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習慣は味方、思いこみは敵

SNSに並ぶ「今年の目標」を見て思ったこと。

わたしは日付で区切るのが苦手なので、新年に抱負や目標をたてることはなかったのだけど、ここ数年はあえて「なにをするか」を決めて1年間行動していた。

行き先の設定としての「目標」をたてることが昔からできないので、「習慣づける行動を決める」というやり方をしている。たとえば「3kg痩せる」ではなく「通勤時に2駅歩く」というように、動機が「痩せたい」だとしたら、ゴール設定ではなく習慣にすることだけを決める。


わたしは常々「習慣だけが味方」だと思っている。

習慣について、思い出すことがある。
クッキー屋をはじめてしばらくは、わたしもクッキーを作る作業をしていたのだけど、アイシングでデコレーションをするなどの細かい作業を長時間やっていた結果、頚椎ヘルニアになってしまった。痛くて仕事にならないので、リハビリとしてジムで筋トレをはじめた。代謝を上げるためと、肩甲骨周りが固まりすぎていたのをほぐすのが第一の目的だった。

その頃、どういうわけか、身体の不調だけではなく仕事やプライベートでもいろいろなことがうまくいかず、すっかり自信もやる気もなくしていた。いやなことや悲しいことが続いたことを「調子にのったからバチが当たったんだ」と自分を責めたりやさぐれたりしていた。

だけど、持ち前の自己中心的な思考と自分を客観視する観察眼で「これは時間がたてば解決するくらいのレベルだな」と自分のダメージを把握していた。悪あがきせず、ただ時間がたつのを待てばいいとわかってはいるものの、わたしは相当せっかちなので「はやく3ヶ月先に行きたい。なんなら待てないから3ヶ月間気絶していたい」と思っていた。(今ならそういう問題ではないとわかっているけど)

その時にわたしがしたことは、毎日ジムに行って筋トレとランニングとストレッチをすることだった。とにかくはやく時間がすぎてほしいので、何も考えず疲れて眠りたかったのだ。

ジムに行って運動をすると、達成感と爽快感でなんとも言えぬ万能感を得ることができる。実際帰り道はいつもごきげんに歌いながら歩いていた。食事はガマンしないで食べたいものを食べて、運動して、よく眠った。そして、気がつくとわたしはすっかり元気になっていた。首の痛みも軽減した。

いやなことが起きたけど、直接そのことを解決するとか原因を考えるとか今後の対策を練るとかではなく、すぐにできる行動を習慣づけることだけ考えて、それを無心で続けたら、その結果いつの間にか解決していた。「やっぱり習慣は味方だ」とものすごく実感した出来事だった。


習慣が味方なら、敵は何かというと、それは「思いこみ」だと思う。

たとえば上記のように自信をなくしたときに、やさぐれて「わたしにはもういいことなんてないんだ」「調子にのるとバチが当たる」「人に迷惑をかけるからもうずっとひとりでいる」と、自分を責めるように「どうせ自分はこうだから」と思いこんでしまう。

すると、実際にそれが本当かどうかは関係なく、そう思いこんでいると、そっちの方向にしか進まなくなる。ひとは見ている方に進むようにできているのだ。自転車で何かをよけようとして、対象物を見すぎて突っこんでしまうように。

「わたしはこういう人間だから」「会社はこういうものだから」「人生はつらいものだから」と思いこんでいると、残念ながらその願いは叶ってしまう。

だから、なにか思いこんでしまいそうな時は、思いこみを疑う。または、無視するといい。自分の能力を自分で決めつけずに、それより何か行動を決めて続けてみるだけでいい。行き先も結果も期待せずに、ただただ続けると、そこに自分の居場所ができて、そこからちがう景色が見える。自分でも想像できないような意外な結果が待っていたりする。


人は、ある日突然変わることはないから、今の自分と距離のある目標をたてないで、まず「どんな自分でいたいか」を考えたらいいと思う。

人は、積み重ねた習慣で変われるから、「なにをするか」「なにをしないか」だけを決めて、とにかく続ければいいと思う。習慣はほんとうに味方だから。


みんなの今年1年、いいことばかりありますように!すべてうまくいきますように!!

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