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山登り人生VOL298石鎚山と剣山

1969年9月23日から記録を始めた山日記を振り返っています。
昨年3月29日「山登り人生VOL1」から始めもう1年経ちました。
今回の投稿は950回連続になりました。

私36歳。奥様36歳、長女11歳、長男10歳、次男6歳の頃の山登りです。
昭和60年度の山行は28回56日と月2回ペースになった。
この年初めての九州を離れての山行だった。
2年前敗退した石鎚山縦走の雪辱戦でもあった。
3度目の石鎚山頂に立ち、初の剣山頂に立った。 

No416石鎚山∼剣山 


昭和60年12月30~4日 6名 
30日佐世保21:00⇒
31日柳井(フェリー)⇒松山⇒面河渓⇒面河ダム⇒西条⇒
  西之川(ロープウェイ)⇒山上駅14:00→成就社→17:00夜明峠(幕営)
01日出発6:50→石鎚山天狗岳→土小屋(スカイライン)→シラザ峠→
  氷見千石原・白石小屋
02日出発6:50→瓶ケ森7:30→8:00白石小屋9:00→水瓶→12:00西之川13:00⇒
  西条⇒新居浜⇒池田⇒祖谷渓⇒21:00見ノ越
03日出発6:30→剣山8:00→見ノ越9:30⇒貞光⇒金比羅神社12:00⇒
  多度津15:40(フェリー)⇒17:00福山⇒広島・下関・福岡⇒
04日唐津⇒08:00佐世保

30日(曇り)出発。

連日ハードスケジュールで仕事を熟しているM洋服店へ集合。
M仕立人はまだ仕事先の長崎から戻っていない。
2時間程も待って21時出発となった。

31日(曇り)石鎚山

柳井港から四国松山に渡る。
車窓からの山には雪は全く見えない。2年前と随分と違う。
標高720mの三坂峠でも雪はない。山間部を走ってもない。
面河渓への道に入ってもない。
ない。ない。ないで面河渓に到着した。

面河渓より面河山、愛大石鎚小屋の長い尾根から雪を期待しての山頂を目指していたが、雪のない尾根は興味が半減し、当てもなく面河渓を退却する。

石鎚は初めての会員もおり、
とにかく山頂は踏もうと北側に廻り込むことにした。
2時間迂回して西之川のロープウェイ駅にやって来た。
ここにも雪はなかったが、
アイゼンなく山頂には登れませんでしたとの下山者の一言で元気も出てロープウェイの客となる。

ネットより借用。成就社

成就社の旅館ではM仕立人のお友達女将せっちゃんと再会、
思い出話をされながら山の状況を確認いただいた。
11月中旬に大雪が降り根雪となって12月中旬まで1m50cm程の積雪であったが、ここ数日の暖かさで一気に溶けたとのこと。
まだまだ上は20∼30cmはあるでしょう。

成就社から暫く下り登り道になる頃より雪道になってきた。
冬山の世界にどうにか入り込む。前社森を過ぎてひと登りで夜明峠。
ここから上は樹々も低くなり吹き曝し、一段と冬山らしさを帯びてくる。
少し先まで登ったが幕営適地なく、峠に戻って天幕を張った。

今日は大晦日、久し振りの大勢で酒も進み、
年越しソバもいただいていい気分。
QSOも楽しんでお開きとなりシュラフ入った。 

1月2日(曇りのち雪)瓶ケ森縦走、白石小屋へ。

「チリン、チリン、」だんだんと音が大きくなりテントの横を抜けていく。足音はせず霊気を感じて目を覚ます。
新年の朝は修験者の鈴の音で起こされた。
天幕を撤収し出発。土小屋分岐に荷物をデポし山頂へ。
登山者は多い。山頂神社には朝日を狙うカメラマンが陣取っている。
天狗岳まで往復してデポ地に戻る。

ネット借用。天狗岳方面より石鎚神社を見る。

前回退却した土小屋への縦走、今回は視界良好。
トレースもあり、楽勝だった。
天狗岳南壁直下のトラバースになるのだが、
随所に雪崩塊があり要注意の場所である。
トラバースを終え稜線を歩くようになると高度も下がり
アイゼンは不要となる。

土小屋で休んでいると小雪が降り出し、
先ほどまで路面を見せていた車道も雪化粧してしまった。
いよいよスカイライン(車道)歩きであるが、
凍結した車道で踊り出すメンバーもでる。
シラサ峠から山道に入ったがリズムが狂い疲れがどっと出てくる。
子持権現の岩場を過ぎると再び車道に出て、瓶ケ森の大駐車場へ。
氷見千石原は素晴らしい場所だ。

無雪期の氷見千石原。2018年11月時

せっちゃんが経営する白石小屋にお世話になることにした。
冬季は閉鎖中だが、裏から入れますとの言葉に甘えることにした。

冷え込んできた。
ビールがみるみるうちに凍ってシャーベット状になる。
最初入口近くの大部屋に陣取り食事をしていたが、
あまりにも寒く、奥の小部屋に移動した。
酒宴を再開するも燗つけした酒が凍ったりで
ビールを誰も手をつけず余っている。
こんなことは初経験。
夜中はイビキ、寝言、奇声が飛び交い、皆さんお疲れのようだった。 

1月2日(曇り)下山、見ノ越へ移動

K君を残し瓶ケ森へ。
指導標に導かれて約30分、鎖場を過ぎて間もなく手前のピークに到着した。樹氷がびっしりと付いている。ここから大した登りもなく山頂に達した。

無雪期2018年11月の瓶が森山頂からの展望

余りにも早く小屋に戻ったので暖かいティーの準備は出来ていなかった。
腹ごしらえをして下山。
ジグザグの急斜面を30分も下るとアイゼンも不要となり
1時間で雪も消えた。
標高1200∼1300m以上が雪の世界だったようだ。
雲の世界からも抜け出し展望が利いてきた。
下界は晴れだった。2時間半で車道に出て30分で車に戻った。

昼食後、剣山目指して移動する。
西条市から新居浜、川之江、これより山間部に入り阿波池田。
山が迫った街並みは銀世界でびっくりする。
これより祖谷渓、かずら橋を経て見ノ越までの山間ドライブは、
慣れない雪道に道幅3m、右端は断崖と、70㎞を4時間もかけて走った。
見ノ越に着いた時は、胸を撫で下ろした。

1月3日(晴れ)剣山往復、金比羅神社参拝

見ノ越から1時間半で山頂へ。四国の高峰、石鎚山・剣山を一山行で登頂し満足する。これを祝福するかのような素晴らしい天気である。

山頂から次郎岌を望む
山頂付近

山頂小屋は新年登山者を迎えているようだったが、この日会った登山者は二人であった。小屋でゆっくり休んで20分で駆け下った。

貞光への下り運転も緊張を強いられた。スキー客の車とよく擦れ違う。
四国に来れば金比羅様。我々もお参りに立ち寄る。
今回は山でもいくつもの神社があったし神社詣での山行でもあった。

金比羅神社参拝へ

多度津よりフェリーで本土に渡り、夜通しで佐世保に向かう。
運転好きのK君には感心した。
何時間でも運転してもOKだと言う。 

1月4日帰宅

さすがに皆さんお疲れモード。大野、北松と自宅まで送りM洋服店で解散となった。


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