今更ながら自己紹介

 大学の文藝部に籍を置いて以来、ずっと「亀山真一」というペンネームを使っています。会う人会う人、ペンネームを教えるたびに「何で?」と聞かれるので、
「とりあえず今まで書いたキャラクターの中で一番のお気に入りを使うことにした。折角だからそのうち『筆者が主人公パターン』で書いてみたい」
 と答えています。若干後付け感が否めませんが、他人に説明する分には一番しっくりくる答えです。

 しかし、既に作り上げてしまったキャラクターで「筆者が主人公パターン」を実現させるのはちょっと難しい。何故って「亀山真一」は現実の僕と違いがありすぎるのです。
 まず霊感少年、というかこれがほぼ全て。
 僕は子供の頃に海外ファンタジーにのめり込んだクチなので、筆者が主人公の小説と言えば『ダレン・シャン』です。主人公がヴァンパイアなのに最後まで読むと辻褄が合っている……と、これ以上はネタバレしそうなので控えますが、とにかく僕が虚構の「亀山真一」になりきるには越えなければならない壁がたくさんあります。
 そんな折、ドラマ化の流れを受けて有栖川有栖さんの『臨床犯罪学者火村英生の推理』シリーズを読んでハッとしました。筆者本人が登場し、しかもあとがきで「有栖川有栖です。犯罪学者の友人はいません(亀山の曖昧な記憶より引用)」と書き出していたのです。
 他人様の、それもプロの作家さんのネタ見て「これだ!」と思うのもどうかと思いますが「亀山真一」を名乗りながら「亀山真一」を描いても構わないんだと嬉しくなりました。僕もいつか「亀山真一です。霊感は特にありません」とか書いてみたいものです。

 さて、このままでは「どこが自己紹介だ?」と言われてしまいそうなので僕の話をします。
 そもそも何故このタイミングで自己紹介記事を書こうと思ったかというと「どうせ自分をさらけ出すなら使いたい写真」を撮る機会を伺っていたからです。そして、ここまで読んでくださった方ならお察しの通り……撮れませんでした。僕が求めていたのは「車椅子の格好いい写真」です。

 先週、待ちに待った僕の新しい車椅子が届きました。身軽で機動力重視、フレームはシーグリーン、オーダーメイドの間違いなく「格好いい車椅子」です。しかし、撮っても撮っても「車椅子の格好いい写真」は撮れなかったのです。何故でしょうか?
 背景が家の中だったから、僕が構えられるアングルに限界があったから、そうかもしれません。しかし、もしかしたら僕はまだ「車椅子≠格好いい」にとらわれているのかもしれません。自分に強烈なレッテルを貼ってしまう写真が怖いのかもしれません。少なくとも、前段のペンネームの話に付き合ってくれた方にしかこの文章は読まれないようになっています。

(2019.04.26)以降の文章を再編集いたしました。改めまして、僕の車椅子がこちらです。

画像1

 その名もsuaiちゃん。あ、商品名ですよ。
 背もたれの後ろでビラビラしているのは杖を固定するマジックテープです。僕は杖があれば歩くことも可能なので、外出の際は車椅子に杖をくくり付けています。
 どうですか、めっちゃ格好よくないですか?
 自分が障害者であることはnote初めて半年で包み隠さなくなってきました。その辺りを強みにした作品もいつか書いてやりたいです。

 ひとまずは現在noteに掲載している作品たちと、マイページのトップにも掲げている卒業制作『勇者と魔法と歌声と』を読んでみてください。感想やリクエストもお待ちしています。

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