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劇中BGM&劇伴における音楽療法について

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みなさん、こんにちは
タロウです。
よろしくお願いします
今回は【劇中BGM&劇伴における音楽療法】についてです。

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あるツイートから

興行収入が歴代1位になった今もなお、
観客動員&興行収入を伸ばしている鬼滅の刃
その映画が公開して1カ月程たった昨年11月のある日の話。

音楽療法に関わる諸々を調べていた際、ある方のツイートが目にはいりました。下記はそのツイートの一部抜粋したものですが、

オリコンNEWSが本日から配信!話題の鬼滅の刃を心理カウンセラーという視点からの考察!今回のテーマは「子どもへの鬼滅の刃の影響」残酷シーンを癒す音楽療法的なポイントとは?etc...記事の感想をぜひリプにどうぞ

という内容でした。

このツイートを見た率直な私の感想は
「【残酷シーンをいやす、音楽療法的なポイント】って書いてあるけど、
ナニコレ????どういう事?」と思いました。

映画やドラマ、アニメなどの映像作品におけるBGM・劇伴、効果音等は、
制作側が演出として意図的に様々な描写(土地土地に関連するものや風景・心理状態など)にあうものを考えて付けているとは思います。
ただ、このツイートした方は当然制作側の人ではありません。
(プロフィールを見るとその方は心理カウンセラーで音楽療法士でもありません)
制作側&音楽療法士でない方がオリコンnewsの記事で
音楽療法的なポイントとは?】と書かれていたので、
率直に「???」となりました。

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音楽療法って?

変な表現になって申し訳ありませんが、
音楽療法という言葉や音楽療法を知らない方が上の記事をみた場合、
「音楽療法ってなんかよくわからないけど、療法って書いてあるぐらいだから何となく効果があるんだろうな」と受け取る方もいらっしゃるのではないかと思います。
また、音楽療法士じゃなかったら、
音楽療法という言葉・音楽療法に関連する事を
言ってはダメなのかというと、そういうわけではありません。

ただこの場合、この方がどういった意図でツイートやインタビュー記事を受けたのかわかりません。
自身のTwitter開設に伴い、SNSを利用した仕事の宣伝の一つとして、
映画公開後も熱狂が冷めない鬼滅の刃を例えにして、
さらに心理カウンセラーという観点から
音楽療法という言葉を使用したと思います。

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音楽療法的ポイントとは

経験歴の短い・長い関係なく、現場で臨床を行う音楽療法士に、
「毎回のセッションにおける音楽療法的なポイントはありますか?」
質問をすると、それに対して答える事は可能です。
活動目的・内容、目標に応じたこれまでのプロセスや経過報告、結果を話せばいいわけなので・・・。

ただ、音楽療法という言葉や仕事を知らない方に向けて説明する場合、
話は変わります、おそらく難しいと思います。

音楽療法を知らない方が音楽療法の現場をみると、
歌唱活動は、ただ歌っているだけと見られますし、
楽器活動では、ただ楽器を振っているだけと思われるかもしれません。
そこを音楽療法を知らない方にむけて、わかりやすく・正確に伝えるのは難しいと思います。

ましてや、
「劇中BGMにおける音楽療法の効果はあるのか・ないのか?」
と問われれば、もっと難しいと思います。
正直、この質問に対してある程度わかりやすく・正確に話す事が出来る
音楽療法士は多くないと思います。
それは、多くの音楽療法士は能動的音楽療法を行っているからです。
受動的音楽療法の療法効果を研究しながら臨床している音楽療法士は多くいないと思います。
※ざっくり説明すると、能動的音楽療法は、伴奏に合わせて歌を歌う・楽器を演奏するなどの活動に参加する音楽療法。
それに対し、受動的音楽療法とは、参加型ではなく単純に音楽を聴くこと。

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私が思うこと

個人的な見解を述べるとしたら、
基本的には劇中の映像美・物語の内容・展開が、
見ている人達にとって、喜怒哀楽といった感情が揺さぶられるものがあると思います。
それに、BGMがさらにその感情をアシストしてくれるものだと思います。

感情をアシストしてくれているものなら
劇中のBGMは音楽療法では?
と思われるかもしれません。
確かにそうなんです。
その為、説明が難しいのです。

ただ、この場合は音楽療法ではなく、
映像や音楽を見た・聴いた事での、
何らかの効果なのではないでしょうか。

映画を見ているこの場合は、受動的音楽療法に該当すると思います。
音楽を聴くのが、受動的音楽療法と先ほど記させていただきましたが、
ただ、やみくもに音楽を聞いてもらえばいいというわけではありません。
あくまで、セラピスト側が意図的に選曲したものを使用しているので、
ただ、聞いてもらう人が好きな曲を聞けばいいというわけではありません。

(以前書いた記事に少しだけですが、受動的音楽療法について書かせていただいたので、宜しければこちらもご覧下さい)


セラピスト側が目的意識をもって、曲を選び、聞いてもらう。
そして、聞いてもらった人の脳波を測定したり、前後の血圧や唾液採取して、ストレス値などを測った上で音楽療法効果がある・なしを判断するわけで、そういった事をまったくしないで、
劇中BGMにおける音楽療法の効果はあるのかないのか?
と言われれば、それは音楽療法ではないですけど、
音楽を含めた映像作品を見た事で、
何らかの効果は起きているかと思います。
交感神経・副交感神経がどちらかが優位になり、
気分の高揚・気分の鎮静などといった反応が見られています。
それが音楽療法的な効果と言えるかは、学術的根拠がはっきりしていない為定かではないですが、現時点はまだましな回答なのではないでしょうか。

仮に劇中BGMにおける音楽療法効果という研究が発表され、
学術的に根拠が得られれば、いいのですが・・・。
あるAという音楽を聴いても、人によって感想が異なると思うので、
それを結論付けてしまう事は難しいと思います

音楽療法と何らかの効果という表現をしました。
音楽療法士がこのような音楽療法の効果を語ることで、
音楽療法の曖昧な部分が露呈してしまった感はあります。
ですが、現実として科学的に根拠があることと、
まだ証明されていないことがあるため、
そこは事実は事実としてお伝えしたいと思いました。
そうは言っても、恥ずかしながら私も説明が上手くありません。
今後精進してまいりますので、お許しいただければと思います。

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伝えたい事

インターネットやSNS界隈で、
音楽療法という言葉を目にする機会が増える事であったり、
音楽療法を知らない方も気軽に使っていただいている事に関しては、
いい事なのではないかと思っております。

ただ、一部の人は本来は専門外で知識・経験不足のはずですが、
自身の商業利用・目的として音楽療法という言葉を
使っている方も見受けられます。

この例えが正しいのかわかりませんが、
よその畑の作物の種を、どういう訳か手に入れ、
売っているような事をしています。
その作物の事をそこまで知らないので、熟すタイミングも知らなければ、
どういう調理方法がいいのか、他にどんな食材と組み合わせる事で相乗効果が生まれるか等は、細かくは知りません。

というか、種を売る事が自分にとって利益になればいいだけなので、
熟すタイミング・調理方法・他に何の食材と合わせるとより効果的とか
そういう事に興味はないと思います。
利用者にうわべだけの情報だけ伝え、
本当に大事な事を伝えていないと思います。

その為、最終的に被害を被るのは、食材を買った人になります。
一度その食材を苦手・嫌いに感じてしまうと、
次に買ってもらえる事はしばらくないでしょう。

種を手にいれた人達は、それが売れなくなったら、
違う種を手に入れて、売ればいいわけなので、
手を変え品を変え、おこなっていくと思います。

音楽療法を真面目にやっている人たちを、さも被害者のように書いていますが、問題なのは音楽療法をおこなっている側にも言えると思います。

そもそも、このツイートやオリコンニュースの記事に反応している音楽療法士は全くいませんでした。
劇中BGMや劇伴に音楽療法的ポイントがあるかないかについて、現役の音楽療法士は何も思わなかったのでしょうか?

日本音楽療法学会の理事の皆様や・学会事務局皆様も
こういった事を把握しているのかも不明です。
こういう事が増えていくと、日本音楽療法学会が推進している、
音楽療法士の国家資格化は遠のくと思います。

対岸の火事と思わず、普段から危機管理を徹底してほしいものです

音楽療法という、あまり知られていない世界の話ですが、
そんな世界でも色々ありますので、
今後も私の思う事についてご紹介させていただきます

いかがでしたでしょうか?
賛否ある内容とわかっております。
何かありましたら、お気軽にコメントいただけると幸いです。

今回は以上となります。
それでは
                               タロウ

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