chatGPTなどを用いたゲーム開発は既に進んでいるようで、たとえば深津さんの作品や、ダイハードテイルズのニンジャスレイヤーTRPGにおけるイラストの活用が面白いことになっている。

　現在のところ、一般人にも使いやすいAIの分野は文章と画像の生成なので、それらとTRPGは相性がいいように思う。コーディングも使えるとはいえ、さすがにそっちは正解を知っている＝既に知識がある人でないと活用が難しそう。

　機械化されたゲームと比べた時、TRPGの大きな特徴としてゲームマスターという存在が挙げられる。ストーリーと設定を考案し、敵を操作し、プレイヤーの行動に対して判定を下す。それをコンピュータではなく人間がやるということが、今も色あせない魅力に繋がっていると個人的に思う。
　一方で、ゲームマスターが必要ということはデメリットにもなり得て、①ルールに精通したうえでプレイヤーに楽しんでもらうゲーム作りというハードルが高いこと、②プレイヤー達と同じ楽しみ方ができないこと、などなど。
　だったら、そこをAIに代わってもらうことはできるかもしれない。

　ゲームシステムとデータベースはテキストファイルで事足りる。人間に対しては読みやすくする工夫が必要だが、AIであれば膨大な量のテキストも苦労せず読み込むことができる。ゲームマスターAIに対しては過度な調整はせず、必要な情報は適宜テキストファイルから検索してくる形にすれば、ゲームシステムを丸ごと入れ替えて遊ぶこともできるし、プレイヤー側でデータをいじったりハウスルールを設定することも容易になりそう。

　プレイヤーの分身となるキャラクターや敵の姿、背景や小物についても、画像AIに生成してもらうことができる。もともとTRPGにおける美術というのはフレーバーの意味合いが強く、ゲームシステムに対して大きく介入してくるわけではないので、ここもAIに任せてしまって問題なさそうだ。状況によって変化する立ち絵とかもできる。

　物理的な要素、たとえばマップ上の移動を示すため実際にフィギュアを動かしたり……といったことは再現が難しいかもしれない。AI用に開発されたゲームであれば問題ないけど、既存ゲームの移植を考えるなら最大の壁になりそうな気がする。

　……というアイデアをつらつらと考えているけど、実際のところ俺にそんな技術力もノウハウもないので、誰かそういうの作らないかな～という妄想に尽きる。
　GM不要、一人プレイ可能、システム根本からゲームの自作可能、さらに既存ゲームの移植可能、となれば商業的に大きな可能性がありそうに思うけど、どうだろう。これって甘い考えですか？