野球とアイドルと

独断と偏見で好きなアイドルを野球で例えていく。野球オタクはすぐ野球で例えたがるし居酒屋で煙たがられる。野球オタクはそういうところある。

野球は好きだけど知識が偏っているしハロプロはまだよくわからないけど歌うますぎてやっべえ!ってなっているしもし私が生まれ変わって野球選手になったら登場曲ハロプロにしようと思っているので浅い部分で語るところは許してほしい。

まず私は実力がある人が好きだ。本人の才能はもちろんあるだろうけれどそれに慢心せず努力を重ねプロとして生きている姿がかっこいいのは野球もアイドルも同じだ。努力は裏切らない、なんて綺麗事はないけれど、やってこなかった部分は肝心なところで自分の首を絞めてくる。だいたいそういうものだ。ハロプロの動画を見始めたきっかけがなんだったのかはもう覚えてはいないが、初めて観たときにその声量と歌声とパフォーマンスに度肝を抜かれた。これまでは、失礼ながらアイドルの歌を好んで見ることはなかった(見てきたものが趣味に合わなかっただけ)
で、ハロプロを観た。こいつらはやべえ…そう思った。連れて行かれた野球観戦で目の前で特大ホームラン打たれたときの感情だった。
そんなわけで私の推しアイドルを野球で例えていく。「ハロプロ?ああ、松浦亜弥は好きだったよ。でもあややが最後のアイドルだからさ」そうおっしゃってもいい!イチローさんが引退してイチローさんが最後のプロ野球選手だと言う人がいてもいい!だって私も小久保ジャパンで侍の記憶を止めて生きているもの!!でも!!今のハロプロも!!いい!!

はい、まず一人目の紹介です。
Juice=Juiceの

金澤朋子さん!

先日卒業された方。歌唱力のバケモン集団Juice=Juiceはアイドル界で一番歌が上手い。みんなすごい。ソロパートで出てくる人全員この子が一番歌うまいわって思う。2019年西武ライオンズの打線ぐらい強い。歌唱力の山賊打線。1回裏で10点取ってくるし2回裏で8点取ってくる。歌の打撃タイトルを総ナメできる。1年と4ヶ月で225公演とかするから故障者も出る。もう野球選手やんそれ。そんなグループに最初からいるメンバー。
NPBでいえば西武ライオンズの森友哉世代である金澤朋子さん。性格は暴君と呼ばれたり男勝りだが歌い方は歌のお姉さんっぽい癖のある安定した歌声。音は外さない。負けたときしか注目されないがチームには欠かせない存在である縁の下の力持ち的な存在感はまるで名リリーフ、日ハムの宮西尚生投手のよう。そしてサブリーダーからリーダーになってグループを纏めたりガサツだがセクシー担当だったり、野手で例えるなら中日ドラゴンズの不動のセンター大島洋平選手といった感じである。安定した守備に安定した打撃、安定した歌唱力に安定したダンス、残念そこは金澤朋子。残そ朋子。息するようにGG賞金澤朋子。どこの球団にもいるであろう余裕のある雰囲気でチームから信頼されているベテラン選手、そんな選手は球界の金澤朋子さんだからね。そして読書家であり知らない言葉を知るのが好きだそうで、もう根尾昂さんじゃんそれ。
彼女の代表曲にもなっている「イジワルしないで抱きしめてよ」をぜひ聞いてほしい。

金澤朋子さんファイナルの様子。
円陣声出しが金澤朋子さんで最初の曲が「イジワルしないで抱きしめてよ」

「私はローズクォーツ」という一節が金澤朋子さんのソロパートになっていてローズクォーツ様が彼女の代名詞にもなっている。

セクシー担当金澤朋子さんの紹介なので合わせてセクシーな曲も紹介したい。この曲を聴くともし生まれ変わったときに男性の異性愛者に生まれたらイケメンに生まれなくても金持ちや野球選手に生まれなくてもレディーはちゃんと口説ける男になろう、そう思えてしまう色気ある一曲。「男のくせにおしゃべりがすぎるわ。愛してみたいなら本音を晒して」のあたりで心の中の野球部員がドギマギしながら威勢よく返事をしてしまう。そんな一曲です。


二人目はこれもまたJuice=Juiceの

宮本佳林さん!

もうグループは卒業されてソロ活動をされているがこの方は先述したJuice=Juiceのエースである。2019年西武打線で4番を努めるようなものであり投手王国時代の中日ドラゴンズでエースを努めるようなものであり読売ジャイアンツで一番高い年俸を貰うようなものであり、NPBでいったらオリックス・バファローズの山本由伸世代の宮本佳林さん。母親の影響で幼い頃から松田聖子をよく聴き80年代アイドルの英才教育を受けその当時のアイドル像を継承し現代で愛らしく昇華している。野球で例えると落合博満さんに憧れている山川穂高さんみたいな感じ。
プロ意識の高いハロプロの中でもアイドルサイボーグと称されるウルトラストイックな宮本佳林さん。とある取材でこう語っている。

「アイドルは夢に向かって頑張ってる姿を見てもらう職業」だといつも思ってるんですけど、だからといって、頑張ってることをアピールするのは違うと思うんです。そういう努力はパフォーマンスを見て受け取ってほしい。すべての努力はいいパフォーマンスをするためにやっているだけなので。

そう。こんなん聞いたら沼に落ちてしまうやろ……それが宮本佳林さんなのです。ステージを走る体力もしなやかなダンスの筋力も会場中に生歌を響き渡らせる声量も歌唱力も、またそれをアイドルという身体に収める美しさも、すべてが努力を積み上げてきたからだと、がんばっている姿をアピールしなくてもステージを見ればわかるのです。

地下アイドルではないが、決して有名なグループでもない。でも彼女はがんばって観に来てくれるファンのために180%を出して輝いてくれる。もう…すばらしい……野球で例えると新庄剛志さんのようであり川崎宗則さんのようであり亀澤恭平さんのようであり赤星憲広さんのようである。そしてストイックさは荒木雅博さんのようでもあり鳥谷敬さんみたいなところもある。テンションがぶち上がったときの宮本佳林さんは無敵だしもう誰も止められないみんな行こうぜヒュアウィゴー👍👍👍そんな感じ。彼女の歌声はソロパートではかわいらしい宮本佳林ちゃんで聴く人の心を癒やし、ハモリでは低音の宮本佳林さまを覗かせる。アップフロントさんが載せている動画の一発撮りコラボ企画「One on One」で歌った鈴木愛理さんとのコラボ曲「レディーマーメイド」はすばらしかったので見てほしい。

画面左の白い服着たショートカットの子が宮本佳林さん。右は元℃-uteの鈴木愛理さん。

さながら2017年WBCで二遊間を組んだ広島東洋カープの菊池涼介選手と読売ジャイアンツの坂本勇人選手のよう。普段のチームでの二遊間も素晴らしいが侍での特別な二遊間も素晴らしい。宮本佳林さんと鈴木愛理さんの二遊間もたまらない。この二遊間に飛ばしたら必ずアウトを取れる。打者が二遊間に打ったらアッ!てやっちまった顔になる。そしてなんとこの二遊間はふたりとも

千葉ロッテマリーンズで始球式をしている。 

ロッテはいい歌手を始球式で獲るわ…今日の始球式してた子かわいい!という野球ファンの投稿を目にしては「ククク…かわいいだけじゃないんですよ…」とずっとニヤニヤしていた。鈴木愛理さんは始球式のあとにライブもしているので気になった方はぜひ観てみてほしい。
また、宮本佳林さんはJuice=Juice卒業後に歌手としてソロ活動もされていてJuice=Juice時代とはまた違った表現力で歌われている。

宮本佳林さんの透き通るような癒やしの歌声とアイドルを卒業した表現者の本気の歌をぜひご堪能して頂きたい。

3人目は

段原瑠々さん!

くると思ったやろ?きたぞ!
この方もJuice=Juiceのメンバー。NPBでいったら千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希世代の20歳。
バケモン集団Juice=Juiceの中でもとくに歌の戦闘力が高い。段原瑠々さんが加入したのは2017年。それまでは新加入がいないオリジナルメンバーのみで歌っていたJuice=Juiceでメンバーが新加入することに賛否両論があった。しかし段原瑠々さんが歌い出すとみな背筋に衝撃が走り黙り込むしかなかった。野球で例えるとそれまで遊撃手のレギュラーだった宇野勝さんを押しのけてレギュラーを奪った高卒ルーキーの立浪和義さんが新人王を獲ったぐらいの感覚。実力で認めさせる人間はどこの世界でもかっこいいのです。
広島出身で広島弁を使い声質はハスキーよりで力強いシャウトや伸びのある歌声にキレがあり、初めて聴いたときは外野からレーザービームでのバックホームアウトを見たときぐらいテンションが上がった。またダンスも上手い。身長や手足の長さにも恵まれているため衣装もかっこいい系のものが多い。そんな段原瑠々さんだがステージを降りるとほんわかしていてグループイチの甘えん坊だったりするハッフルパフ属性。このギャップ、マウンドではクローザーとして試合を勝って終わらせることから死神と呼ばれ、オフでは戦闘力ゼロでドラゴンボールで例えたらブルマと呼ばれた岩瀬仁紀さんのようである。段原瑠々さんは喉にスライダー持ってる。違いない。段原瑠々さんは広島東洋カープのファンであり

マツダスタジアムで国歌斉唱

を行っていたり

それいけカープ

も歌っていたり

小さい頃に前田智徳のユニを着て球場行ったりとガチのカープファンなのでカープの選手に例えられたらよかったのだけど残念ながら私は広島東洋カープの選手をよく知らない。WBCで菊池涼介さんのプレー見て近くの席にいた見ず知らずのカープファンのおっちゃんに「カープはいい選手育てましたなぁ」と言ってはにかませた思い出とかしかない。でも数年前の広島東洋カープが鬼強かった時期のNPBは好きだった。 
話を段原瑠々さんに戻すがとりあえずまぁ聴いてみてほしい。百聞は一見にしかず。

ラストの方で「ひとりで生きられそうって〜」のソロパートがあるのが段原瑠々さん。ライブでの迫力もいいのでライブ映像も探してみてください。

Juice=Juiceというバケモン集団の中にいてステージ上でギアが何段階も上がる孫悟空みたいなタイプでありなおかつベジータぐらい負けん気は強い。練習と本番と背負ったものと愛された分だけ成長をするのは野球選手もアイドルも同じなのだろう。声量と技での激しさや歌の上手さが魅力的な段原瑠々さんだが表現力にはまだ伸びしろがあると言われていた。野球で例えるとストレートの力強さはもちろん大切だけどコントロールや変化球、そして配球も大切なのである。気持ちだけでは勝てない。力だけでも技だけでも勝てないときはある。表現力とは一体どういったものなのか?それは作家なり歌手なりクリエイターなり、こちらの世界に入った者にしか接することのできない、理解不能で憎たらしくて離れられなくて、数多の作家が命を削り、ときには落としてでも、通じたい。救われたい。表現というのはそんな手強い相手なのだ。そんなものに立ち向かうため段原瑠々はマウンドに上がった。

段原瑠々さんがこの曲を弾いた経緯については公式ブログをご参考にどうぞ

普通に生きていたならば、二十歳の若者にとって身近な人間は生きていることが当然で「死」を告げられたとしても、聞いた瞬間に慟哭できるほど理解のしやすいものでもないだろうと思う。
たった1人に向けて歌うことはたくさんのファンのいるアイドルとしては正解ではないかもしれない。だがこの歌は二人の音楽だ。そう言い切ってしまいたいとすら思える歌声に惹きつけられた。
東京オリンピックで中日ドラゴンズの大野雄大さんは急逝したチームメイトを思い、天に向けて金メダルを見せた。
段原瑠々さんは亡くなられたピアノの先生を思い、ピアノを弾き歌を歌った。
野球選手もアイドルも、一番の餞を持っている存在だった。


ラストは、個人名ではなくグループ名で紹介をしたい。

Buono!

鈴木愛理さん嗣永桃子さん夏焼雅さんで構成される選抜ユニット。生バンド、生歌、勝ちでしかない。
嗣永桃子さん夏焼雅さんが山田哲人さん世代で鈴木愛理さんが大谷翔平さん世代。
このユニットは野球で例えるなら全盛期の
「古田敦也さん谷繁元信さん阿部慎之助さんのリアル野球盤」
「菊池涼介さんと井端弘和さんの二遊間」
「宮西尚生さん岩瀬仁紀さん藤川球児さんの座談会」
「イチローさん松坂大輔さんによる引退打ち上げサシ飲み」
「落合博満さん、野村克也さん、長嶋茂雄さんの監督談義」

もうそんな感じ。そんな熱さ。誰を見たらいいのかわからないぐらい高いレベルのユニット。スクールアイドルアニメの第一話で「子供の頃に見た伝説のアイドル三人組に憧れて勉強をがんばって同じ学校に入学した。学校生活が楽しみ!」って言う主人公のモノローグでシルエットだけ映る伝説のアイドル三人組、それがBuono!変な声が出てしまうやつ。死んだ目の社畜のおっさんが野球少年の目に戻るやつ。ハロプロの名球会フェスティバル。夏焼雅さんは外見は派手めでありかつオタクに優しいし歌がうまいし鈴木愛理さんは言わずもがな上手い上に気持ちの良い歌い方をするし嗣永桃子さんにいたってはステージ上でのももち先輩を知らずにバラエティ番組でのももちの姿しか知らないのはダルビッシュ有さんのツイッターでの姿しか知らないぐらい勿体ない。

コロナ禍前の満員のWBC大会での筒香選手の応援歌ぐらい、Buono!のライブ映像を全身で浴びて、この記事を終わりにしたい。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました! 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?