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日本百名山88座目,山形県「朝日岳」の踏破記録

朝日連峰とは

『・・・朝日という山の名はわが国には多い。平野の住民が、仰ぎ慣れている山に朝の光線が美しく射すのを見て、名づけたものであろう。山形市の北の郊外から、真西に当たって朝日連峰が朝の光を浴びているのを、私は深い感慨をもって眺めたことがある。

 朝日連峰とは、普通、鳥原山、小朝日、大朝日、西朝日、寒江山、以東岳、を指している。大朝日岳が最高であるが、鳥海山や岩手山のように、主峰だけが断然抜きんでているわけではないから、朝日の価値は連峰全体にあると見なしていいだろう。とは言え、平野から眺めて、連峰の左端に一際高く立っているピラミット形の大朝日岳は、見紛うことのない顕著な存在である。ちょうど八ケ岳連峰の赤岳のようなものである。・・・』

「新潮文庫 日本百名山 深田久弥著」からの朝日岳の一部を引用しました。

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大朝日岳1,870.3m平成23年5月 4名の登山記録

日本百名山をいつから気にし始めたのか。新潮文庫「日本百名山」深田久弥著(昭和53年2刷)を手にして、記録を目次片隅にメモっているが平成6年8月43座から始まっている。多分、この頃気にし始め数を当ったのだろう。以来17年ほど経っているが、今回ようやく88座となった。登山記録を取り始め984番目の山行である。

5/2 佐世保18:20=(名神・北陸自動車道・

0全体地図

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二日目 日暮沢小屋に入る


5/3 10:00荒川胎内IC 往路高速約16時間・国道113号小国街道・南陽市・東北中央自動車道・山形自動車道・月山IC)=西川町根子=14:50根子川左岸除雪終了点15:25→16:40日暮沢→(渡渉)→17:00日暮沢小屋

最初、連峰の南東側登山口の朝日鉱泉からの入山を検討した。次に北東側登山口の古寺鉱泉、そして更に北側の日暮沢小屋からの入山だ。前2箇所は雪のため県道等が閉鎖中で入山に日数を要することから今回の日暮沢小屋からとなった。

1地図 (1)二日目

今年は里雪型の降雪だったらしい。数日前に除雪が終わった場所まで車で入る。10台ほど停まっておりホットした。これで山頂に立てると思った。正月の焼ガ岳がトラウマになっている。例年は車で入れる林道をミズバショウ群落を見ながら1時間半ほどで日暮沢小屋に入った。小屋手前で日暮沢の渡渉に手間取った。明るいうちに小屋に入れてよかった。

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先客が2階に陣取っていたので我々は3階に落ち着いた。2時間交替の運転での入山で寝不足である。いつものパターンであるが、小屋まで入れたのでゆっくり休める。

三日目 主稜線の竜門小屋へ

5/4 出発5:40→雪庇乗越8:10→8:50清太岩山1464.6m→9:45ユーフン山1565m→10:35竜門山1688m→10:50竜門小屋1600m 18:00就寝

夜明けは佐世保より1時間は早い。この谷間でも4時を過ぎると明るくなる。

2地図 (10)三日目全体

今回は、国立公園の特別区域のため幕営もできず小屋利用での計画だ。本日4日は標高差約1,000mを登り、竜門小屋に入る予定である。テントがない分、共同装備も少なく皆の荷も軽い?すぐ尾根に取り付く。急登もイワウチワ、カタクリ、ショウジョウバカマの可憐な花が気を和ませてくれるが、間もなく雪道となり急登の連続となった。しかし、残雪はいい。正月、焼ガ岳の新雪と違って埋まることがない。Nさん以外はワン、ツー、スリーのメンバーだ。 Mさん61歳、私62歳、Iさん63歳である。来年はまた繰り上がる。いつまでこのメンバーで登れるのか、そんなことを考えながら高度を稼いでいく。標高1300m付近で雪庇を越えると朝日連峰の視界が広がってくる。

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雪庇を越え清太岩山まで達すると主稜線(以東岳~竜門山~西朝日岳~大朝日岳)の展望が一気に開ける。小屋に入って聞いたのだが、清太岩山からの我々の行動は小屋番の人達の暇つぶしに観察されていたようだ。それほど視界は良かった。

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上写真はユーフン山から竜門山を望んでいるが、竜門小屋もしっかりと確認できる。小屋番は西川山岳会の方で、エベレストを登頂しK2を失敗した方だ。K2を再度狙っているらしい。昼前に到着し、ゆっくり体を休め早々にシュラフの人になった。
夕刻より天気は崩れ夜半はかなり荒れていた。

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四日目 大朝日岳山頂に立つ。


5/5 出発5:10→5:30竜門山(デポ)5:40→6:40西朝日岳1813m→中岳1812m→7:50大朝日小屋1800m弱→8:05大朝日岳おおあさひ8:10→8:15大朝日小屋8:25→9:40西朝日岳→10:35竜門山10:55→11:35ユーフン山→12:00清太岩山→12:20雪庇乗越→13:35日暮沢小屋14:00→15:10除雪終了点(幕営)

3地図 (8)四日目

5日朝は冬山様相で、上下雨具を着込みアイゼンも装着して竜門小屋を出た。急斜面は程よくクラストして快適に登る。竜門山には直ぐに立った。ここに不要な荷物はデポし、サブザックで大朝日岳まで往復することにした。当初は大朝日岳から小朝日岳、古寺山、ハナヌキ峰へと縦走し日暮沢小屋まで一周する考えもあったが、この山に慣れていないと避けたがいいとアドバイスも受けていたし、体力面もありサブ行動とした。竜門山から1時間で西朝日岳に到着。

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大朝日岳もかなり近づいてきた。天気も回復し、春山ムードになってくる。アイゼンも外し雪山散歩である。この主稜の高度差は200mもない登り下りで、登りも長くは続かない。ここまで南下していたが西朝日岳から南東に向きを変えこの主稜で一番長い雪面を下ると写真中央の主稜へと続く。クレバスがあったりして避けながら進む。スキー跡もある。こんな山は、山スキーが最高なんだろうと思う。

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中岳に立つと大朝日岳は目前で大朝日小屋も左下に見えている。竜門山から2時間半で大朝日岳山頂に立った。

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大朝日岳山頂避難小屋です。

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復路は2時間少々で戻った。10時35分竜門山到着。軽くなったザックを担ぎ直し、連峰山なみの展望を楽しみながら下った。「左手に見える月山は、べったりと雪をまとっている。」と当時の記録には記述しているが投稿する今、写真で確認できない。(涙)

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ユーフン山から大朝日岳を振り返ります。

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清太岩山を過ぎ雪庇を抜けて急斜面をくだります。雪庇乗越から下は、こんなに急斜面だったかと思う斜面が続いた。

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思った以上に早く日暮沢小屋に着いた。泊まって酒盛りだと、一旦、登山靴を脱いだが酒がない。気を取り直し酒がある車まで歩き出した。ここまで来ると町までとの意見もあったが、やはり疲れていたのだろう車の横にテントを張り、登頂を祝った。

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五日目 帰路へ

5地図 (5)月山湖∼登山口


5/6 出発=ブロック雪崩(道塞ぐ:除雪)=7:00西川大井沢温泉(入浴)・大井沢自然博物館9:20=月山道路・鶴岡市・国道7号=13:00新潟県村上市(高速道路)=5/7 6:30佐世保(帰路 高速約17時間)費用:一人25,000円

林道をブロック雪崩で道を塞いでいた。なんとか除雪して切り抜けた。麓の大井沢温泉で体を癒し、帰路につきました。

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7地図 (3)月山湖∼鶴岡


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