途上国の貧困層を救え!iCare Benefitsのユニークなビジネスモデルと課題点

こんにちは、Shodaiです。皆さん突然ですが、東南アジアの人たちの平均給料ってどれくらいだと思いますか?

上のグラフは、世界銀行のデータから引っ張ってきた「1人当たりGDP」の国別比較です。1人当たりGDPとは、簡単にいうと「1人当たりの年間所得の平均」で、「GDP/人口」によって求めることができます。

2015年時点で日本は約4万ドル(400万円ほど)であるのに対し、タイは6000ドル(60万円ほど)、ベトナムは2000ドル(20万円ほど)となっています。えぇぇってなりますよね?僕は最初にこの数字を見たときにとても驚きました。

月給換算したらタイは5万円ベトナムは2万円以下。ちゃんと大学で勉強して、英語が話せて、基礎能力が高くても、新卒で彼らの月給が10万円を超えることはほとんどありません。僕の友達のタイ人は、大学時代時給240円で雀荘でバイトをしていたと言っていました。(タイにも雀荘はあるらしい)

もちろん業種や職種によって給料は大きく変わってきます。特に低賃金なのが工場労働者。彼らは月1~5万円で重労働を強いられています。

ですが、いくら低賃金でも、生きていく上で必要最低限買わなくてはいけないものってありますよね?食費だったり、家具だったり。工場労働者たちが自分の給料じゃとても買えないような生活必需品 (家具、冷蔵庫など)を買うとき、彼らは借金をします

信用が低いため、正規の銀行等からお金を借りられない工場労働者たちは、消費者金融などからお金を借り、普通よりもずっと高い金利を支払う羽目になります。彼らの給料日には、お金を貸した人たちが工場の前に集まり、受け取ったばかりの給料をそのまま返済のために回収するのだとか。。。

いくら働いても彼らの給料は上がっていかないし、借金も減らない。そんな中、超画期的なサービスで彼らの生活を救ったのが、今回ご紹介する「iCare Benefits」という会社です。

iCare Benefitsとは?

iCare Benefitsは2013年に、ベトナムで創業された会社です。創業者のTRUNG DUNGさんは、以前にも別の会社を起業しているシリアルアントレプレナーで、その会社は上場後に2000億円ほどで売却したのだとか。すごすぎる。。。。

創業から4年目の2016年にはベトナム、ラオス、カンボジア、シンガポールの4カ国に進出しており、合計250万人の工場労働者をiCareメンバーとして抱えております。とてつもない成長率ですね。

iCare Benefitsのミッションは"Improving Quality of Life For 100 Million Workers' Families" (1億人の低賃金労働者とその家族の生活を豊かにする)。では具体的にどのようにして、彼らの生活を豊かにしているのでしょうか。

iCare Benefitsのユニークなビジネスモデルとは?

先ほど述べたように、工場労働者たちが抱える最大の問題点は「高価なものを買う際に高い金利でお金を借りなくてはいけない」でしたね。iCare Benefitsのホームページに掲載されている、以下の図を元に状況を理解して行きましょう。

工場労働者(Aさん)が300ドルで冷蔵庫を買うとします。手元に300ドルがないAさんは、外部よりお金を借りなくてはいけません。その際に発生する金利が上の写真に記されています。ブラックマーケットからお金を借りると、最終的に300ドルの品物に対して、何と588ドルも支払わなくてはならなくなります。お金がないからお金を借りているのに、結果的に本来の価格よりもずっと多くのお金を支払わなくてはいけない。Aさんの生活はどんどん困窮して行きます。

そこで代わりにお金を貸してあげるのが、iCare Benefits。何と金利ゼロ・手数料ゼロでお金を貸してあげます。Aさんは余分なお金を支払うことなく、お金を借りて欲しいものが買えるようになりました。

どうやって収益化しているの?

iCare Benefitsは、お金を借りている労働者や工場側からは収益はなく、メーカーからの販売手数料によって収益をあげています。商品とお金の流れを簡単にまとめましたので、以下をご参照ください。

商品は労働者からの注文ベースでメーカーから直接工場へ発送できるため、在庫リスク等がない。支払いは給料から天引きのため、現金回収の手間がない。とても効率的な仕組みですね。

iCare Benefitsは、労働者に手数料等を請求しない代わりに、彼らの購買データを自社で蓄積しています。実際に彼らがこのデータをどのように収益に繋げているかはホームページの情報からは読み取れませんでしたが、他社が所有していない工場労働者たちの購買データは、ブランドや小売業界から重宝されるのではないでしょうか。

つまり、この取引に関わる3プレーヤーのメリットを簡単にまとめると、

・工場労働者:金利ゼロ・手数料ゼロでお金を借りて、買い物ができる。
・iCare Benefits: 販売手数料 + 工場労働者たちの購買データを取得
・メーカー:これまで獲得できていなかった新しい顧客層にリーチ

という感じですね。

iCare Benefitsの今後はどうなの?

ここまでのところ、iCare Benefitsが行なっているビジネスは、参加プレーヤー全員にとってハッピーな素晴らしいビジネスのように思えます。

こちらはiCare Benefitsの2020年までの目標。50ヶ国に進出して、iCareメンバーを1億人まで増やすとのこと。

2016年時点での進出国が4ヶ国でメンバー数は250万人。現時点でのデータが公表されていないので一概には言い切れないですが、そこからあと数年でこの目標を達成するのってすごい難しそうですよね。

iCare Benefitsのビジネスモデル上、キャッシュフローの管理に苦労しそうです。工場労働者とメーカーの間で仲介をしているため、工場労働者が商品を購入した際に、メーカー側への支払いをiCare Benefitsが一時的に負担するため、初期の段階で莫大な資金を必要とします。

今後50ヶ国に進出していくには、現在進出している国での収益アップ、もしくは新規の投資家からの資金調達が必須になってくるかと思われます。

まとめ

今回iCare Benefitsについて簡単にまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

毎月の給料が10万円以下という境遇で生きている人が大半である東南アジア。物価も安いため、贅沢をしなければ10万円以下で暮らしていけますが、その生活から一生抜け出せない人が大多数なのも事実。海外旅行にも行けないし、車も買えない。憧れが憧れのまま、人生が終わってしまう。

家入一真さんが著書「なめらかなお金がめぐる社会」でも述べていましたが、お金の流れがもうちょっとなめらかになるだけで、幸せになれる人がたくさんいる。iCare Benefitsの挑戦は、世界中の貧困層の幸せに貢献する、ものすごい意義のあるものだと思います。



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