わが教材
塾の教材選びは、その塾のスタンスが明確に出る。
さっそくだが僕の塾のスタンスはこうだ。
そのワークをやれば定期テストで70点が取れるようなもの。
そのためには、できるだけ簡単なやつがいい。応用問題なんかは最低限で良い。
今回紹介する教材は、どれも個別指導用の教材だ。
これには賛否が分かれるかもしれない。
しかし、自塾なりの理由がちゃんとある。
教材の話をする前に、まずはその理由から述べたい。
まずうちの塾は、通塾生の中央値を取ると、偏差値40後半から50くらいになる。
要は、「勉強が好きか嫌いかで言ったら確実に好きではない。」という層がボリュームゾーンだ。
そうした子が中間期末で点数を維持、もしくは上昇するためには、基礎の徹底こそ肝要だと考えている。
だからこそ、まずは平均点を目指す。
なぜなら、再度言うが、「勉強は確実に好きではない。」からである。
塾において基礎を叩き込まずに、「あとは、勝手に家でやってくれ。」とはいかないのだ。
理由の二つ目は、自塾のテスト対策に関係がある。
智心館では、テスト期間中に学校のワークを持ってきてもらい、塾でワークを進めるという取り組みを行っている。
要は、塾の授業に学校ワークの演習を取り込んでしまっているわけだ。
元来学校ワークというものは、全学力層が解く用に設定されているため、基本問題から応用問題まで幅広く取り扱われている。
ここで必要な生徒は、70点より上の問題に触れればいいと思うのだ。
これなら中下位層に平均点というボトムが担保できる。
さらに上位層においても、材料となる知識が揃った状態で応用問題に入るので、「いや、そもそも前提となる基礎が分かってないやないかーい!」といった状況が起きにくくなる。
まぁ、それでも個別指導向け教材が故、最上位となると持て余してしまう部分は確かにあるが。
なので、彼らに関しては教材を変更しているが(生徒によって教材のレベルを変えられるのは、自立型の強み)、9割近くはこの教材で対応している。
前置きが長くなってしまった。
それでは教材の紹介に参ろう。
※最上位の使用教材に関して、今回は割愛。需要ありそうだったら今後やる。応援よろしくお願いします。
数学
オリテキI.T(日本教材出版)
業界人には言わずと知れた、オリジナルテキストの個別指導用教材だ。
この先でも述べるが、英語に関しては年によって何度か教材を変えている。
しかしながら、この教材に関しては、もう5年くらい変えていない。
たぶんこの先もずっと変えないだろうとすら思うくらい、僕はこの教材を溺愛している。
たしか中1で1ヶ所誤植があるのが玉に瑕(今は改善されてるかも知れないけど)。
この教材の推しポイントは二つ。
①コンパクトにまとまっていること。
個別指導用こそではあるが、単元が非常に良くまとまっている。
しかしながら、塾の先生ならなんとなくわかると思うが、「良くまとまっている。」とは、すなわち「類題が少ない。」という諸刃の剣を抱えることになる。
確かに本書も類題は少ない。
だがそれも、70点を目標とするために、戦略的に省いていると言えるだろう。
というより、類題が多すぎるのも考え物だ。
なんで連立方程式の文章題を、20ページも30ページも解かなアカンねん。
今にも、生徒からそんなツッコミが聞こえてきそう。
②難しくないB問題
オリテキI.Tの単元構成は、以下の3ステップだ。
1.練習問題
2.A問題
3.B問題
なので、先ほど類題は少ないと言ったが、最低限3回は基本的な問題を回すことができる。
その徹底ぶりたるや、B問題に関してもまったく応用問題は入っていない。A問題と同等の問題が並ぶだけだ。
「これだけはできるようになれよ?」という気概を感じずにはいられない。
なので、僕の塾では、B問題を「テストページ」として、何も見ずにできるようになったかどうかを試すページにしている。
オリテキI.T
総評:★★★★★
使える塾:自立型、個別指導
おススメしない塾:集団もしくは上位層
改善して欲しいところ:英語も出してくれ
英語
スマートワーク(エデュケーショナルネットワーク)
英語に関しては色々模索してきた経緯がある。
ちなみに最も長く使ったのは、パーソナル(育伸社)。
ただ、昨年度から教科書準拠でなくなってしまったので、こちらに変えた。
個人的にパーソナルは完璧に近かったのであるが、教科書に出てくる単語テストを行いたいがために、なくなく取りやめることにした。
こちらのワーク、特に中1の内容超過が気になる。
そこそこできる子でも終わらない(時折復習なども盛り込んでいるため?)。
今後検討中の案としては、教科書準拠をやめて、僕が教科書の単語だけテストをつくる(もしくは教科書準拠の単語帳を買う)などを考えている。
なにかいい取り組みがあったら、コメントやTwitterのリプライなどで教えてください。
・・・違う、違う!
スマートワークについて話をしなければ。
なんかこのワーク、悪くはないが、めっちゃいいかと言われたら疑問符がつく印象。
新出単語すべてに、カタカナで読み方が振ってある点は高評価。
単元の最後に3、4行の読解問題がついているのも、英語苦手な子からすればとっつきやすくていいと思う。
付属のテストに関しても、毎回教科書の新出単語だけではなく、それまでに学習済みの内容が入るのはグッド。
ただし、全体的に無思考に穴埋めできてしまう嫌いがあって、文法もじっくり頭を使って精読させたい僕としては、少々物足りなく感じてしまうところ。
先ほども述べたが、まだまだ改善していける余地を残している気がする。
スマートワーク
総評:★★★☆☆
使える塾:自立型、個別指導
おススメしない塾:集団塾(ある程度講師主導で授業を進める塾であれば、お勧めはしない)
改善点:もうちょっと頭使う問題が欲しいし、すべての単元網羅しようとしなくていいんじゃない?
まとめ
僕の塾が現在メインで使っているのは、オリテキI.Tとスマートワーク。
最初にも述べたが、塾の教材については、その塾それぞれの主義主張が明確に出るため、賛同してくれる方もいるだろうし、異を唱える方もいると思う。
賛否どちらにしても可能であればご意見をいただきたい(否の場合はお手柔らかに)。
自身の哲学を教材に反映させることは、個人塾であることの醍醐味が故、これからもアンテナを張り巡らしつつ、常に智心館の授業をアップデートさせるべく、教材を探し求めている。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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