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甘めのパンとサワー種


アメリカは今週、サンクスギビング(感謝祭)があります。家族で集まってご馳走を食べる特別な祝日なので、先週末のマーケットでは沢山の食事パンを焼きました。

その中でもお客さんの反応が良かったのがSourdough Sweet Rolls(サワードゥ スイートロール)というロールパンでした。
以前YouTubeでご紹介したハワイアンロールを甘くリッチにしたものです。
その試作をする過程で色々と気が付いたことがあるので、今回はサワー種と
甘さの関係についてシェアしたいと思います。

砂糖やハチミツなど、糖の量が多くなるとパン生地は甘さが強くなりますが、そこにサワー種を加えると少し甘さが抑えられる(甘さを感じにくくなる)ということを体験しました。
イタリアで食べられるパネトーネは砂糖を対粉40〜50%(日本の菓子パンの約2倍量)入れるそうです。そこにドライフルーツやチョコレートと更に甘いものを足す。
これが甘ったるいかと思いきや、そうでもないのは乳酸菌による長時間発酵で糖分が飛ぶ(菌の餌になる)ことと、乳酸酸味によって甘さが感じにくくなるためだそう。

パネトーネを食べたことがない人も、アイスクリームにヨーグルトをかけると、サッパリとした甘さになるのを経験したことがあると思います。
甘さを出したい(感じやすくしたい)なら、この効果を逆に使います
甘いパンを作りたいと思ったら、砂糖を多くするだけでなくサワー種を減らしてみて下さい。そうすると甘さを感じやすくなります。

パンの発酵中に菌の餌となる糖量はたかが知れているので、酸味による味覚の変化は大きいと思います。
それは感じ方が変わるだけで、糖分が減っているわけではないんです。
それを知らずに砂糖をどんどん足していったら「サワー種は消化が良いから、健康的」なんてとても言えません
そこはドライイーストの力を借りて、サワー種としっかり使い分けていきましょう。

「それなら、甘いパン生地にはサワー種を使わない方が良いのかな?」と思うかもですが、私はそうは思いません。
アイスクリームにヨーグルトを掛けると、アイスクリームだけとは違う美味しさがあるのと同じように、サワー種を適度に使うことで味に奥行きがでるからです。
個人的な趣向もあるので、サワー種の使い方は皆さん一人ひとり違う考えがあるでしょう

先週、YouTubeコミュニティ欄でご紹介したブログ「Dear Sourdough Geeks(親愛なるサワー種オタクの皆様へ)」を読まれたでしょうか?
まだ読まれていない方は、是非一読していただきたいと思います。
https://note.com/sachiko1227/n/nb7ea722874df

サワー種を使ったパン作りに、拘りを持つのは悪いことではありません。
ただ私のパン作りに共感してくださる方には、あまり視野を狭めないでほしいなと思います。

今回人気のあったSourdough Sweet Rolls のレシピはメンバーシップ限定生地にてご紹介します。
それでは、Enjoy your process!

#サワー種
#甘いパン

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