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社外役員が貢献できるガバナンスとは? ~公認会計士Advent Calendar2023~

社外役員をやる会計士が増えてきたので、「社外役員が貢献できるガバナンスとは」を考えてみたい。(今回は監査役というより、社外取締役メイン)

社外役員の経験者でしたら当然の内容かと思いますが、経験者以外にも知っておいてほしいので。

(簡単に自己紹介:上場2社の非常勤監査役をやりながら、監査役転職エージェントを行っている柴田千尋です。)

まず結論。社外役員1人でできることは限界があります。
①社外役員を引き受ける前に、会社の企業価値を上げることが可能かを吟味する
②筋を通す発言をし続けても、どうにもならない会社だったら、社外役員を辞める

社外役員なので、執行側を監督する
=執行側の利益だけを追求しすぎないようにする
=少数株主の利益も考える。従業員、株主、取引先、あらゆるステークホルダーの見方を執行側に伝える

というのが基本。

「企業価値を上げるなら、ガバナンスとしてこうした方が良い」という場合(例えば、社外取締役を1名から2名に増やす)には、(1)長期戦を覚悟し、(2)数の論理を考えないといけない。

(1) 長期戦
ガバナンスという会社の根幹に関わるので、一朝一夕には変わりません。
変えるのに2~3年は覚悟が必要。

(2) 数の論理
自分1人だけ主張していても、実行させるのは難しい。
他の役員にも「そうだよね」と言ってもらう必要がある。
実際変えるには、最後は執行側に同意してもらわないと進まない。
(こちらももちろん長期戦)

人間は変わりたくないもの。
上場会社経営者でも同じ。

私が大事にしている執行側を見るポイントは、「ガバナンスはすぐに無理でも、小さい改革について、社外役員の意見を受け入れ、少しずつ実行しているか」。

意外とそういう執行側は少ないかもしれません。

そのため、
①社外役員を引き受ける前に、慎重に検討する
②筋を通す発言をし続けても、どうにもならない会社だったら、社外役員を辞める
というのが大事。

「この会社、絶対変わらないな~」と諦めて、筋を通す発言もせず、社外役員としてだらだら居続けてはいけない。

自戒を込めて。

(ちなみに「『辞める』と伝えるのは、総会の何カ月前が良いかや、辞任届の文言や渡し方についてもご相談に乗っております。自分が辞めた時に弁護士さんの見解を取ったので。)

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この記事は、楢木毅さんにお誘いいただき、公認会計士Advent Calendarに参加しております。
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写真は、先週行ったブエノスアイレスのデパートです。









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