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今日一日の終わりに ハハハと笑えれば(夢の話)

ねむりにつくかつかないか シーツの中の瞬間、

aikoは「いつもあなたのことを考えて」いるというけれど、わたしはこどもの頃からいつも、その日の、主にイヤだったことを思い出してしまう。

それは、イヤだなと思ったことや、わからないことを「あれってつまりなんだったんだろう」と解体して、納得してから眠りたいという、イヤなことを次の日に持ち越さないために意図的にしていることだ。


こどものころ、なぜかすごく早い時間に寝かされていたのだけれど、眠くないので、自然と眠るまえは考える時間になっていったのだと思う。


娘のあーちんは、布団に入るとすぐに寝てしまうタイプなので
「寝る前に、なにか考えたりすることある?」ときいてみたら、
「そのときによって自分のテーマがあって、考えるよ」と言う。

「街が海中になって、まぐろに乗って学校に行ったり、クラゲに乗って遊んだりするのとか」

「いいこと考えよう、って思って布団に入るよ」

と言うので、おどろいた。
わたしと、真逆で。


そんなあーちんだけど、じつは4歳くらいのころ「夜驚症」という症状がでたことがある。

寝ているときに、突然、泣きながら起きてしまう。

「うわーたいへんだー」「どうしようー」などとアワアワと泣く。
何かを怖がるようにパニック状態で、逃げるように走り出したりする。
何を話しかけても聞こえていなくて、見えていない。
そしてものすごい汗。

2分くらいで落ちついて、すぐまた寝る。
翌日、何もおぼえていない。

これが数ヶ月、週に4日くらいの頻度で続いた。

はじめはおどろいたけれど、お医者さんに相談してみたら、3%くらいの割合で子供にでる症状らしく、夢遊病の一種で、原因もなく治療などもないので、しばらくしたらなくなりますよ、と言われ安心した。

原因はない、とはいえ、日中なにかストレスがあるのではないかと心配もしたけれど、どう見ても彼女は毎日ごきげんだったし、お医者さんに「こどもが心配してしまうので、夜したことや言ったことを話さないほうがいい」と言われていたので、本人は知らないため、あまり詮索もできなかった。

そして数ヶ月で症状は治まり、その後はまったく出なかった。


その期間のことは、今でもときどき思い出すのだけど、寝ている間の脳の仕組みや成長という、見えない知らない部分を見たことは、とても不思議で貴重な経験だったなと思う。

わたしはほとんど夢をみないし、あーちんはよく夢をみる。
睡眠のクセというのはどこからくるのか、こうもちがうとおもしろいなと思う。


夢は夢でも、起きているときにみる夢の見かたは、わたしとあーちんはとても似ている。

夢という「もしも」という考えが、まったくない。

あーちんは「おとなになったら」というのがわからないという。
わたしが思うには、夢を追いかけたり「いつか」という時間をとばして、すでにやっているからだと思う。

やってみたいな、ということを、「いつか」ではなく、すぐにやってしまう。

そして、やってみてわかったら、何度でも変更する。いつでもやめる。


この方法には、夢はないけれど、希望はある。


夢を「思いや願い」だとすると、希望は「道や光」で、自分でつくったり角度を変えたりすることができる。

「自分でつくれる」というのは希望でしかない。


起きているとき、つまり生きているときに、なにをつくってのこしたいか考えたら、

わたしが死んだあとで、わたしのすきな人たちがわたしを思い出すとき、それが笑顔だといいな、と思う。

せっかく起きている時間には、いっしょにたくさん笑えるといい。

それが、起きていても寝たあとものこすことができる希望、なのかもしれないな、と今のところそう思う。


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