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『パラダイスフィッシュ』(BiOctober2021/10/8)

概要

 チョウセンブナと同じくMacropodus属の一種。和名はタイワンキンギョ……全くキンギョではない。沖縄に在来で自生しており(移入という説もある)、「琉球闘魚」と呼ぶ人もいるようだが、「闘魚」はベタの別名に近いのでやはりしっくりこない。直訳して「ゴクラクギョ」がいいか。科の名前がゴクラクギョ科である割に、ずばりゴクラクギョという名の魚はいないので、そこを占めてもいいはずだ。

 属の中で最もメジャーな種であり(他の種は「~~パラダイスフィッシュ」という接頭辞がつく)、品種改良の歴史も長い。アルビノから始まり、体色のパターンが多数作り出されている。ただ日本には(需要がないので)あまり輸入されず、せいぜいスーパーブルーなど数が多い品種が時々入ってくるのみである。下はアルビノの若魚とスーパーブルーの成魚。

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 基本的な性質はチョウセンブナとほぼ同じ。ただしこちらは耐寒性が低く、本州での野外越冬はやや厳しい。室内なら無加温でもおそらく問題ないが、最低でも20℃くらいに保温してやるのがベターと思われる。

思い出

 チョウセンブナを飼い始めてから、パラダイスにも興味が出てきた。いかにも熱帯魚な色彩で映えるし、チョウセンブナとの違いも見てみたかった。そう思ってしばらく探していると、熱帯魚屋でアルビノの成魚が200円で売られているのを発見し、その店の在庫全部(たしか4尾?)買い占めた。いくらなんでも200円は安すぎる。「ホワイトパラダイスフィッシュ」とラベル付けされていたのが気になったが、どうやら昔からアルビノ品種はホワイトパラダイスという名で流通していたらしい。

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 アルビノは白とオレンジのカラーリングが優しげで良い。青が出ることはないが、オレンジ部分はノーマルと同様に赤くなりうる。視力の問題はない。

 それから「いろんな品種のパラダイス集めてえな~」という思いが募り、ノーマル、スーパーブルー、ブルーフィンレッドフレームを収集した。繁殖も容易だったので、ECサイトを作って売ったりもした。

 ベタも売ったりね。まあ今は休業中ですが。何を隠そう店名のMACROというのはMacropodusからとっている。

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 パラダイスの稚魚はベタよりやや大きくて育てやすく、ベリスラが出ることもない。ただ最終的なサイズがかなり大きく、歩留まりも高いので、やはり売ったり引き取ったりの処分先が決まっていなければ繁殖は控えたほうがよいだろう。とはいえ、オスメスを混泳させていると勝手に繁殖していることが多いのだが……。

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 体型も色彩も独特で、しかも安価であり、あとは気性が穏やかなら現在もアクアリウムの定番種だったかもしれない。今はその身分はグラミーに任せ、パラダイスは独自の路線を行けばいいのだ。いや、ヨーロッパとかだとかなり定番種っぽいのだが……。

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