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『フクロモモンガ』(BiOctober2021/10/6)

概要

 有袋目の一種。有袋目は収斂進化の好例として挙げられる存在で、本種はモモンガやムササビ(いずれも齧歯目)によく似た姿であるがそれらとは全く縁の遠い存在である。フクロオオカミ、フクロモグラなどと同様に「フクロ+(似ている動物)」というわかりやすい和名の構造となっている。国内のモモンガ・ムササビ・ヤマネなどは保護されていたり飼育に向かなかったりするが、アメリカモモンガやアフリカヤマネなど輸入された種がペットとして流通している。

 有袋類の例に漏れず、フクロモモンガは未熟児で産まれた子供を袋の中で育てる習性を持つ。そのため基本的に正確な出生日は判断できず、脱嚢だつのう日=母親の袋から出てきた日を出生日のように扱ったりする。脱嚢しても2か月ほどは母親の母乳をもらいながら、徐々にそれ以外の食物を食べるようになっていく。ペットショップなどでは、手間がかかるベビーではなく、離乳食を食べる若い個体から成体までで売られていることが多い。

 海外でも人気のペットであり、リューシスティックやモザイクなど品種改良も進んでいる。ノーマルと比べるとやや高価なものが多いが、遺伝様式が単純なものは徐々に値が下がっている印象を受ける。

 飼育はさほど難しくないが、トイレを覚えることはないし、食べ物を吐き捨てる習性からケージは汚れがちで、体臭も強く、夜中の鳴き声はかなり大きい。恐るべきはそのような欠点を補って余りあるルックスか。

思い出

 大学のときに先輩が飼っていたこともあって、昔から存在は認識していた。といっても1Kの部屋で飼えるものではないことも正しく認識していたので、飼い始めたのは社会人になって今の家(2LDK)に引っ越してからである。

 静岡県にも何軒かブリーダーがおり、その中でも活発に活動している方から脱嚢後2か月程度の個体を購入した。エサや飼育器具などをオマケにつけてくれて、購入後の質問にも快く答えてくれる良い方だったのだが、今はインスタもサイトも更新がなくなってしまい消息不明である。取扱業の登録は残っているようなので廃業はしてないはず……。卸専門になったのだろうか。

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 うちに来てからしばらくは威嚇しまくり噛みまくりの荒くれものだった。今ではすっかり人間に慣れて触れ合いもできるようになったが、ベタ慣れという感じではないので、このベビー期の触れ合いをもう少し丁寧にやったほうがよかったかなと少し反省している。まあ初めての種だし仕方ない。

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 やはりかわいい。黒目がめちゃくちゃ大きくて真っ黒に見えるが、よく見ると白目がちゃんとあるのがわかる。

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 ネズミみたいに前足を器用に使って餌を食べる。体格に比して手が大きく、特にベビーのうちはアンバランスな印象を受ける。ネズミと違って木の幹や枝にしがみつく必要があるので大きいのかもしれない。

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