺麗なご希望の色味に出来ますよ。」と提案をします。

仕上がった後、言うまでもなくお客様は大変喜びます。白髪も染まり、明るくしたいというのも叶ったからです。子供の卒業式にも、綺麗で素敵なヘアスタイルで行くことが出来ました。

同じお客様でも、聞き方を変えればいろんな提案ができます。売れるスタイリストへの近道は、お客様がなぜそれを求めているか?を考えることです。

今回の例のお客様は「子供の晴れ姿を、自分も綺麗になった状態で見に行きたい」という背景がありました。

売れるスタイリストは子供の卒業式にどんな髪型、髪色で行ければ、お客様が満足するかを考えて提案が出来ます。

逆に売れないスタイリストはそれが出来ません。【手段と目的】の区別がついていないためです。お客様が予約した【白髪染め(手段)】についてしか話しません。つまりただの作業です。お客様の要望通りカラーを塗るロボットみたいなものです。

この例は実際にあったお話です。

ずっとフリーで来ていたお客様に、初めて僕が入客して、実際にやったカウンセリングです。それ以降指名を頂き、今でも担当させて頂いています。カウンセリングは相手が本当に求めているものを探すためにします。

喋りの上手い下手は関係ありません。
売れるスタイリストになる為にカウンセリングは必ず学びましょう

カウンセリングを鍛えることで

美容師としての土台を作る事ができます。
美容師としての土台というのは【常連客をたくさん抱える力】ことです。

ここ数年の新規集客はいわばバブルの様なもので、魅力的な発信が出来さえすればお客様は一回は来てくれるというものでした。
新規のお客様が月に50人以上来るということもザラにありました。そんな中このバブル状態で一つだけ崩壊しているものがありました。

それは【リピート率】です。
呼び込みが上手くいっている反面リピートが極端に下がってしまう人が続出していました。


バケツに例えるなら、蛇口をマックスまで捻って水を大量に溜めようとしているのに、穴が空いていて水が溜まらないという状況です。

もちろん新規のお客様に来ていただくことはとても大切ですが、それよりも先に【バケツの穴を塞ぐ=常連客になってもらう】ことをしなければなりません。

今もまだ、蛇口を捻ること(新規集客)が重要とされています。

しかし重要とされていた時代はもうすぐ終わります。あと1〜2年でバケツに穴が空いてない状態の美容師が圧倒的に勝つ時代がきます。


ここ数年で必ず、新規集客に頼っている美容師がやばくなり、常連客がいる美容師がより伸びていきます。それは1〜2年後に対策し始めても遅すぎます。次波が来る前にいつでも乗れる様にしとかなければなりません。その波に乗るためには【バケツの穴を塞ぐ(失客をしない)】ことです。



じゃあバケツの穴を塞ぐためにはどうすればいいか?というと【カウンセリング力】を高めることです。今まではオンライン上で戦うことが重要でしたが、これからはオフラインがとても重要になってきます。


【カウンセリングと人間力】この二つのレベルが高い人が次の美容業界の波に乗ることが出来ます。もちろん今からでもまだ間に合います。大切なのは気づいてやれるかどうか?と効率良くできるかだけです。


カウンセリングは必ず鍛えましょう。カウンセリングのレベルが高いというだけで、圧倒的に価値が高い美容師になれます。

カウンセリングに関しては、別記事に【カウンセリング完全攻略】という記事を書いています。これは、僕が学んできたこととと実践でやってきたことをまとめたものです。カウンセリングというものの正しい理解と、使えるテクニックと考え方が身につき、かなり高いレベルのカウンセリングをすることが可能になります。


カウンセリング完全攻略はこちら↓↓

ちなみにこの記事は、【noteで最も売れた記事】の一つとして表彰されています。

カウンセリングが苦手というのは、美容師として死活問題だと思います。
苦手な人は必ず読むことをお勧めします。
記事の半分くらいは無料で読めます。無料部分だけでもカウンセリングの理解度はかなり高まります。


4.マーケティング戦略

この章では、近年美容師にも必須スキルになりつつある、【マーケティング】についてです。
「フリーランスとしてやっていきたい。」「独立したい」人には必須ですので、深く理解することをお勧めします。中途半端な理解だと何も生まれないのがマーケティングです。


フリーランス美容師のマーケティング戦略

ここからは、僕が実際にやっている、普段から考えている部分になってきます。僕のやっていることを、自分に当てはめて考えてもらうと、再現性が高くなると思います。

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