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「なぜシュタイナー学校に入れようと思ったんですか?」

えもいわれぬ景色を見て、思わず立ち上がる感情や、自分の中からぐっと湧き上がって掴みたいと思ってしまうような衝動をだいじにできたらいいな、と思っています。そして、その衝動を摘み取ることが容易にできてしまう社会だなあ、とも思っています。

ムスメがそもそも持っている衝動を邪魔せずに学べる環境に置けたらいいな。いいかたちで世界と出会い、学べたらいいな。そう思って保育園を考え、学校のことを考えはじめました。

わたしのムスメは公立の小学校に通わず、シュタイナー学校に通っています。正直、シュタイナー学校で先述のことができるのかはよくわかりません。できるんじゃないかな、とも思ってるし、できないかもしれないとも思っている。それでもいい。さほど大きな期待を学校にかけていません。よく「理想郷に行きましたね」「公立はひどいですよね」というふうに言われますが、公立がひどいとは思っていないし、わたしたちが持つ現実的な諸条件を加味したうえでベターな選択であっただけなので、ものすごくおおきな理由があるのだと思われてしまうとちょっと引いてしまいます。

わたしができるのは、彼女にとっての安心安全の空間をつくることくらいです。なにがあっても彼女を承認すること。もうそれくらいしかプレゼントできないかなと思っていて、でもそれさえあれば困難なことはあってもきっと自分でなんとかしてくれると思ってます。仮に彼女がこれから出会う職場や環境がクソみたいなところでも、きっと適切に逃げたり、乗り切ってくれるはず、と。(知らんけど) そしてそれはわたしが彼女に対してやることなので、学校は関係ないことです。

だから、娘をシュタイナー学校に入れたのはわたしにとっては親が介入しすぎな事案です。やりすぎだったかなぁーとも思うくらいです。だけど、まだ自己決定したり稼いだりすることはできない娘へ「最後のお節介をしてみた」という感覚でした。

そんなわけで介入しすぎ事案なので、わたし個人としてはさほどおおきな期待を学校にかけていません。学校でのトラブルはシュタイナー学校でもふつうに起こるし、知らないけどいじめだって起こるだろうと思います。でもその都度先生や他の保護者さんと対話して乗り越えていけたらと思ってます。

「環境は徹底的に考えて覚悟持って選択するけど、その環境にいると決めたら、その選択理由に囚われないし、学校に期待をかけすぎないし、自分からやれることをやるし、周囲のことも信じて困難を引き受けていこう」っていう感覚を、保護者さんは、持っていたらいいんじゃないかなと思います。

世の中にはさまざまな学校があり、学びの選択肢があります。でもどこでだってなんかしらの困難はあるから。理想郷に入れてもらうのではなく、理想郷を日々共につくっていけたらいいですよね。


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