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#我ら失敗団


人生で最も失敗したと思っているのは…

2年前の10/25
路肩のバイクが発進した時に
並走すると思い込んだこと。

あの時、Uターンするかもと思っていたら…
今、どんな未来が待っていたんだろうか。



あの日、初めて娘をリアシートに乗せて
夕陽を見に出かけた。

娘のリュックには
タブレットと一眼レフ。

どちらも壊れなかった。


並走すると思ったバイクは
あっという間に目の前に近づいて
避けることはできないと思った瞬間
ぶつけることに決めた。

その間、1.5秒。

なるべく垂直にぶつけて
2秒ほど辛抱して
娘は左側、わたしは右側に落ちた。

2人ともズボンに擦れはなく
ほとんどスピードは無くなっていた。


わたしは時速50kmは出していた。
そのスピードを2秒間で
相手のバイクにぶつけることで
時速0kmまで落としたということだ。

前にも書いたけど
わたしのバイクはセンターライン上に
ラインに並行に倒れた。

が、相手のバイクが
右車線をふさぐ形で道路上に横たわった。

向こうはバイクの下敷きになって
足が抜けなくなっていた。


娘に路肩に行くように話す。
高架道路の下り坂でここは死角になり
同じ車線上の走っている車からは見えない。

左車線に車が走ってきた。
軽自動車で男女が2人。
手を振ったのに無視をして走り去った。


右車線に車が来たら大変なことになる。


折れた肩でバイクを持ち上げ
下敷きになっている相手の人を助けた。

助けてくれる人を探し
対向車線から車が来るのを見つける。

思い切り手を振る。

具志堅用高さんにそっくりの人。
ヤクザなのかな?ってパンチパーマの人が

「手伝い必要か!」

私たちの車線の車に異変を伝えるために
高架のてっぺんに車を停め
助けに来てくれた。

そのうち、バイクの人も
目立つように道路上に自分のバイクを停めて
わたしのバイクを安全な場所に
移動してくれた。


パンチパーマのおじさんは
娘に飲み物をくれた。

バイクのお兄さんも娘に
「明日はちゃんと学校行けるからな!」
と声をかけてくれた。


娘は、隣にいたぶつかった相手の人に
「大丈夫ですか?」
と声をかけていた。

それは、お兄さんに
声をかけてもらって嬉しかったから
自分も隣にいた相手の人に
声をかけたと後で言っていた。


ひと月後
相手の人から電話があり
「あの時、娘さんに声をかけてもらって
 俺、何やってんだろうって情けなくて…」
と電話口で泣いていた。

わたしは、こう言った。

「怪我をした者より、怪我をさせてしまった人の方が、その後ずっと辛い思いをすることを知っています。どうか、これ以上はお気になさらず。ご自身の人生を歩んでいってください。保険が終了したと保険会社から連絡が入った時に、私の怪我も完治したと思って、その先は安心して過ごしてください」

「お電話ありがとうございました。それでは」そう伝えて、電話を切りました。
バイク事故からひと月より



判断を誤って事故に遭う
という経験をした。

それは、わたしにとっては
『判断ミス』という失敗だった。


でも、そのおかげで変わった未来がある。

娘はバイクに乗らないと言う。
息子もバイクに乗らないと言っている。

少なくとも2人は今後
バイクで怪我をしたりはしない。

そして
わたしは今生きている。

事故に遭っていなかったら
もうこの世にはいなかったかもしれない。

当時うつ病だったわたしが
事故に遭って怪我をして一番に思ったこと。

「これで死ねなくなってしまった」


左手が動かず、紐を結べないし
出かけることもできなくなってしまったから。



変わっていない未来は
バイクに乗っていること。

わたしは、今、事故前よりも
家族や身内の理解を得ながら
バイクに乗れている。


それは、簡単な道のりではなかったけれど
諦めずに少しずつ「会話をする」ことで
自分の気持ちを伝え
理解してもらおうとがんばった結果だ。


失敗はしても
わかってもらえる人がいたら
変わっていくことができると知ることができた。

noteでみんなに励ましてもらったから
今、楽しく走ってきて
記事を書くことができている。


あと5日で2年経つけど…
ようやく過去の話として
事故のことを話すことができる。


あの時、助けてくれた
パンチパーマのおじさんと
バイクのお兄さん。

娘はおじさんからもらったペットボトルを
しばらく大事にとっていた。

この事故で何かを学んだんじゃないかな
と思う。


失敗は、成功のもとなんだね。


 🏍          🏍          🏍


『あんこはるかの寄せ書きRADIO』の
企画に投稿します。



「失敗なぁ。失敗」と思っていたら
人生最大の失敗について書いてしまいました。

失敗はしたけど、最善は尽くしたので
娘は無傷で済みました。

次、同じ場面に遭遇したら
減速してホーンを鳴らそうと思っています。


ぼーろさん、はるかさん
事故を振り返るきっかけをいただき
ありがとうございました!




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