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Uninvited Guest

深夜終電を逃したので、友達の家に泊っていいかと聞くと、しばらくして「おいで~」との返事が。
私はコンビニでおやつを買って、真夜中の台北の街をシェア自転車で走る。友達の家に着いて、LINEをすると「いま階下に降りるね」と。
久しぶりに友達とまったり話せると思うとうきうきした。
家に入ると、友達が最近仲良くしている男性がソファに座っている。「やあ、透子」。私はびっくりしてしまった。まさか彼がここにいるとは思わなかったし、この時間帯に部屋にいるということは、明らかに友達以上の関係なんだなとわかる。
招かれざる客の私は、カバンからコンビニで買って、一緒に食べようと思っていたお菓子を取り出し机にならべる。居たたまれず「ごめんね」を連発してそのままUberを呼ぶ。「全然、大丈夫だよ。泊まっていったらいいのに」と友達とその恋人(らしき人)は言ってくれる。
こんなに心に刺って痛い親切はこれまで感じたことがない。あまりにも友達が優しすぎるので、私は恥ずかしかった。どうせなら、私の非常識なLINEを無視してくれるなり、断ってくれるなりすればよかった。大学の寮に向かう車のなかで、一人さびしく、少し泣いた。

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