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平均年収1800万円のキーエンス「高給の理由」

 みなさん、こんにちは。

キーエンスの抜群の利益率の良さは、どのような社内教育から生み出されたものなのかを記載したいと思います。

企業が稼ぐ仕組みを見ると、営業マンの働きぶりも見えてきます。キーエンスは研究開発や製造プロセスをなくし、販売代理店を通さないことで高い営業利益を実現していることが特徴でした。それを踏まえて、キーエンスの営業マンが課されている試練は大きく2つあります。1つは商品に対する膨大な知識を吸収すること。もうひとつは、売上ではなく利益を成果として追いかけていることです。

 新入社員が入社すると、まずは徹底的に商品知識を吸収することになります。自社や競合他社の製品を知る勉強会が残業時間に行われ、百戦錬磨の先輩を相手にロールプレイングを繰り返します。

 知識と経験豊富な製造現場の経営者は、難解な質問を投げかけることがよくあります。通常の営業マンなら、「開発担当者に聞いてみます」または「メーカーに問い合わせてみます」で終わり。

 ですが、生産性を追求するキーエンスでは、持ち帰ることが許されません。営業マンがその場でどんな質問にも答えるのが原則なのです。数々の修羅場をくぐり抜けてきた先輩社員は、顧客がどのような質問をするのかがわかっています。

 想定される質問をあらかじめ潰しておくことで、営業効率を上げているのです。競合他社の製品に対する知識も深く、ライバル会社の営業マンよりも知っているという話があるほどです。

 営業には売りやすい土壌というものが存在します。情報の非対称性です。業界についての知識や経験が豊富な方が有利に立てるというものです。住宅や保険、金融商品、結婚式場は売り手がより多くの情報を持っているため、素人同然の相手には売りやすくなります。経験の浅い営業マンでも、高額な商品を比較的簡単に売れるのはこのためです。

 しかし、キーエンスの場合、相手(売り先)の知識と経験が豊富です。若手社員にとっては、情報の非対称性という有利な条件が働きません。凄まじい勉強とロープレを重ねるといわれる所以はそこにあります。

 キーエンスの営業マンは売上ではなく、利益を目標として追っています。利益目標を実現するためのKPI(重要業績評価指標)は数十あり、営業マンの行動は徹底的に管理されています。KPIのひとつに通話時間の制限がありますが、これも無駄の削減(=利益の追求)に他なりません。1日のテレアポ件数をKPIに設定している会社は多いですが、通話時間まで決めている会社はごくわずかでしょう。

 KPIを達成するために行動が厳しく管理されていることも特徴です。外出時の行動をチェックするため、車にGPSが搭載されて監視されているのではないか、との噂があるほどです。また、通話はすべて記録されているという話もあります。

 こうした話は噂の域を出ませんが、行動管理が徹底しているのは事実です。多くの会社ではKPIを設定したものの、上司がその細部までチェックすることはほとんどありません。時間が経過するにしたがって破綻するのが普通です。しかし、キーエンスはその徹底ぶりが違います。マイクロマネジメントを追求しきる文化が醸成されているのです。

 KPIはなんとなくやって達成できるものではありません。意欲的に取り組む必要があります。1つひとつを確実に達成させて利益目標を達成する企業文化こそが、キーエンスの強みとなっています。

 営業マンに課される高い負荷と、それを乗り越えて達成する目標。その繰り返しが高利益体質の会社を生み出し、翻って高年収へとつながっているのです。

頑張っただけ収入として帰ってくる仕組みが、社員をやる気にさせるのだなと、教育システムと結果に結びつける環境整備が改めて凄いなと感じます。


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