必要なのは、ガマンじゃなくて想像力。

先日、ほったらかし温泉で富士山を眺めながら温泉に入っていたら(最高)、職場の同僚らしき二人組の女子(推定20代後半)がおしゃべりをしていた。要約すると「結局仕事は、楽だけど薄給か、つらくて高給かのどちらかでつらい。せめてやりがいのある仕事をしたい」という話だった。


わかる、わかるよ。わたしもそう思ってた!と思いつつ、そういえばその考えからどうやって抜け出したんだろうと思い返してみた。

わたしはそもそも「お金を稼ぐためにいやなことをしないといけない」と思い込んでいる傾向があって、仕事がつらくてもイヤでも向いていなくても、ガマンしていたように思う。ここまで続けたんだから、ガマンしないとまた一からつらいことをはじめないといけない(それか、楽だけどお金にならない仕事をしないといけない)と思っていた。


わたしが会社員のときにしていた仕事は、今思うと「やりたい」という動機からやっていたことはひとつもないし、いろんなことをガマンしてやってきた。でも、だからといって仕事がイヤだったわけではない。むしろ楽しんでやっていたし、やりがいもあった。では、やりたくない仕事の中で、いったい何にやりがいを感じていたんだろう。


当時のわたしの仕事は、実際の作業ベースで見ると、商品管理の表の入力やメールの返信などの地味な事務仕事で、今振り返っても、だれにでもできる作業だった。

わたしの場合は、会社の中にもともとそういった事務作業をする部署がなく、お菓子を作る人と売る人だけがいて、雑務はみんなで分担してやっていたところに、子供を産んで復帰したわたしが勝手にそれらをまとめて引き受け、勝手に部署をつくった(はじめは倉庫の一角のPC一台分のスペースで薄給だった)。

それから10年間、誰に頼まれるでもなく、売上を上げるために必要なこと、スタッフが快適に効率よく働くために必要なことを見つけては、考えて仕組みを作って、ただただ作業していた(その後、事務室もデスクも用意してもらえたしお給料も上がった)。

誰にでもできて時間ばかりかかる作業は、どれもいわゆる「AIにでもできること」ばかりだったけど、それをはじめる意思決定はわたしにしかできなかった。


どうしてその仕事が必要なのか、その仕事をすることでどんないいことがあるのか、それがわかっていて作業するのと、なにもわからずにただ作業するのでは、やることが同じでもやりがいの感じ方は大きくちがうと思う。

なんのためにやっているかわかっていても、つまらないものはつまらないという人もいるだろうし、何にアガるかは人それぞれだから、まずは自分が何でアガるかわかっているといい。他の人から見てやりがいのない仕事に見えても、自分がアガるならそれでいいと思う。

高校生の時にしていたアルバイトのスーパーのレジ打ちも、仕事は単調だけど、わたしはいつも、カゴの中身とお客さんの姿から、そのお客さんの家族や食卓や生活や性格などを勝手に想像してはアガっていた。(そんなことされたらイヤかもしれないけど、想像はバレないからいいよね)


つまり、「仕事にやりがいがほしい」というとき、仕事に何かを求める前に必要なのは、想像力だ。

自分がその仕事をすることで、何が動いて、どうなるのか。それを想像してみる。自分の仕事をどう変化させたら、周りがどう変わるのか。よろこぶ人が増えるのか、たすかる人が増えるのか、想像する。社内でも、世間でもなんでもいいから想像してみるといい。想像してみて、アガるかどうか。それが仕事を楽しむ能力だろうし、向き不向きも判断できるのではないかと思う。


娘のあーちんが小学生の時にほぼ日で連載していたくまおの、わたしのすきな一コマのうちのひとつに、こんな言葉がある。

『くまお』その15 より


仕事にやりがいがないというとき、もしかしたらまだその仕事に飛びこんでいないのかもしれない。表面だけで判断しないで飛びこんでみて、ちゃんと見て、それから考えてもいいのではないかな。

あたらしい仕事をはじめたいというとき、いろいろ考えて不安になるよりも、まず飛びこんでみて、もしもちがったらまた次に飛びこんだらいいのではないかな。

行動力は、才能ではなくて90%が飛びこむ勇気だよね。
想像力は、数値化できないし、他人と比べられないというのがいいよね。



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桜林 直子(サクちゃん)

クッキー屋「SAC about cookies」経営。あーちん(15さい)の母。あーちん:現在「たべびと」連載中。http://www.1101.com/tabebito/index.html

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