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言葉は願い(乗り手から) #ことば展覧会


私のバイク。
どうしているかな。

バイク屋さんで
独り、過ごしているのかな?

私のこと…
どう思っているだろう。



noteがきっかけで
バイク熱に火がついた。

もう一度、乗りたい!!
もう一度、乗れるのか?

とりあえず、試乗してみよう。
それから考えよう。


4スト単気筒は無理だった。
右手が痛くなった。

私は右手を痛めている。
昔、バイクに乗り過ぎて。

少し乗ると
握力が無くなってしまう。


それもあって
ツーリングは諦めて

ずっとサーキットで
走っていたことを

今頃、思い出している。


無理なのかな?
ツーリングには行けない?


レース用バイクは
まだ手元にある。

またサーキットに戻るの?
風に吹かれたかったのに?

速さを極めることから
ようやく離れたのに?


2ストエンジンなら
乗れるかもしれない。

スマホで見つけて
2ストバイクを見に行った。

お店で6時間悩んだけど
やっぱり無理で

途方に暮れていたら
店長さんが教えてくれた。
「このバイクはどう?」って。


微かな期待を胸に
翌週もバイク屋に出向く。

試乗車に跨った時
「これなら乗れるかも…」
そう思った。

右手に負担がかからない。
アクセルが軽い。


試乗してみて、決めた。
このバイクを買おう。


見た目は興味がなかった。

どちらかというと
好きな車種ではなかった。

でも、右手のことがあったから
どんな顔でもよかった。
どんなフォルムでも…



この出逢いは
お見合いみたいなものだった。

このバイクしか選べないなら
どんな姿でも仕方ない。

性格だけ合えば・・・
バイクなら性能か。


共に過ごすか、過ごさないか。

私はきみと
共に過ごす選択をした。



納車の日。
きみをじっくり
眺めたりはしなかった。

さっき言ったように
きみの姿に興味はなかったから。

きみの性格だけ
試乗してわかっていたから。

それだけでよかった。



きみに決めたのは、夏。
それから2ヶ月間
きみのことを待っていた。

実は、きみを待っている間に
少し、怖くなってきてたんだよ。

乗って後悔しない?
勢いで買ってしまったんじゃない?

買わなければ良かったって
思う未来が待ってたりしないかな?って。

家族は賛成してなかった。
「勝手に決めちゃって…」って。
喜んではいなかったんだよ。


だから
きみを迎えに行った時
私は素っ気ない態度を
取っていたかもしれない。

きみは、そのことに
気づいていただろうか?



納車の帰りは暗くなり
雨も降ってきて過酷だった。

せっかくピカピカの
きみの車体が濡れるのは
残念だったけど

走れる楽しさに
久しぶりにワクワクした。

一緒に
無事に帰れて
少し親しみを感じたんだ。


給油をした。
海にも行った。
峠も走った。

運転はワクワクするけど
きみを好きなのか?
よくわからなかった。



娘を街中で初めて乗せた日。

左に停まっていたバイクが
スタートした。

こちらに向かって来る!


初めて、きみに声をかけた。

「ごめんね」

きみを犠牲にして
娘と自分を守った。


きみを見たくなくて
近寄れなかった。

救急車が来て
娘と私は病院に向かった。

レッカーは、夫に頼んだ。

だから
きみの傷は見ていない。


どんな怪我をしてたのか…
いたわることもできなかった。



結局、私も怪我をして
手術もして
今は、リハビリをしている。

再手術をするので
治るのは半年後。


療養中に、改めて
きみのカタログを見た。

かっこいい顔をしているんだね。
初めて、顔をよく見たよ。

バイク屋さんが勧めてくれて
良さそうな部品を頼んでみた。

きみに似合うかな?


お見合いで始まったような
付き合いだけど
離れてみて、わかったことがある。


きみと300kmも走れたこと。
これは、凄いことなんだ!

右手の握力が無くなるので
サーキットで1日に
10分×3本しか走れなかった私が…

1日中?300kmも?

海に行った翌日も
右手は握力があった。
なぜ?

それは、きみだったから。
多分、きみじゃないとダメなんだ。



きみは、どんな場所が好きなんだろう?
考えたことなかった。

走るのはきっと得意だよね!

高速コーナーは好きかなぁ?
私は、高速コーナーが
一番好きなんだ。

きっと
思いっきり走れるところがいいね! 



そうだ!
サーキットに行ってみよう。

昔のつなぎは、まだ着れる。
年季が入ってるけどね。笑

ブーツだけ無い。
どうしようかな?


サーキットなら、娘も
事故とは別の場所って思うかも。

また、きみに乗ることを
家族は反対してたけど…

「サーキットならいい。」
そう言ってくれたよ!



きみに会いに行ったら
こんな言葉をかけたいんだ。

「ありがとう。守ってくれて。

 また走ろう。
 今度はサーキットで。

 写真を撮ってもらおう。
 きみが守ってくれたあの子に。

 きみと楽しそうに走っていたら
 娘にもわかるかもしれない。
 
 バイクは楽しいよ!って。
 怖くないよ!って。

 だから、速さは極めない。

 楽しく走ろう!!」


でも、できるなら
ツーリングに行きたい。
SSTRをきみと走りたい。

そのために
リハビリ、頑張るよ。
筋トレもするね。



この願いが叶うのか。

それは
これからnoteに綴るはずの
言葉だけが知っている。


未来の言葉に願いを。



*****

拝啓 あんこぼーろ さんの企画に
チャレンジさせていただきました。


おそらく大幅に字数を超えていると思います。

どうか、ご容赦いただければ。
(推敲する気力が無くなってきています…)


あと一つ。
どうしても書きたいお題があります。

今回の連投の集大成です!
今日の23時59分までには投稿します。

皆様は紅白を見ながら、「間に合うのかな?」と、たまにスマホを見ていただければ幸いです。笑

ラスト、頑張ります!!




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