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家族の期待を背負ってチキンを求めて旅に出る

こんにちは。すうちです。

今回は、年に一度!?のショートショートな雑記です。

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※タイトル画像:中川 貴雄さん


今日の出来事である。クリスマスイブである。

我が家もこの時期は例年、なんとなくチキンを食べる習慣がある。

ここ数年は毎年、モ○チキンが定番だったが、今年はどういう訳か私以外の家族はK○Cのチキンが食べたいと言う。

チキンを買いに行くのは、毎年私の役割だ。

数日前に家族の要望を聞くと、K○Cのクリスマス定番のチキンではなく、辛味なんとかと言う、私にとっては少しマニアックな商品が食べたいらしい。

奥さんが「たぶん予約ができる」と言うので「それならば」とお願いした所、近場のK○Cはどこも予約はすでに完売だと言う。。。しかも店舗によっては当日は受け取りのみで販売もクリスマス限定パックだけが多いとわかった。

私も少し調べてみたが結果は同じだった。
この時期、皆そんなに食べるんだ。。。天下のK○Cを私は甘くみていた。

私のミッションは途端に難易度が高くなった。しかし、年に一度の家族の期待を背負っている。できればこのミッションを完遂して心地よく新年を迎えたい。

当日いつもより少し早めに家を出た。毎年モ○チキンだった時は予約なしでも近場の店舗で売り切れることはなかった。日中出かけたついでに夕方買って帰る時もあった。

しかし、今年は違う…なんとなく「買えないかもしれない」という緊張感も漂っている。今年ハマった「葬送のフリーレン」の影響か、その時の気分は魔王討伐に向かう勇者一行のような期待と不安が入り混じった気持ちだった(当日出かけたのは一人だったけど…)。

売り切れで買えないことも想定して、自宅から比較的近場の店舗をいくつか検索する。そして効率よく巡るルートを模索する。また少し歩けば別店舗もあるような駅周辺をターゲットに攻めることにした。

1件目。小さめな店舗。店員さんに聞いた所、今日は予約販売のみだと申し訳なさそうに言う。私以外に予約なしで探りを入れに来た人もいたが、皆残念そうにその場を立ち去っていた。

「まだ1件目だ」「他の店の候補(希望)もある」そう自分に言い聞かせ、少し歩いて2件目を訪れた。

そこはさっきより少し大きめの店舗。当日予約受け取りだけでなく、注文もできるようだった。早速店員さんに駆け寄り聞いてみる。。。しかし、希望の辛みそ君は今日は販売してないと言う。その駅での探索は見切りをつけた。

次に少し離れた駅の店舗に向かう。店内を見ると当日注文と予約受け取りレーンの案内がある。「これはイケるかもしれない…」
店員さんにカラミソが買えるか聞いてみる。私の中では正式な商品名はすでに消え去り「カラミソ」になっていた。

しかし、残念ながらその店舗でも売り切れだった。なんと午前中に完売したと言う。私は名前もちゃんと覚えてないカラミソの求心力を完全にみくびっていた。

もしかしたら最近CMとかでめちゃ流れてて我が家だけでなく、多くの人をトリコにしていたのかもしれない。。。

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家族会議である。我が家のLINEにメッセージを飛ばす。2時間ほどいろんな店舗を回ったこと。基本どこも予約販売のみでそもそもカラミソは売り切れか今日販売されてないこと。そして代替え案として私の希望の「モ○チキンはどうか?」もそっと添えてみた。

家族の期待を背負ってただけに場合によってはもう少し足を延ばして探索も覚悟してたが、意外とあっさりOKサインが出た。いろいろ回ったことに温かい気遣いのメッセージも貰えた。

聞くところによると「皆食べたい」とは思ってたようだが、今日絶対食べたいかというと実はそこまではなかったらしい…笑 それならば、もっと早く相談すればよかった。

予定変更し本日のミッションは完了した(カラミソは、また別の機会で合意)。

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午前中に少し用事を済ませ、昼は食べずに家を出てきたので、孤独のグルメの五郎のような急に腹が減った感覚がおそってきた。何か無性に食べたいと思った。

その後、K○C探索途中に少し気になってた中華料理店に入ってみた。比較的出来たばかりの新しい店舗のようだった。

そこは店の座席数に比べ、店員は少なめで調理とそれ以外の2名体制だった。注文は座席のタッチパネル。水もセルフサービス。店の看板メニューで気になった炒飯を注文する。

しばらくすると、店の奥から(ちょっと店の雰囲気とかけ離れた…)陽気な音が聴こえてきた。

配膳ロボットである。注文した料理が見習い修行中と書かれた「ヤスミン」から運ばれてきた。店の座席や机の間を器用に抜けてヤスミンがやってくる。結構スゴイ技術だと思う。

最後は商品を取り出しやすいように私の向きに(ヤスミンにとっては背中を向け)回転していた。

受け取り完了ボタンを押すと「ごゆっくり…」「失礼しました」など語りながら店の奥に去っていった。

都心のコンビニや居酒屋などは外国人労働者の方々を見かけるようになったと数年前から思っていたが、飲食店の人手不足なのか人件費削減の一案なのか身近で初めてロボットの接客を受けたことに時代の変化を感じた。

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余談だが、1年前にこんな記事を書いていた。

今年も店先のなじみ!?のサンタと対面した。今年は2体からまた1体に戻っていた。もう1体はどうしたのだろうか?そんなことも思いながら、1年あっという間だったと振り返る。

そういえば、本日は完遂してないミッションがまだ残っている。そろそろ子供にも「薄々バレてるんじゃないのか?」と思いつつ、もう少し素知らぬ顔で続けられる間は続けようと思っている。

この後、暴飲暴食はできる限り控えて、ミッションを完了したいと思う。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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