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レモンクッキーができるまでの話

1年前、さて今年の SAC about cookies (クッキー屋)はどうしようかなーと考えていたときの話です。

SACは小さな規模のお店なのだけど、新商品を次々に発売するような、あれもしたい!これもしたい!といういわば「夢組タイプ」のやり方をしていません。

じゃあ「叶え組タイプ」のお店ってどんなの?というと、「自分の作りたいものを作る!」ではなく「必要なところでよろこばれるものを作る」ということです。


そんなわけで、弊クッキー屋の商品の需要から「新たな届け先がどこか」を考えてみることからスタートしました。

SACの商品はほとんどがギフトでつかっていただいていること、「おいしいお菓子」というより「かわいいお菓子」として選んでいただいていること、賞味期限が長く日持ちがすることから、かなり雑貨的だなということがわかります。

そして、ここ数年、アパレルやインテリア雑貨のお店でライフスタイルの文脈で食べ物を取り扱うことがグンと増えました。

そこで、「よし、雑貨屋さんにSACのクッキーを届けよう」と決めました。雑貨屋さんに商品を流通させる方法がわからなかったので、まずは雑貨店のバイヤーさんが集まる展示会に出展することにしました。

毎年9月に開催される EXTRA PREVIEWという展示会に申し込み、そこで紹介するための「雑貨屋さんで販売する商品」を新しく作ることにしました。


雑貨屋さんで販売するにあたって気をつけたのは以下の点でした。

・賞味期限が長いこと
・見た目がかわいくてセンスが良いこと
・他の雑貨と一緒にギフトに包みやすいこと
・ボリュームはほしいけどかさばらないこと
・単品で中身が何かわかりやすいこと
・個包装されて分けやすいこと


商品を雑貨屋さんの店頭に並べることを想像しながら、「はじめまして」という気持ちで、SACのお店のことを知らなくても手に取っていただけるもの、誰かにあげたくなるもの、プレゼントに適した価格帯などを考えて決めていきました。

「レモンクッキー」という響きから、想像して口の中がすっぱくなって文字だけですでに食べてみたくなる感じや、レモンの見た目のかわいさ、クッキーにぴったりな点から、「レモンクッキー」にしようと決めました。(わたしが美味しいレモンクッキーを食べたかったのもおおきな理由です)

試作を重ねる際に気をつけた点は

・スタッフ全員(パートさんでも)が作れること
・見た目だけではなく、ちゃんとすっぱくレモンの味がすること

この2点でした。

どんなにおいしくても技術がないと作れないものはたくさん用意できないので、だれでもできる方法を徹底しました。

レモンクッキーはアイシング(砂糖)にレモン汁を入れるのだけど、作ってすぐはちゃんとすっぱくても数日経つと酸味が飛んでしまいます。せっかく賞味期限が長くても期間内に味が変わってしまうのはよくないことです。その点の改善と対策にかなり時間をかけました(方法はここには書かないけど同業などで知りたい人がいたら聞いてね)。

パッケージのイラストは娘のあーちんに依頼しました。箱を重ねやすく、商品内容量とサイズから箱の形を先に決め、絵の縦横比のバランスを考えました。

あーちんの絵は信頼しているので細かい指定は出さず、ただひとつだけ「レモンの絵で、食べものと植物の間の感じでお願いします」と依頼をしました。

できあがった絵がとてもよかったので、箱のふた前面に入れ、フタをキャンバスのように壁に飾ったりできるように、店名ロゴもジャマなので側面にずらして作りました。



こうしてできあがったレモンクッキーは展示会でもとても好評で、その後全国の雑貨屋さんから仕入れの依頼をいただき、店頭に置くことができました。

展示会では食べ物の展示はめずらしく、「食べ物探してたんだよね」「食べ物の仕入先の見つけ方がわからなかったからうれしい」と言ってくださる雑貨屋さんがたくさんいました。

このレモンクッキー、昨年の秋はTV出演などの影響で追いつかない時期もあったけど、今は生産も落ち着いているので、贈りものの際に思い出してくれるとうれしいです。

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