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リスクをとってコミュニーケーションする。価値を拡げる。 #Voicy書き起こし

おはようございます、入谷佐知です。
明日、どんなふうに生きてゆく?はじめたいと思います。

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ということで、今日も始まりました。このチャンネル「明日どんなふうに生きてゆく?」はこれからの生き方を考えていくメディアです。若者支援NPOで広報と資金調達のマネジャーとして毎日楽しく働いております、わたくし、入谷佐知がお届けしています。今日は質問箱にいただいたご質問2つ、お答えしていきます!きょうの内容は、ちょっとビジネスよりかな〜。お楽しみください!

入谷さん、こんにちは!声が癒し系でほんとに好きすぎます。わたしはいまwebマーケッターとして働いています。以前、シゴトができる人の返信ははやい!という話をあるweb記事で読んだのですが、わたしのクライアントさんは名前はイエませんが世の中的にはすごい仕事ができる人と言われてますが返信は遅いです。何度も催促してやっと短文の返信が来たり、最終的に「そちらで考えていいよ」とか言われたりします。もおおおってかんじです。入谷さんはかなりレスはやいですが、仕事ができる人と返信のはやさって関係あると思いますか?ぶっちゃけどうしたらレスが来るんでしょうか…?

というご質問、いただきました!
これ、私と一緒に働いたことがある方からのメッセージみたいですね、どなたなのかわからないですが。えっと、すごいざっくりした回答をすると、まあたしかに仕事ができる人は返信が早いという傾向はあるんじゃないかな、とわたしは思っています。いまの時代は本当に早さは価値になりやすいと思うからです。だけど、返信が遅い人が仕事ができないとか、返信が遅いからこの人は駄目だとか裁いたりするという意味ではないです。わたしは、その人のことを返信のはやさだけで見たくないなって思うので、そこは、安心しながら聞いてもらえたらなと思います。

(※入谷補足:そもそも「仕事ができる」ということの定義が謎ですよね。汗。いろんな「仕事」があるんだからいろんな「できる」だってあるはずで、速さだけで測るのはちょっと難しいと思います。とはいえ、はやさは価値になりやすくはあるんだろうなあ。なんとも言い難いですね。)

この先生がスタバから学ぶんだすげえなってほんとに思いました。

で、たぶん質問者さんのお困りごとって、そのクライアントさんから返信がなかなか来ないな、っていうところですよね。もしかしたら、これを聞いてる方で、ベンチャー企業やNPOに務める方も、代表からなかなか返信こなくて困ってますなんて人もいるかもしれないですね。

ちょっとこんな話を聞いていただきたいんですけど、わたし昔ね、社会人1年目のときに医大の先生と一緒にお仕事したことがあったんですよ。しかも、救急救命のセンター長の先生で。その先生はめちゃめちゃおもしろい人だったんです。いわゆる大病院の救急救命センターの奥の奥の事務室で、救命医のままの先生に初めてお会いしてね、その先生が「僕はね、スターバックスのビジネスモデルを真似したいと思ってるんですよ」とさらりと言ったときに、頭を打たれたような衝撃が走ったのを覚えてます。この先生がスタバから学ぶんだすげえなってほんとに思いました。すげえなってちょっと口悪いですねごめんなさい。その先生は、日々救命救急に携わって忙しすぎる毎日のなかで、もっと川下じゃなくて川上のことをやっていきたいと考えられて、市民が自分で自分の健康を維持してゆけるようになり、応急処置も自分でできるようになったら、もっとこの国の医療は変わるって思われて、それでNPOを立ち上げられたんですよね。市民に伝えるために。そのNPOのための資金調達をわたしは当時していました。

要点も得ない。優先度もわからない。なにより、一番まずいのは、先生に聞きすぎてました。

その先生はね、救命救急ですから、ほんとに多忙を極めるんです。多忙度合いと、必要とされる集中力が、他の仕事の比じゃないと思います。なので、当初はメールをしても全然メールの返信が来なかった。忙しいからだろうって思ってたけど、ほんとに結構重要なメールにも返信来なくてどうしようって焦ったことあります。でも、色々考えてみて、自分のメール読み直してみると、あれ、わたしのメール長いなって思いました。長すぎるんです。要点も得ない。優先度もわからない。なにより、一番まずいのは、先生に聞きすぎてました。全部お伺いしてたんですよね。どうしたらいいですか、どうしたらいいですかって。わたしはこうがいいと思う、っていうリスクとった発言ができてなかった。それに気づいて、あ、もうこれやめよう、って思いました。確かに責任者は先生だけど、わたしだって、先生のビジョンに共感しているんだから、わたしだってリスクとっていこう、って思ったんです。

それでね、メールでは要点を明快にして、優先度を明確に示しました。そして、明確に自分の意見を伝えて、内容を「確かに先生でなければ不可能な仕事」に絞り込んでメールしました。そうするとね、すごいんですけど、返信がどんどん返ってきました。むしろこちらの期待以上の内容が10倍でかえってくるんです。一気にそのプロジェクトの価値が広がった。すごく嬉しかったです。

当事者意識をもって、きっちりリスクとった発言をしていくと、1人じゃなく2人以上で仕事する価値がね、ぶわって出てくるんですよね。

「返信がないのは先生のせいじゃない、わたしだ」と気づけて、どんどん仕事の精度が高まったんです。生産性とはなにか?を考えるときに、わたしは、自分で自分の仕事に責任をもって、リスクをとってその仕事の価値を上げてくことだなって思います。すべての意志決定をあおいじゃうのは、わたしがリスク取るのが怖いからだなって。思って。でも当事者意識をもって、きっちりリスクとった発言をしていくと、1人じゃなく2人以上で仕事する価値がね、ぶわって出てくるんですよね。

うん、いやーそれでもね、世の中には、「それはおまえの仕事ではない」とか言ってくる上司さんがいるのも知ってますし、「なぜ勝手に進めたのだ」とか言ってくるクライアントもいますから。わたしはあんまり会わないですけどね。そういった周囲の環境の場合、変えるのは大変だとは思うんですけど、そんな思考停止状態を求めてくる職場ってわたしはあんまり好きじゃないし、そもそも環境変えたほうがいいんじゃないかなって思います。

これ、メール一本の話をしているように聞こえるかもしれないのですけど、これから生きていくなかで、付加価値を上げていこうっていうことをどの業界でもどの働き方でも、言われると思うんです。そのときに付加価値を上げるって実は、「リスクとる」こととか、「覚悟決める」ところから始まるなって思います。

赤字の企業は、ITや人材にちゃんと投資してる企業かもしれないし、黒字の企業は人材投資せず内部留保してるかもしれないよね

「入谷さんこんにちは、わたしはNPOの事務方で働きはじめて1年になります。はじめての5月決算を終えて、ほっとしているところです!DxPさんは活動報告書に載せる活動計算書にわかりやすく文章を載せておられるので、これは寄付した方への説明にちゃんとなっていていいな〜と思っていて、うちのNPOでも真似したいと思ってます!」

といただきました。質問じゃなかったですか、ご紹介しちゃいました。ありがとうございます。
NPOで働いておられる方は5月末の決算終えて法務局にも行って、ほっとしている方が多いんですかね。そしてわたしもいまちょうど、活動計算書の横にのせる説明用文章を書いています。活動計算書というのはNPOにおける収支計算書のことです!

わたしは、なんでこの収入が上がったのかとか、経費が上がったのかとかを、寄付いただいたサポーターさんに説明したいなと思って、いつも収支計算の横に文章をのせるんです。
実はこの間サイボウズ社長の青野さんの本を読んだのですが、収支計算書が赤字だから悪いというわけじゃなくて、赤字の企業は、ITや人材にちゃんと投資して次の一手をきっちりうってる企業かもしれないし、黒字の企業は人材投資せず内部留保してるかもしれないよね、ということを書いておられて、おっしゃるとおりだなと思ったんです。ストーリー次第では、赤字もポジティブかもしれない。黒字が、ネガティブかもしれない。だから、ストーリーを書きたいなと思いました。
昔、かものはしプロジェクトのファンドレイザーをされていたヤマゲンさん、(本名は)山元さんかな、ヤマゲンさんにね、数字にはストーリーがあるから、ストーリーも含めて寄付した方に伝えたほうがいい、って言われて、確かになー!と思って、とにかく数字の横に言葉を乗せるようにしたんです。うちに寄付してくれた方には、数値も全部まるっと伝えたいなと思っております。

NPOが現預金を抱える体制にするんじゃなくて、資産運用させたい

そういえば先程内部留保の話をしましたが、6月3日の朝日新聞の記事で、企業側が持っている現預金は過去最高の211兆円で、30年前の平成元年より4割以上上がっているんだそうです。これ企業なんですが、NPO側でも、大手のNPOさんの財務諸表を見ると、同じように現預金をかなりたくさん抱えているNPOさんが多くおられるのがわかります。

これね、超余談なんですけど、わたしは、NPOが現預金を抱える体制にするんじゃなくて、資産運用させたいなあと思うんですよね。銀行口座にお金が溜まっている状態よりも、社会に流して運用したいなと。もちろん、うちは寄付型NPOなので原資が寄付なのに資産運用させていいんかいとか、元本減ったらどうすんねんっていう批判がくるんですけど、でも現預金に1億とかためこんどくほうが社会にはよくないだろうし。きっとそういう危機感を持っておられるNPOさんは多いだろうなと感じます。

また、NPOの資産運用についていろいろ調べていたら、NPOが資産運用すべき理由の一つに、インフレなど社会情勢の変化から寄付でいただいたお金の価値を守るため、とも書いてあったんですね。へーそういうふうには考えたことなかったなって思いました。円は価値が上がったり下がったりするのに、現預金として置いておくのはリスクでもあるよね、ていう意味ですね。

ちなみに、NPOは株式会社の株をもつことができます。ただ、もちろん、NPOは非営利活動法人で、営利を目的とした株の運用っていうのはできなくて、非営利事業にあてるための資金調達方法のひとつとして株式をもつのはおっけーなんですね。資金調達のための資産運用なら、そのための資産運用チーム生成がいるなーーと思っていて、公益財団法人さんの資産運用に関するアンケート調査が昔あったんですけど、やっぱり資産運用チームの生成が課題だっていうことが書いてあったんです。そういうのほかのNPOさんや企業の方と連携してできたらめっちゃ楽しいですよね。これからやってみたいなー!と思うことのひとつです。

もし一部を運用するのであれば、元本割れのリスクというのは避けられないのだから、寄付いただいている方との対話がいっそう必要だし、逆に理解していただければ、もっと社会にお金を流していけるんじゃないかなって思ってます。そういったことも考えて、きょうも、数字とにらめっこしながら、ストーリーをつたえたいなと思って仕事をしております。

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はい、ここではVoicyでコメントいただいていたので読み上げます。

ryohei_nakazawaさんより。はじめまして。いつもの配信は存じ上げませんが、とても癒し系で齷齪しないスタンスや実務的なアドバイスに元気を頂きました。フォローさせてくださいm(_ _)m

りょうへいさん、ありがとうございます!わたしもりょうへいさんのコメントに元気をいただきました!あくせくしないっていうのはすごく嬉しい言葉です。ゆとりをもって聞けるような時間にできたらなと思ってます。

すーさんより会ったことのない大勢の人に支えられて、今があるって感じます。今日もさっちんさんのVoicyに元気をもらっています。

すーさん、ありがとうございます。前回大阪北部の地震の話をして、いまこうしてここにいるのは土台があるからで、生きてるんじゃなくて生かされてるなって感じます、という話をしたのですが、それに対してのコメントかな、と思います。ほんとに、見えないけどいろんなひとに支えられてますよね。わたしもすーさんのコメントに元気をいただきました!

suzukiさんより今回もめちゃめちゃおもしろかったです。ひとり広報はニーズありそうですね。私としては、NPOには代表の右腕の存在が大事だと思っていて、NPO業界の風呂敷畳みにん的存在である入谷さんに、畳み人ラジオでてほしいです!

ということで、おーーーありがとうございます。ひとり広報の回はTwitterでも喜びのコメントいただいたので、第二回やろうかなとおもっております。そしてNPO業界の風呂敷畳み人ですか、恐れ多すぎるコメントですが嬉しいです!NPOにはものすごい右腕がいるんですよ。正直NPO業界には風呂敷広げられるリーダーはけっこういるけど、それを実現してプロジェクトたためる人がまだまだ少ない。あーでも、それはリーダー側の広げ力がたりないからかもしれないので、やっぱり風呂敷拡げる人もたためる人もすくないのかもしれないですが。

で、NPOはビジネスセクターよりも、関わるステークホルダーが多すぎるので、風呂敷たたむのめちゃめちゃ難しいんです。ボランティアのマネジメントも、ビジネスセクターの人からみると「は??無償なのにどうしたら人が動くの??」って感じだと思うし、政策提言とか、うちだったら学校の先生とかかわるとか、ソーシャルワーカーさんと関わるとか、自治体の職員さん、少年院とか、医療機関とか、本当にかかわる人が多い。そのなかで、おそるべきスピードでたたみきっている右腕たちがいるので、その紹介もできたら楽しいかもしれないですね。

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ということで、本日の配信も以上になります!
ここまで聞いてくださってありがとうございました。

先日嬉しかったことがあったんですけど、実はVoicy聞いてDxPに寄付したよ〜という方がいらっしゃったんですほんっとーーーに、ありがとうございます!D×Pのマンスリーサポーター制度はいま改定中でして、もっといろんなコンテンツを届けて、学びあえるコミュニティにできたらいいなと思っています。限定Facebookや限定LINE@などの配信も定期的に行っておりますので、よかったら、これを聞いている方もぜひマンスリーサポーターになっていただけたら、嬉しいです!

そしてもうひとつ嬉しかったのが、このVoicyの配信を文字起こししたいといってくださるリスナーさんがいて、匿名で、TUKA.Kさんという方なんですが、なんと、先日6月の配信3本をすべて書き起こしてくださったんですよね!びっくりしました…ほんとに。その書き起こしはわたしのnoteに記載しているので、もしよかったら入谷佐知voicyの文字版もぜひお楽しみください。voicyのコメント欄にリンクを貼っておきますね。

テキストになるとね、はじめて聞く方もこの番組では何話してるのかなーとちょっとチェックしてから聞いてみることができますし、有益な内容だったらコピペしてご自身のevernoteなどのメモアプリにストック保管とかもできますから、音声よりストックしたときの引き出し力が高いんじゃないかなとおもいます。

ということで、今日は嬉しかったのでとてもごきげんに配信しちゃいました。

本日は、どんなふうに生きてゆきますか?
今日もよい一日を、お過ごしください!


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Written by TUKA.K

※入谷佐知がVoicyで2018年6月26日に配信した「リスクをとってコミュニーケーションする。価値を拡げる。」の書き起こしです。TUKA.Kさんが書いてくださいました。サブタイトルや太字は、TUKA.Kさんによるものです。

この配信を聞いた感想


サポートも嬉しいのですが、孤立しやすい若者(13-25歳)にむけて、セーフティネットと機会を届けている認定NPO法人D×P(ディーピー)に寄付していただけたら嬉しいです!寄付はこちらから↓ https://www.dreampossibility.com/supporter/