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日本山嶽志の中の黒髪山系

黒髪山系は地域の宝。黒髪山の自然を守る連絡協議会など地域の方が保護活動を行い、黒髪へんろ道など新たな活動も始まっています。昔の辞典?を紐解きました。

天童岩から青螺山

明治39年発行、高頭式編集の「日本山嶽志」の中で黒髪山系に関係するものを拾ってみると、本編の九州、阿蘇火山、多良火山群の中で黒髪山、大川内山が、補遺の中で青螺嶽、越嶽が次のように記述されています。

黒髪山 肥前國杵島・西松浦郡ノ二郡ニ跨ル、杵島郡住吉村大字宮野ヨリ二十五町ニシテ其山頂ニ達ス、標高二千百十五尺

大川内山 肥前國杵島・西松浦郡ノ二郡ニ跨ル、杵島郡住吉村大字宮野ヨリ二十五町ニシテ其山頂ニ達ス

青螺嶽 肥前國西松浦郡ノ南東方ニアリ。大川内村ヨリ一里ニシテ其山頂ニ達ス。全山火山岩ヨリ成ル。標高千九百九十四尺。

越 嶽 肥前國西松浦郡ノ東方ニアリ。大坪村大字町裏ヨリ一里ニシテ其山頂ニ達ス。全山火山岩ヨリ成ル。標高千七百七十五尺

天童岩を望む

標高、距離をメートル法に直すと黒髪山は宮野より約1725m、標高約640mに。大川内山も宮野より約1725m。青螺嶽は大川内村より約4km、標高約589m。越嶽は大坪村大字町裏より約4km、標高約586mとなります。

青螺山

黒髪山(天童岩)、青螺山は、現在呼ばれている頂であろうと思われますが標高は青螺山が低くなっている。現在、青螺山は三角点が599mで近似値であるが、天童岩は標高516mで100m以上の差がある。いつ頃測量されたものか気になるところだ。

天童岩~青螺山

次に気になるのが大川内山である。標高の記入はないものの他の記述は黒髪山と同じである。この山はどの頂だろうか。

腰岳山頂

越嶽は現在の腰岳(488m)であろうが、そうなると伊万里市北東部の大坪町から登っていたことになる。標高は黒髪山同様100m程違っている。

いろいろ解らないことが多いが興味は尽きない。

この山嶽志に牧の山が記述されていないのも気になる。大川内山がそうだろうか?

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所属山岳会会報NO12(昭和52年11月3日発行)から記事抜粋しました。

山なみ12号



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