企業法務につなげる 会社設立の方法(商号編)

1.はじめに

みなさん、設立登記業務で商号を決定するにあたり、普段どのようなことに注意していますでしょうか?

おそらく「登記できる」か「登記できない」かといったことには非常に注意を払っていることだと思います。
もちろん、これは司法書士として当然であり、最も大事なことなのは言うまでもありません。

でもそれだけでよいのでしょうか?

こんなことを言うと「不正目的の商号禁止だとか不正競争防止法の規制でしょ!それも考えてきちんと設立してるよ!」という声がちらほら聞こえてきそうです。

もちろんそれも大事です。
類似商号の規制が無い現在、商号に関するトラブルはそれぞれ訴訟などで解決する方向であり、こういった規制に注意しておかないと、いらぬ訴訟に巻き込まれるリスクがあることは確かです。

でも、このレポートで「企業法務につなげる」と謳っている以上、それだけでは足りません。
もう一歩踏み込まなければなりません。

そのもう一歩とは、

「商標」

です。

「商標」というと、司法書士にとってあまりなじみがないかもしれません。

しかし、この「商標」は会社設立後の会社経営にとって非常に大事なものになってきます。

「商標」はいわゆる企業のブランディング戦略にとってなくてはならないものです。

もし、このようなところで司法書士が関われたら(アドバイスできたら)、経営者からの信頼を得られる近道になりそうな気がしませんか?

このレポートでは、会社設立手続きでの商号の決定という角度から、企業法務につなげることができるように、基本的な事項から一歩踏み込んだ事項までお話していきたいと思います。

2.商号に使用できる文字など

まずは、基本的なことから、商号に使用できる文字などをおさえておきましょう。

①使用できる文字(商業登記規則50条、平成14年法務省告示315号)

・漢字、ひらがな、カタカナ
・ローマ字(ABC・・・XYZ)(abc・・・xyz)
・アラビヤ数字(0、1、2、3・・・9)

※字句を区切る場合のみ使用可。ピリオドについては末尾でも可
・アンパサンド(&)
・アポストロフィー(‘)
・コンマ(,)
・ハイフン(―)
・ピリオド(.)
・中点(・) 

②使用が強制される文字(会社法6条2項)

商号には、その会社の種類により、株式会社、合同会社、合名会社、合資会社の文字を使用しなければなりません。 

③使用が禁止される文字

・支部、出張所、支社、支店  ×使用できない
(大10.10.21民事2223号回答)
・銀行、信託、保険  ×使用できない
(銀行法6条2項、信託業法7条2項、保険業法14条2項)
・代理店、特約店  ○使用できる
(昭和29.12.21民事甲2613号回答 ) 

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