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素肌を磨こう 老人性色素斑ver.

前回のシミ治療総論に続き、今回からは各論をお話ししていきたいと思います。

老人性色素斑の治療

老人性色素斑。

それは日光に当たることによって出来る、境界がはっきりしている、いわゆるシミです。


前回お話しした通り、老人性色素斑の治療には、光治療器(IPL)を使うことが多いです。
具体的な機械名で言うと、フォトフェイシャル、ライムライト、オーロラなどがあります。

では、なぜ光を当てるとシミが薄くなったり消えたりするのか

光治療器は、黒や赤色に選択的に熱を与えてくれる光を放ちます。
老人性色素斑は、表皮にメラニン色素が溜まった状態。光に熱せられたメラニン色素はコゲて死んだ細胞となります。その後はターンオーバーとともに剥がれ落ちたり、皮膚の中で分解されて消えていきます。


実は、ダウンタイムが発生してしまうレーザーも同じような仕組みでシミを治療しています。

では、何が違うのか。

それは、メラニン色素を焼くときの強さに違いがあるのです。
レーザーは、出力設定にもよりますが、標的にしたメラニンをバチバチ焼いていく治療法です。血液が出てくるくらい深くまでメラニンを焼くことができます。
治療後暫くはテープを貼ったり、軟膏を塗ったりする必要があり、さらに数ヶ月単位で赤みや色素沈着が続くことが多いです。
この色素沈着が非常に厄介であり、それ故に老人性色素斑治療の第1段階としては光治療器が選択される事が多くなったのです。

光治療器はレーザーほど攻撃的な治療ではなく、表皮の浅い部分にあるメラニンを焼いていきます。焼かれた部分はコゲるので、一時的にいつもより濃くなっていますが、1週間ほど時間をかけて退色していきます。

深くまで燃やしていくレーザーに比べると、治療回数は増えますが、お仕事をしていたり、人と会う機会が多い方はなかなかダウンタイムを取れないという理由で、ほとんどの方々が光治療器を選択しています。

治療の時期

紫外線の強い時期にシミの治療は避けるべき!と思い込んでいる方が多いと思います。

実はこれは間違いです。

光治療であれば、夏でも治療可能です。
レーザーを強く当てて皮を剥いてしまうような治療をする場合は、治療後の日焼けは禁忌です。皮膚が薄くなっている状態で日焼けしてしまうと、その部分が色素沈着を起こすリスクが高まるからです。

光治療の場合は、かさぶたが出来るほど強く当てなければ大丈夫です。日常程度の紫外線であれば日焼け止めやお化粧をしていれば、特に問題ありません。
もちろん、積極的な日焼けは避けるべきですが。。
レーザーと光治療では、皮膚が剥ける深さが全く違います。その違いによって、夏は避けるべきか否かが変わってくるのです。

ここで1つ気を付けたいことがあります。

紫外線をたっぷり浴びて日焼けをした後は、光治療であっても避けたい場合があります。
日焼けによって皮膚が炎症を起こしている場合、その直後にさらに治療によって熱を加えてしまうと、火傷を起こすリスクが高くなります。そのため、治療をお断りするか、出力を低くして当てることになってしまいます。

効果的な治療を受けるためには、紫外線の強い時期には日々の日焼けケアを行っておくことが大切です。

光治療の限界

光治療を繰り返した結果、シミが薄くなってくると光治療器レベルではメラニンを燃やせなくなってくる事があります。そうなったらレーザーの出番です。ダウンタイムが発生してしまいますが、レーザーをある程度の強さの設定で当てていきます。


再発予防には

治療によってシミが薄くなったとしても、同じ場所に再発することがあります。
一度シミが発生した部分は、局所的にメラニンを作る活動が活発になっているからです。

再発予防には、ハイドロキノンがオススメです。ハイドロキノンにはメラニンを作る活動を抑える効果があります。市販の物ではなく、出来れば皮膚科で販売しているハイドロキノンを入手し、毎日ヌリヌリして下さい。
副作用として赤みが出ることがありますので、気になるようでしたら隔日にするなど、調節すると良いと思います。

シミがあると無いとでは、見た目年齢が大きく変わります。
治療をした私の家族や友人も、シミの治療が意外と手軽だということに驚いていました。
治療をするかどうか悩んでいる方、ぜひ美容クリニックに相談に行ってみてください(^-^)

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