見出し画像

組織だってコンテンツを量産すべきか、組織の外の「個」の発信を醸成する仕組みを作るか?

先日このニュースを見て、ワンメディアがこっちに行くんだなと思いながら読みました。

ワンメディアは分散型メディア。

分散型メディアとは、2016年頃から普及してきた発信のありかたのこと。自社サイト(オウンドメディア)を持たずに、Youtube,Instagram、Twitter、Facebook、Tiktokなどのソーシャル・ネットワークやコンテンツプラットフォームに直接配信すること。ユーザー側は「検索」や「リンクをクリック」することなく、そのコンテンツを自分の利用するSNSでそのまま見ることができる。

動きとしては、
SEO時代(2007,8〜)
・Google様Yahoo!様の検索史上主義
・広告:リスティング広告優位

SNS台頭時代(2011,12〜)
・SEOも含め、様々なメディアを利用。
・SNSは自社メディアに飛んできてもらうための集客ツール
・広告:バナー広告、ユーザー課金優位

分散型メディア時代(2016〜)
・各SNSで直接配信。
・コンテンツは各SNSの文脈に沿わせるのが大事
・広告:ネイティブ広告優位

というふうにシフトしているのかな、と感じる。

これまでFacebookやTwitterは「自社メディアに飛んできてもらうための集客ツール」として捉えられてきたけど、そうではなくて、「そのSNSの文脈のなかで新たな顧客を獲得するツール」になっている。

これは似ているようだけど、大きく違う。自社メディア呼び寄せツールだったらとにかくクリックさせることを考えて表現手法を作り込むけど、SNSに直接配信するならいかにそのSNSの世界観を崩さないかが重要になる。Tiktok文脈のなかで、インスタ文脈のなかで、それぞれに違和感のないコンテンツをつくらないといけない。なので、バナー広告よりはネイティブ広告のほうが有効になる。

そしてさらに、今回のニュースは、分散型メディアとしてコンテンツを自分たちでつくってきたワンメディアが、その「ワンメディア事業」を縮小して(コンテンツを自分たちでつくるのを減らして)、クリエイターネットワークを作って顧客とクリエイターを繋げていくというニュースだ。

内製にこだわってきたワンメディアがこの決断をした理由として、動画メディアが今ぶつかっている課題がある、と明石氏はいう。ここ最近顕著なのが、今まで以上にメディアが細分化し、個人による発信がメディアよりも影響力を持ちつつある点だ。「僕のTwitterもすでにワンメディアのアカウントよりもフォロワー数が多い」と明石氏が語るように、2010年代中盤から盛り上がった「分散型メディア」の流れは、最終的に“個”の発信に行き着く ── 明石氏はそう見ている。

そうですよね…。。

わたしも、分散型メディアの行き着く先が「個の発信」なのは間違いないと思う。影響力のある個人のサポートとエコシステム構築に携わるほうが理にかなっているので、企業としてのワンメディアがこちら側に行くのは、さもありなんという感じがする。

でも、なんとなく全体として分散型メディア上の「疲れ」というのも同時に感じている。SNSに疲れて情報の断捨離を行っているような感じだ。インスタをやめたり、Twitterをやめたりして、様々なプラットフォームを手放して行く人が出てきていて、この傾向がこの5年くらいで加速するんじゃないかなと思っている。


その取捨選択していく人たちがプラットフォームとして利用し続けると決めるのは、
・真っ当で、信念と出典のはっきりした記事を生み出すメディア
・優秀なクリエイターによるコンテンツを揃えたメディア(Netflixなど)
・影響力のある個人がつくるチャンネル/メディア 一択
・友人知人がいる、クローズドコミュニティ
の4つのどれかなのではないかなと思う。

NPOの広報としてどちらに向かうのか?

たぶんこの数年で揺り戻しが来る。振り子のように行き来しながら発信の理論が変わるなかで、いちNPOの広報担当としてどういう立ち位置にいたらいいのかな?と考えている。ワンメディアが組織の内製から個の発信のプロデュースに向かうなかで、NPOは組織だってコンテンツを量産すべきなのか、組織の外の「個」からのメッセージを醸成する仕組みをつくるべきか、どちらが妥当な路線なのだろう?

ここから先は

1,329字

¥ 100

サポートも嬉しいのですが、孤立しやすい若者(13-25歳)にむけて、セーフティネットと機会を届けている認定NPO法人D×P(ディーピー)に寄付していただけたら嬉しいです!寄付はこちらから↓ https://www.dreampossibility.com/supporter/