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植物に音や言葉を話しかける実験 なぜなぜ?科学者が解明した音楽を聴かせる効果と成長の秘密は周波数


音は、この惑星に生息する生物種によってさまざまな方法で知覚される。
音は通常、周波数(ヘルツ)と強度(デシベル)で測定される。

音源が媒質を振動させ続ける間、振動は音速で音源から遠くへ伝播し、音波を形成する。

人間や動物のような哺乳類は、効率的なコミュニケーションのために、それぞれ音を出し、音を感知するための特殊な声帯と鼓膜を持っているが、植物は音に特化した器官を持たない

一方、昆虫は体のさまざまな場所に鼓膜を持つ耳を持つ。蚊やミバエは音を感知するための触角を持っている。彼らは足をこすったり、羽を叩いたりすることで特定の周波数の音を出す。

ヘビなどの爬虫類は、顎の骨を通して地上の音を感知する。異なる生物が可聴周波数範囲内で特定の音を発し、それを知覚するというのは興味深い生物学的現象である。
また生物の中でも、いくつかの藻類は音の刺激に反応し、細胞の成長と生産性を高めるようである。



音は水や空気を縦波で、固体を縦波と横波で伝わる。縦波では粒子は伝播方向に沿って振動し、横波では粒子の振動方向は伝播方向と直角になる。

音波は周波数(Hz)、強度(dB)、音色によって特徴付けられ、同じ周波数でもある音と別の音を区別する。

自然に聞こえる音の周波数帯域は、次のように分けられる。

低周波帯域:20 Hzから200 Hzまで
200 Hzから1 kHzまでの中低周波数帯域
1kHzから5kHzまでの中高周波数帯
5kHzから20kHzまでの高周波帯域

この事から分かるように、20Hzより低い周波数は低周波音、20kHzより高い周波数は超音波と呼ばれる。音の大きさはデシベル(dB)で表され、私たちの聴覚で知覚される。

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人間の生理学と心理学では、音は音波の受信と脳による知覚である。人間の聴覚を刺激するのは、オーディオの周波数範囲である約20Hz(低周波)から20kHz(超音波)の間の周波数の波だけである。超音波はイルカやコウモリなどの一部の動物種で知覚され、低周波はゾウ、魚類、クジラ類で知覚される。

カエル、鳥類、海生哺乳類、陸生哺乳類など多くの種は、音を発生させたり受信したりするための特別な器官を発達させており、音圧や音に関連する粒子の振動を、特定の器官(耳など)や体表全体で感知することができる(体性聴力)




私たちの身の回りの世界には植物の鳴き声があふれているが、植物が発する音は超音波で、人間の耳の可聴域を超えている。

植物は、揮発性の化学シグナルを発信している。また根に張り巡らされた組織を通しても、コミュニケーションを図っている事が分かっている。植物は20~100kHzの超音波振動を発しており、これは植物の茎に直接センサーを接続して測定することができる。

植物が発する音は、主に植物がストレス下にあるときに発せられ、木部から音を発し、ストレスがかかると微弱な超音波を発することが明らかになっており、研究者が植物が発する音を録音・分析したところ、ポップコーンが弾ける音に似たクリック音を出していた事が分かっている。ただ、このクリック音は人間の耳の可聴域を超えた高周波数である為、人間の耳には聞こえない。但し自然界では、植物が発する音は、コウモリやネズミ、様々な昆虫、そしておそらく他の植物など、近くにいる生物によって感知され、高周波を聞き取っていると思われる。






植物の成長と発育に良い音楽とは?

植物の成長は主に音の周波数に依存する。つまり、周波数6kHzの波では、音楽を聴いている植物は早く成長し、7~9kHzでは成長が遅くなり、10kHz以上では完全に枯れてしまう。低周波音は植物に有益な影響を与えることが立証されている。海の波の轟音や雷鳴、川のせせらぎなどである。この点で、植物の成長と発育に最も有益な影響を与えるのはクラシック音楽で、その波の周波数は通常3~5kHzである。


最近の研究では、植物が音を機械的刺激として認識し、それを細胞や代謝の変化に変換することが示されている。音刺激は発芽率に影響を与え、植物の成長と発育を促進し、一部の作物の収量を向上させる事も分かっており、音波は病原菌に対する植物の免疫力を向上させ、乾燥に対する耐性を高めることができる。


植物が音に敏感であることを示す証拠は増えてきている。しかし、音に素早く反応する動物とは異なり、植物は無脊椎動物であり、より繊細な反応を示すため、ほとんどの場合気づかれない。


植物の根は、水源に近い場所で成長するとき、実際に水がなくても、水の流れる音の方向に積極的に成長することで水を探すという興味深い行動も示している。根がどのようにして水の特定の周波数帯域でを探し当てるのかは不明であるが、植物は流れる水の固有振動数を関連付け、根の成長を水源に到達させる能力を発達させているようだ。

是非植物のこのような生態行動にも着目して頂きたい。

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