シングルマザーのクッキー屋の話【仕事とわたしのこと⑧】

やることが決まって、規模も決めて、必要な面積もわかった。
売上げから妥当な家賃も決まっているけれど、自宅の近くでは高いしどうしようかなと思って近所の不動産屋さんに相談に行ったら、賃貸には出していないのだけれどちょっと見せたい物件があると言ってくれた。

自宅兼店舗の建物で、2階が住居で1階の店舗部分でトンカツ屋さんを営んでいたが、旦那さんが亡くなってからお店を閉め、その後は倉庫として貸したりしていたという。
大家さんが2階に住んでいるので、1階であまり毎日騒がしくされるのも大きく工事されるのもイヤで貸すことができなかったのだけど、そのまま使えるのであればどうぞと言ってくれた。

そしてそこは自宅から徒歩1分で、大家さんもあーちんのことを知っていたので話が早かった。普通のアパートを貸すような条件で、破格の家賃で貸してくれるという。
面積も想定の10坪くらいで家賃は破格。即決で貸してもらうことにした。

大きな工事をしないという条件を言い訳に、最低限のリフォームだけすることにした。中学校の同級生が工務店の息子だったなと思い出して、彼にお願いし、保健所の対策で必要なリフォームと、壁紙など見た目の清潔感をだすこと、電気工事(機械を動かすのに必要な動力を入れる)をしたのだけど、機械の種類と場所の指定から電気の図面と設計図を自分でひいて(手書きで適当だけど伝われば良し)予算だけ越えないようにお願いした。

必要な機械などはサイズを指定して中古で揃えた。
ケーキ屋さんとちがい、ショーケースや急速冷凍庫などの値段の高いものが必要なく、商品を置くテーブルひとつ、冷蔵庫、冷凍庫、ミキサー、パイシーターだけではじめられるのでそんなにお金がかからなかった。

開店資金は渋谷区の創業支援の融資で借りた。審査に必要な書類は何度もシミュレーションした計算表をそのまま使えたのですんなり通った。

(でもお金を借りるのはこわくてイヤなので、今でも常に借りた分の金額を持っているようにしている。そうすれば全部返してすぐに辞めることができるから。100年続ける思いと、明日辞めてもいいという思いがちょうど半々でやっているので)

お店のロゴはどうやって作るの?と、なんとなくこんなの、とメモしたものを持ってカフエマメヒコの井川さんに持っていったら、このままでいんじゃないの、とそっくりそのままロゴデータにしてくれた。

ホームページとオンラインショップは、がっちりしつこく調べて、使いたいシステムと仕様などが明確に描けていて(手書きで適当だけど伝われば良し)、でもどうやって作るの?と近所のウェブデザイナーの友人に相談したら、そこまで決まってるならそのまま作るだけだと言ってサクッと作ってくれた。

デザイナーの友人が名刺を作ってくれて、大工の友人が予算外だったペンキ塗りをしてくれて、パティシエの友人が試作を手伝ってくれた。

ずっと人に頼ることができない性格だったのに、次々に助けてくれる人が現れて驚いたのだけど、知識もなく誰かに丸投げする(他力本願)のと、できないことでも自分でやるつもりで勉強して把握して、共通言語と共有するイメージを得てから誰かに頼むのとでは大違いだとわかった。

この時を境にわたしのスタンスは「ひとりでできるもん!」から「自力本願、他力サンキュー!」に変わった。


長くなってきたので・・・初回はこちらです。

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シングルマザーのクッキー屋の話

シングルマザーの貧困や苦労話じゃなくて、こうやって楽しくやってきたよという希望の話。
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コメント1件

「自力本願、他力サンキュー!」
座右の銘にしたいくらい射抜かれました!
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