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相模健康センターで年初めサウナ

こんにちは。サウナのサチコです。

昨年2020年の年納めサウナは「相模健康センター」でしたが、なんと2021年最初のサウナも「相模健康センター」です。どんだけ好きなの私。

1月2日 快晴

自宅を7時40分に出て、電車に揺られてさがみ野駅についたのが10時20分。もちろん駅からの道もしっかり迷いました。青空の中にラッコちゃんが現れた時はもう嬉しくなって、「遅れてごめんね〜」と言いながら小走りで彼(ラッコ)の元へ向かいました。

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今回は快晴だったせいか、写真も綺麗。加工なしです。

玄関をくぐると、カウンターには数人のお客さんがすでに並んでいて、その奥にはロウリュウ姉妹のお姉さんの姿がチラッと見えました。そう、私がお正月を狙ってやってきたのは、このロウリュウ姉妹に粘土人形をプレゼントするためなのです。ちなみに私は昨年末に相模健康センターに電話をし、ロウリュウ姉妹の出勤日まで確認しております。

いざ、突入。

鍵が刺さっている下足入れはあとわずかしかなく、前回訪れた時よりも人の多さを感じます。さすがお正月。それとも閉店間近だからでしょうか。受付の列に並び、すぐに私の番がきました。下足入れの鍵を渡し、タオルは持ってきていますなどのやり取りを終えたところで私は食い気味に「私、サウナのサチコです!」とご挨拶しました。もちろん先月に一度お会いしていますが、私の顔は平凡なので自分から名乗っておかないといけません。それに今ご挨拶しておかないと、帰る時まで緊張してサウナに集中できませんから。

前回の私のnoteの記事も読んでくださっていたお姉さんは、すぐにサチコだとわかってくださいました。(名乗ったんだから当たり前だけど)

もうここからはいつもの通り。最大級にテンパっている私は「今、ここで粘土をプレゼントしてもいいですか」とたたみかけて、カウンター横で荷物をほどき始めました。粘土を二つ取り出してふと気がつきました。妹さんはどこ。お姉さんに尋ねると、「そこにいます」と言われ振り返りました。お客さんと話している妹さんが見えます。前回とは異なる髪型をされていたので、気がつきませんでした。綺麗に編み込まれたその髪は、なんとお姉さんがやってあげているそうで、大きなうちわや爆風ロウリュウを操るだけでなく、細かい編み込みまでできるのかと驚きました。一方、妹さんは常連さんに対して体を気遣うような言葉をかけていて、常連さんはその言葉に嬉しそうに、そして恥ずかしそうに冗談を返してました。

このお客さんが相模に来られるのは、あと何回なんだろう・・・。ダメだ、そんなこと考えたら初っ端から泣きそうになる。泣くのは仕事を終えてから(無事に粘土を渡すという仕事)。

さて。

プチプチでぐるぐる巻きにして持ってきたロウリュウ姉妹人形は、どこも骨折することなく、無事に相模健康センターの受付カウンターの地に立つことができました。不安定なので自立はしないんですけどね。ロウリュウ姉妹はとても喜んでくださって、ほっとしました。お姉さんは粘土で作ったうちわを手に、「今度これでロウリュウする」と笑ってくれました。

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⬆︎ 家を出る前に撮った写真です。赤いのがうちわ。

一方、妹さんの粘土人形には、サウナストーンにアロマ水をかけるときのバケツ(バケット)とその中に柄杓(ラドル)の小道具が付いていたのですが、そのラドルを見て妹さんが、「う○ちかと思ってびっくりした」と笑ってました。いくらなんでもそんなものは作りませんて(笑)。

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⬆︎ まあ、そう見えなくもないけど。

「粘土を持って、一緒に写真を撮ってもいいですか」とお願いしてみると、お二人は快く引き受けてくださいました。ただ、何度もいいますが私のスマホは「iphone6」。画面は小さいし3人で写るには相当体を寄せ合わないと入りません。さらに美肌に映るようなアプリなんか入れたら容量いっぱいになるから、加工抜きのありのままの姿しか撮れません。「写真に昭和感が出るスマホ・・・」という妹さんのつぶやきに、そういえば前回の記事で私、そんなこと書いてたなと思い出しました。本当に細かいところまで読んでくださっていることに感激しながら、腕をめいっぱい伸ばしてシャッターボタンを押しました。その写真は非公開です。ごめんなさい。そのうちイラストでも書いて、ここに後から挿入しておこうかな。

つまりまた読んでねっていう、作戦です。


「この人形、厚木に飾ってもいいですか」

写真を撮る前か後だったか忘れたけど、妹さんのこの言葉に私は耳を疑いました。だって私の今年の目標の一つに、「自分の粘土人形を温浴施設に置いてもらう」があったから。誓いを立てた2日目にして、それが叶っちゃうの? 

「もちろん、よろしくお願いします」

わーい!!!!!

みなさん! 厚木健康センターに行けば、サチコの作ったロウリュウ姉妹粘土人形を直接みることができますよー。

なんてすごいんだろう。なんて嬉しいんだろう。もう、このままここにいて10日の閉店までお二人と話していたいけれど、お客さんの邪魔になるので退散することにしました。ロウリュウ姉妹にお礼を言って、粘土が骨折したときのための木工用ボンドもお渡しして、私は女湯の暖簾をくぐりました。「ごゆっくり」という姉妹の声を背中で聞きながら。

今日は丁寧に入ろう。

たぶんこれが最後になる。一つひとつ、しっかりと目に焼き付けて帰ろう。そう思ってまず体を隅々まで洗いました。入り口すぐ横の洗い場が混んでいるので、なぜなんだろうと思っていたら、この一角だけシャワーが違うことに気がつきました。他の洗い場はレバーを引くとシャワーが出て自動で止まりますが、ここだけは自分で止めるまでお湯が出続けます。つまり洗髪中にいちいちレバーを下げなくても、シャンプーの泡が消えるまで洗い流し続けることができるんですね。みんなそのことをちゃんと知っているんだな。通っていなければ気がつかないことです。

体と髪を洗い終えて辺りを見回すと、密ほどではありませんが、どのお風呂にも2、3人のお客さんがいることがわかります。でもいつもの通り、お風呂はあと。私は早速サウナへと向かいます。ここのサ室は広いのですが、すでに10人ほどのお客さんで埋まっています。今回も上段が空いていたので、そこに座りました。温度計は85度。でももっと熱く感じるのも前回と同じ。汗もたっぷり出て来ます。いいぞいいぞ、いい感じ。

前を見ると、おしゃべりを控えるようにというポスターが目に入ります。私がいる間はサ室でもお風呂でもおしゃべりしている人はいませんでした。サ室で自分が使ったサウナマットを残したまま退室し、またそこに戻って来るという人は結構いましたが(笑)。でもそうしたことを私はあまり気にしません。もちろん汗を流さずに水風呂に入るようなマナー違反は許せませんが、おばあちゃんに近い年齢の人がしてしまう多少のマナー違反は、仕方のないことが多いから。

年をとれば耳も遠くなり声が大きくなる。足が悪かったりしたら、洗い場やサ室の座る位置は重要です。裸の体を見れば、その人がどんな不自由さを抱えているのか分かることも多い。そこからその人がお風呂に来ている理由も垣間見えたりします。こんな時だから、マスクもせずに大きな声で会話を続けることは確かにいけません。でもきっと、こうしたポスターを作ったのはお客さん。お客さんの強い要望を反映したからこうなったのだろうと想像します。閉店前にこういうポスターを貼らざるを得ないお店側の気持ちを考えると、何だか辛い。

皆が快適に過ごすためのポスターだからこそ、それが息苦しさに繋がっては本末転倒。公の場で「その話が今必要か」を考えることはすごく大事です。そしてそれは裏返せば、必要な会話をしている人を咎めるような息苦しい場所にはしないという意味でもあります。マナーが他者への思いやりでできているのだとするならば、その人の事情を想像して必要なことであれば許すということもまた、思いやりではないかと私は思っています。閉店までどうか、みんなが穏やかに過ごせますように。

すみません、話がちょっと逸れました。

1セット目。

サウナに6分ほど入ってから、隣のシャワーで汗を洗い流し、15度の水風呂に体を沈めます。1分ともたずにそこを出て、外のととのい椅子に座ります。ぶら下がる風鈴の音が前回よりも高く聞こえて来て、北風が強く吹いていることがわかります。でも寒くない。6分でしっかり温まった体には、あまみがすでに出始めていました。例のごとく首を左に少し傾けると、ボワーンと景色がゆっくりと歪んで来て・・・1セット目から私、ととのってしまいました。

全部で3セット。

途中でロウリュウ姉妹の妹さんがアロマ水を足してくださったり、マットを替えてくださったり。妹さんの真っ白で細い足の先に、ピンクのペディキュアが見えます。その綺麗な足がくるくると黄色いマットの上を動き回るのをつい目で追ってしまいました。その動きにはバタバタとした慌ただしさはまったくなくて、しなやか。タオルを替えながらお客さんに話しかけるその声も優しくて。そんな細かいところに私はずっと見惚れていました。

「テレビのチャンネルを駅伝に替えて欲しい」

サ室にいたお客さんの一人が言いました。噂に聞いていたチャンネル替え。ちょっと楽しくなって来る私。妹さんは「みなさんよろしいですか」と確認しています。私はテレビはどうでもいい方なので、もちろんオッケー。妹さんがリモコンを手に戻って来て、画面は駅伝に替わりました。そのあともチャンネル替えを申し出たお客さんが、「みなさんすみませんねえ」と辺りを見回しながら謝っていました。「いいんですよ、気にしないでください」と大きな声に出して言えないのが辛い。みんな汗まみれでタオルで顔を拭いたり覆ったりしているから、表情が読み取れない。結局そのままみんなで黙って駅伝を見るという・・・。アイコンタクトってサウナでは難しい。

3セットを終えてからは、ゆっくりお風呂に入りました。特に露天の草津の湯が私は好きで、白濁したお湯の中にお猿さんのような赤い顔をしてすっぽり入りました。岩場を流れるお湯は透明なのに、溜まると白濁するのが不思議。横にある看板の効能書きも読んでみました。自律神経だの湿疹などはあるけど、帯状疱疹はないのか・・・(自分勝手)。あれ? 「お風呂に入って数日経ってから湯当たりすることもある」って書いてある。それはどういうことだろう。よーく読んでいるとその場で湯当たりしそうなのでやめました。

そうこうしているうちに、お腹がすいたので食堂へ。ディスタンスが保たれているため空いている席が少なくて、お座敷にしました。今回は写真撮りましたよ。選んだものはこれ⬇︎

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好きなものと栄養を考えたチョイスです。美味しかったー。湯の泉グループはおそらくどこも同じメニューですが、草津も相模も本当にどれを食べても美味しい! 今回はデザートまで食べました。濃厚。⬇︎

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食べながらお客さんを見回すと、家族連れや友達同士、おひとり様など客層はいろいろです。おじさんがテレビの駅伝を見て、思わず声をあげて応援したりして。子どもがお蕎麦食べてるのにお父さんだけソフトクリーム食べていたり、家族全員分のコップを抱えて、セルフのお茶をテーブルに並べるお母さんがいたり。色々な人がいるのに皆、お正月をここで過ごそうと思っていらしたんだと思うと、何か通じ合うものを感じます。そんな気持ちを忘れないように、ノートを取り出してちまちま書き留める私。怪しい覆面ライターのようです。視線を感じた気がして慌ててノートをしまうと、若い女性と目が合いました。あ、私ではなく私の奥にあるテレビを見ているのね。彼女は私と同じビールと、定食らしきものを食べていました。一人なんだ。食事もちゃんとしていて、なんだか格好いい(どんな基準)。今度は奥の方の席に目を移しました。若い男性が友達同士で来ています。でもずっとスマホを見て指を動かしています。ツイッターかな。

そういえば、


ツイッターをやっていないんですか。

とよく聞かれます。

私やってないんです。ツイッターのメリットは知ってます。それを始めればロウリュウ姉妹とも繋がれるし、お店に電話などしなくてもその日出勤しているかどうかもわかっちゃうだろうな。最新の情報が手に入り、たくさんのお友達と繋がり続けることができる。でも今のところ、ツイッターを始める予定はありません。だって私みたいな人間は、絶対依存症になるから。

私、インスタだけでもかなりの時間を費やしています。インスタはサウナに行ってから数日後に「行って来ました」と投稿することができますが、ツイッターはリアルタイムであることが特徴。見るだけにしたとしても、新しい情報を常にチェックしておきたくなるに違いありません。つながった人が今どこにいるのか確認したくもなるし、自分で言うのもなんですが、根が真面目なのでしっかり早めの返信もしてしまうでしょう。きっと今以上にスマホが手放せず、疲れてしまうと思います。

私がツイッターに依存しそうで怖いと思う理由はもう一つ。人と常につながって自分の寂しさを埋めたいと思ってしまいそうだから。インスタを始めた時も最初はそういった傾向が私の中にありました。いいねが嬉しい。コメントしてもらうことが嬉しい、返すことが嬉しい。承認欲求というものです。SNSは寂しさを一瞬で忘れさせてくれます。しかしそれは一瞬であるからこそ、次はもっと強い寂しさが顔を出します。おそらく私の場合、つぶやき続けなければ寂しさはどんどん増すばかりです。夜中に目が覚めてもインスタを確認してしまう自分は、本当に楽しんでいるんだろうか。そう思うと、とても虚しくなったことを記憶しています。

一人になりたくてサウナに行き始めたのに、いつしか多くの人と繋がりたくてサ活の投稿を急ごうとしている自分が怖い。たった数人でもいいから、私を大事に思ってくれる、私が大事に思える人がいればいいはずです。そしてサウナは一人でもいいし、楽しい。そう思えるようになってからは、とても楽になりました。

だからサウナに来たら、基本的にはスマホを閉じるように心がけています。サ室や脱衣所はもちろんのこと、できれば食堂でも休憩所でも。


ご存じですか? 

相模の食堂で働いている方の中には、きちんと束ねた髪に黒い蝶々のバレッタつけてる人がいます。それが何だと思われるかもしれないけど、「食堂のおばちゃん」とひとくくりにせずちゃんと見ると、その人の働く姿勢を通していろんなことが学べます。それから脱衣所の洗面で、自分の落ちた髪の毛を丁寧にティッシュで拭き取る人もいます。久しぶりに会った友だちにいきなり、自分が職を失った話を切り出す人もいました。お風呂に入ったはずなのに脱衣所で「寒い」を連発する子どもに「わかってる!」とキレてるお母さんもいました。全部今回の相模健康センターで見たことです。こうした小さな発見がよりサウナを楽しくしてくれると私は実感しています。サウナはサ室や水風呂の温度だけじゃない。お客さんや働く人たち、休憩所の作り方、食事、清潔さ、などなどいろんなことが合わさって一つのサウナを作ってる。そしてそれを知るのに必要なものは外からの情報ではなく、ここにいる自分です。

相模でもついスマホを手に取ってしまいそうな気持ちを抑えて、前回と、今日ここにきてからのことをゆっくりと思い出してみました。するとここは、すべてが「ちょうどいい」所なのだとわかりました。「ちょうどいい」が、絶妙の心地よさを作っているのです。それが私の思う、相模健康センターの素晴らしい所です。寂しさは寂しさのままかもしれないけど、自分の作ったあったかい相模の羽衣で、それが守られていることを感じます。

ロウリュウがないときでも、その日にイベントがなくても、そこにサウナがあれば楽しめます。そして予期せずに起こること、偶然もまた楽しいものです。むしろその経験の方が心に残ります。前回の相模も今回の相模も、私にはサプライズがありました。私はそれが多いから、このnoteの記事が書けているようなものです。

いやいや何を偉そうに語っているんだ、私は。

ツイッターもちょうど良い距離感を持って楽しんでいる人はたくさんいるし、そこで繋がった人と一緒にサウナを心から楽しんでいる人もたくさんいます。サウナに入る前も後も、その楽しみ方は様々でいいのに・・・。それこそ私には想像力が足りません。

本当は、

自分に向いてないって思うから、なかなか始められなくて嫉妬しているだけなんです。いつも男性専用のサウナ施設のレディースデイを知らないままで、悔しい思いをしたりしてます。こっちが本音です。もし温浴施設の食堂で、私がスマホ抱えてツイッターでガンガンつぶやいているのを見たら、その場でド突いてください。

また話が逸れた。


食事後、

もう一回サウナに入りました。1セットだけと決めて、大切に入りました。何も考えようとせず、もし何か考えてしまってもそのままに、相模のサウナを全身で感じよう。そう思って大切に入りました。でも、最後だと思っていても、結局いつもと同じになってしまう。それがサウナのいい所なのかな。

そうして、私の相模健康センターでの時間は終わりました。


会計時には、カウンターにロウリュウ姉妹が並んでいました。何か最後に言いたいと思って出てきた言葉は「サウナ、熱かった」と、「ここはちょうどいいんです」という二つ。日本語覚えたての人みたいで恥ずかしいけど。妹さんが頷いて、「みなさん、初めて来た気がしないとおっしゃいます」と言ってくださいました。そうだ、

私、まだ2回目だった。


すっかり常連気取りでした。

私よりたくさんここに来てるであろう若いお客さんのことまで、上から目線で説教しちゃったよ。本当に申し訳ありません。


後ろにお客さんが見えた気がして、次は厚木に行くことを約束してお別れしました。靴を履いて正面を見ると、寄せ書きが目に飛び込んできました。前回は百合子の顔を書きましたが、今回は何も書けませんでした。ここにずっといると本当にさよならできなくなりそう。

「お気をつけて」

「ありがとうございました」

ロウリュウ姉妹の声が後ろで聞こえました。その声の大きさからたぶん、遠くにいる私に向かって言ってくれていると思うのに、なんだか振り返ることができずにそのまま外に出ました。ごめんなさい。

4時間くらい居たけどまだ日は高く、来た時と同じように太陽がラッコちゃんに降り注いでいました。ラッコちゃんにもさよならを言わず、私は駅に向かって歩きました。さよならはどうも苦手です。

「さようなら」は、漢字で書くと「左様なら」。左様であるならば、という意味があるそうです。つまりそのようであるならば、次はこうしようということ。これが最後ではなくその次があるということ。次に向かって歩き始めるために、一旦お別れするのです。


左様なら、ロウリュウ姉妹。

左様なら、相模健康センター。



サウナのサチコ

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