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金沢ツーリングを終えて


『事故の後、どうしてまた
 バイクに乗ろうと思ったの?』


旅先で、アサミさんが尋ねてくれた。


どうしてだったかなぁ。


青空が呼んでいたからと
サコッシュが来たからだったのは覚えてる。


どっちが先だったのかなぁ。

noteを見直してみる。


そっか。

1回目は夏の青空に呼ばれて。



2回目はうわの空さんのサコッシュが来て。


事故の怖さは、今も消えない。


自分の未熟さで
回避できなかった事故だけど
(例えば、同じ状況で
 夫ならぶつかっていないと思える)

でも、思いもよらない動きをする
たくさんの車とバイクが走っている公道で

何もなく安全に走れるなんて思えない。


そうすると、どうなるか?


周りが気になって
走っていても景色が見えなくなる。

緊張がずっと続いて
走っていても楽しくない。


走り終わっても
満足感や達成感よりも、疲労感の方が強い。

そんなことに
楽しさを感じられるのか?


またバイクに乗ったら
行ってみたかった場所は
全て行けた。

それなら、この先は…
なぜ走るの?何のために?



そう思った時
これから、バイクに乗る動機は…


あの人に会いたい!
あの景色を見たい!!


その思いだけが
またバイクに乗ろうと思う力をくれる。


そうなんだと思った。




三浦に車で行った時に思ったこと。

バイクで行くと
あんなに遠くて
あんなに色んなことがあったのに

車だとあっという間に
何も感じないまま着いてしまった。


それは、車をわたしが
運転してないからってことも大きいけど

車から見える景色は
バイクに乗って見る景色とは
違って見えた。



河津桜を車で見に行った時に確信したこと。


バイクで走ると
同じ道で見えるものが違う。

バイクで初めて走った道を
2回目は車で走ったら
あっという間に目的地に着いて
間の記憶がほとんどなかった。

前回バイクで来た時は
書ききれないくらいの心の動きがあったのに。


バイクで行くと

見えるもの、聴こえるもの、匂い
皮膚に触れるもの、食べたもの

全てのことが
強く強くインプットされるんだ。きっと。


持っているアンテナが
とっても敏感になる感じ。

それがつまり
五感が際立つってことなんだろう。


そのアンテナの感度が上がる
スイッチが入るのが
《バイクに乗る》ってことみたい。

だから
車に乗って同じ場所を通っても
感じるものが少なくなるんだと思う。


あの、世界に開いた感じが
バイクに乗った時にしか味わえないなら
バイクに乗れる間は乗りたいなと思った。



でも
「走りに行こう!」って思うきっかけは


見たい景色、走りたい道
そして、逢いたい人がいるから


強く思った時しか
事故への不安を消せないから

これからも
何か不安を超える
「乗りたい!」って衝動で
バイクに乗っていくんだと思う。




今回の金沢の旅は

ひと色展
なぎさドライブウェイ
スーパーカミオカンデ


このスペシャルスーパーな動機で
走り切ることができた。



ひと色展と言えば、イシノアサミさん


わたしに金沢へ行く
勇気をくれて、本当にありがとう!

ひと色展の感想は
また詳しく書きたいと思います。



そして
なぎさドライブウェイでは
unique(一意)に決まるさんが
なんと!お茶に誘ってくださった。


わたしは、このnoteを
uniqueさんと別れてから見たんですよ。


14時ですよ!14時。
わたし、まだ富山城の辺りでしたよ。

道の駅 雨晴を経由して
なぎさドライブウェイに着いたのは
夕方の17:40。


何時間待っていてくださったのか。


そのことを会った時にはひと言も言わず
カフェでお茶をご馳走してくださって

砂浜を先導してもらって
夕陽を見て

『暗くなるので先導しますよ。』と
のと里山海道を宿の最寄りインターまで
先導してくれて

『じゃ。』と言って
帰って行ったuniqueさん。


ゆっくりお話しをすると言うよりも
一緒に夕陽を見て
(いつも夕陽までいないとのこと)
里山海道を一緒に
マスツーリングのように走って

あまり言葉は交わさなかったけれど
とても楽しい
バイク乗りらしいやり取りを交わして
あっという間に時間が経ちました。

uniqueさん
お茶に誘っていただき
ありがとうございました!



そして、geekさん


わたしにとって
ラリーの助手席にいる人
(コ・ドライバーというらしい)
みたいな立ち位置にいるgeekさん

今回、金沢まで走るにあたり
脳内ツーリングに付き合ってもらい
地図上で下見をして

帰り道は、
具体的にナビゲートしてもらいました。



geekさんはバイク乗りで
ツーリングのプロ。
(ツーリングにもアマプロあると思う)

彼は日帰りツーリングで900km走る強者で
(わたしの昨日の走行距離が440km)
日本全国47都道府県を走っている。

スーパーカミオカンデは
geekさんのnoteで見かけてから

いつか行きたいと思っていたところの一つ。

まさか、金沢行きの途中で
カミオカンデを経由するとは!



今回の金沢ツーリング。
実は走り切れると思っていなかった。

言うと心配かけちゃうから
あまり言わずにいたけれど。


行きは行けるけど
帰りは無理かなと思っていた。

だって渋峠ツーリングの2日後は
身体中がダルくて
バイクに乗れる気がしなかったから。


だから、帰り、雨の中
家まで走り切れる自信はなくて
夫に「双葉まで車で迎えに来て」
と行く前に、実は頼んでいた。

夕飯の席で、笑って話したから
冗談だと思ったかなと思ったけど

『迎えに行くなら早めに連絡してね』

と当日朝にLINEが来たので
わたしが本気で言っていると
わかってくれていた。


それで、わたしの最低目標は

事故なく、中央道 双葉PAまで走ること

だったので

雨の中、どのルートで帰るか
金沢にいた日、本気で悩んでいた。



一番怖いのは、マンホール。
行きに走った時に
長野県のマンホールが特に怖かった。

道が古いせいか
アスファルトとマンホールのつなぎ目に
大きな段差がある。
(バイクで通るとハンドルがぶれるくらい)

そして、車線の真ん中にマンホールがある。
(よけるには、路肩か
 中央線近くを走るしかない)


トンネルも路面が濡れてて
かつトンネル内に
カーブがあって怖かった!


この道、帰りは無理だな。


そう思いながら
マンホールの位置を確認しつつ
走っていた初日。


でも、最短距離で帰るには
長野のあの道を通らねばならない。

高速道路にはマンホールがないので楽だけど
全部高速で帰るとしたら
50kmは距離が増えてしまう。

そして高速は眠くなる。
わたしは、バイクに乗りながら
ウトウトできるたちなので
居眠り運転をしてしまう。
(バイクでは寝られないという人もいるけど)


何より、ずっと高速だと
道としての楽しみがない。

でも、雨の山道を走るほどの度胸もない。


で、もんもんと考えていて
すっかりわからなくなってしまって…
geekさんに相談した。


走る道の様子を聞いた時の
geekさんのお返事にあった言葉。


ちゃんと帰ってこられますよ。


この言葉になぜかすっかり安心して
途中、下道を使って最短距離で帰ろうと決めた。



走れるところまで。


この思いだけで
ひと区間走り、疲れが取れるまで休憩して
また走る。

最後、走る時間より
休む時間の方が長かった。
(40分走り、1時間休むといった感じ)

そのひと区間ごとに
自分の住むまち、家に近づいていく。

標識に県名が現れるたびに
日本地図を思い浮かべる。


日本は広いなと思う。



道中、車で走る人たちを見て

どしゃ降りの中、走るわたしと
『今日はずいぶん降ってるな。』と思う人と

同じ景色で感じる心の動きには
それは違いがあるだろうと思った。


だって、こっちは全身
ずぶ濡れなのだから。笑


身体中に雨を受ける。

その雨足の強さを全身で体感する。


ほんの少し雲が薄くなるだけで
身体を刺す風の冷たさが和らぐ。

霧の中は
空気の湿り具合が増して
呼吸して口に入った時の舌触りが違う。

雨が降っていない地域をおおっている
大気のなんと温かいことか。


それは
肌をさらしているからこそ感じられるもので
窓を閉じて雨をよけている車内では
感じることのできないものだ。


空気の湿り具合が増し
大気の温度が下がるから
霧になることを予感する。


霧が現れる。


高速道路は前の車の輪郭と
両側にペイントした線しか見えなくなる。

両側の線と前の車を頼りに走る。


周りは白い雲に覆われて何も見えない。
白い大海原を走っているよう。


少し霧が晴れると
山々のてっぺんや中腹に
水墨画のように雲が乗っている。


さっきは
あの中を走っていたんだな。


霧も雲も
大気中に水をいっぱい含むからできる。

それを全身で体感できたことが
今回、一番心に残っていることかもしれない。




道中、応援していただいたみなさま
本当にありがとうございました。

くもり止めとカイロ、干し梅
ビニールとガムテープ、タオル

つぶやきにつくスキ
反応して書いてくれるコメント

それらがなければ
途中でギブアップしていました。
(ビニールとガムテープ、
 タオルの話はまた今度。笑)


諦めそうになると
ヒントをもらい、頭を使い
困っていることを何とかクリアする。

生きる力とは
正にこういうことなんだと思う。


道中、何度もくじけそうになりながら
走り切れたことは
大きな自信になり、かつ
忘れられない思い出になりました。



なぎさドライブウェイで見たかった景色

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本当に本当に
ありがとうございました。






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