大矢幸世

freelance writer & editor living in Tok…

大矢幸世

freelance writer & editor living in Tokyo. 話す口実が欲しくてインタビューをしています。

マガジン

  • おおやのおしらせ

    告知ばかりで恐縮です。

  • おおやの本仕事

    大矢が構成や編集協力を担当した書籍のご紹介です。

  • 取るに足りない雑記

    意味のないことばかりザックリと。

最近の記事

しなやかな日常をつくるフェーズフリー──あたらしい防災のあり方

朝早くからさまざまなメディアから発信された、あの日のこと。東日本大震災から13年経っても、脳裏にはあのときの光景がこびりついています。当時、福岡にいた私はただ茫然とテレビ画面を眺めて、Twitterをリロードするしかできなかった。現実と思えないことが現実に起こって、あまりに変わらない自分の日常との乖離と温度差に、ただただ無力感が募るばかりでした。 今年も1月1日に能登半島地震が起こり、地震から時間が経つにつれ被害の深刻さが浮き彫りになっていくのに、私は相変わらず何もできなく

    • 2023年の振り返りと2024年のあれこれ(お仕事まとめ)

      年を追うごとに1年経つのが早く感じられ、もうこの時期か…と頭を抱えることもしばしば。2023年は世界情勢の不安定さ、過酷さ、悲しいニュースにふさぎこみ、Twitterの終焉でかなりSNSから遠ざかってしまいました。個人的にも特にままならないことが多く、仕事としてはなかなかシビアな年でした… 夏に子を産んだのですが、初期のつわりはなんともなかったものの、それ以降は腹が張り気味で座っていられる時間が激減してしまい、おのずと原稿を書くことができず……前倒しで管理入院となり、1カ月

      • 矛盾だらけの社会を嘆くよりマシな方法

        最近どうもTwitterから遠ざかり気味なのは、イーロン・マスクが「そっちじゃないだろ!」とツッコみたくなるTwitter改善をすることにうんざりしているだけじゃなくて、あまりに違う価値観と考え方が飛び交い、日々炎上とプチぼやが繰り返されていて、「人は分かり合えない」と絶望してしまっているからかもしれません。 でもせっかく「声を上げる」手段を手に入れた私たちが、束の間感じた希望を、みすみす手放してしまっていいのか。「世界はどんどん分断されている」と嘆くだけでいいんだろうか…

        • 希望は私たちがつくるもの

          2023年1月31日、兵庫県明石市長を務める泉房穂さんの著書『社会の変え方』が出版されました。 今回、構成を担当させてもらいましたが、私個人の視点から、この本が生まれた背景を語りたいと思います。 日本に数ある市区町村のなかで、こんなに目立っている市長はなかなかいらっしゃらないでしょう。おそらく多くの方は「あー、あのTwitterの」「子ども施策の」とか、あるいは「なんか暴言とかパワハラとかやばそう」みたいなイメージを持っていると思います(ですよね……)。 私自身はという

        しなやかな日常をつくるフェーズフリー──あたらしい防災のあり方

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        • おおやのおしらせ
          13本
        • おおやの本仕事
          10本
        • 取るに足りない雑記
          10本

        記事

          2022年の振り返りと2023年のあれこれ(お仕事まとめ)

          うっかり年末年始に若干体調を崩してしまい、ゆるゆると過ごしているうちに年始からの仕事に追われ(現在進行形)、気づいたら旧正月に入り、1月も終わろうとしています。 お盆と正月を避けて閑散期に帰省するようになってから、ますます人の多い時期は引きこもり、そもそも人付き合いも希薄なので、フリーランスとして致命的なのでは……思いながらもぼんやりと過ごしてしまった一年でした。うっかりにも程がある。 こんな私に仕事を発注してくださる皆さまのおかげで生き長らえております……本当に本当にあ

          2022年の振り返りと2023年のあれこれ(お仕事まとめ)

          日常を変えるやわらかな革命

          最近、出かける先々でヘラルボニーのプロダクトによく出会います。カラフルなエコバッグ、ハイアットセントリック銀座東京のアートルームとコラボしたTシャツ……「ヘラルボニー」という言葉に聞き覚えがなくても、アイコニックなアートワークにはきっとどこかで見覚えがあるはず。 直近では本日10月19日から31日までうめだ阪急で「ヘラルボニーアートコレクション」が開催され、9階の祝祭広場がヘラルボニーで埋め尽くされます。 そんなヘラルボニーを経営する松田崇弥さん、松田文登さん著書の『異彩

          日常を変えるやわらかな革命

          「日本の閉塞感」はどこから来ているのだろう?

          サイボウズで人事を務める髙木一史さんの著書『拝啓 人事部長殿』が6/17(金)に発売されました。 サイボウズ式ブックスからは山田理さんの『最軽量のマネジメント』に続き、2冊目の本。3年という長い時間をかけて、満を持しての出版です。 出版の経緯は髙木さんのnoteに譲るとして、ここでは私から見たこぼれ話を綴ろうと思います。 私がプロジェクトに関わることになったのは2020年。当初は“『サードドア』の会社版”みたいな感じで、若き人事がさまざまな企業を訪ね歩くような内容を考え

          「日本の閉塞感」はどこから来ているのだろう?

          2021年の振り返り、そして2022年へ(お仕事まとめ)

          この年末年始も地元には戻らず、いつも通り東京で過ごしています。親しくさせてもらっている福岡の居酒屋、酒峰さんに無理言っておせちを送ってもらって、日本酒も用意してもらったのでほくほくの正月でした。 2021年は2020年と同様、取材はリアルかオンラインの半々、普段はシェアスペースにとぼとぼ歩いていって仕事して銭湯に入って帰る、という毎日を送っていて、となりで会う人との何気ない会話が本当にありがたかった一年でした。切実に雑談不足なので。 でもうっすらとした不安や停滞感が仕事に

          2021年の振り返り、そして2022年へ(お仕事まとめ)

          世界を測るものさしはひとつじゃない

          構成をお手伝いした澤田智洋さんの著書『マイノリティデザイン』が3/3に出版されました。詳細は澤田さん自身のnoteに譲るとして、この記事では私から見たことを綴ります。 ……と、冒頭からサラッと「見た」と書いたものの、私たちはどれほど人の身体や行動、あるいは属性に紐づいた慣用表現を当たり前に使ってしまっているのだろう。視野を広げる、心の声を聞く、足を伸ばす、人生を歩む…… コピーライターで世界ゆるスポーツ協会代表理事の澤田智洋さんは、息子が生まれて数カ月経って、彼の目が見え

          世界を測るものさしはひとつじゃない

          2020年のあれこれと2021年に向けて

          休みだろうがなんだろうがぼそぼそと書きつづけている年末年始。恒例となりつつある一年の振り返りと展望ですが、2020年はいつもより増して多くの人にとって忘れがたい年になりました。これほど多くの人が一つの物事に対して継続的に議論したり行動したり、また逆にそれでもなお変わらないことを目の当たりにして、悲観的にも楽観的にもなったりして、感情の揺れに身をまかせていたらとてももたない一年だったと思います。 まずは本当に、本当にお疲れさまでした。 で、私はというと、リアルの取材が軒並み

          2020年のあれこれと2021年に向けて

          「カルチャーモデル」から「いい会社」を考える

          8/28発売『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』の編集協力を担当しました。 著者の唐澤俊輔さんは日本マクドナルドで28歳にして史上最年少で部長に抜擢され、社長室長やマーケティング部長などを歴任。2017年からメルカリで執行役員VP of People & Culture 兼 社長室長として、人事・組織の責任者を務め、2019年からはSHOWROOMでCOO(最高執行責任者)を務めていました。そして2020年にご自身の会社を立ち上げ、Almohaを共同創業されること

          「カルチャーモデル」から「いい会社」を考える

          ガンダムファンに解説したいドリカム新曲『G』のヤバさ

          ガンダムファンの皆さま、はじめまして。そうでない人は「いったいおおやはどうしたんだ」とお考えかもしれませんが、ドリカム1年3カ月ぶりの新曲『G』を聴いて、居ても立ってもいられず他の原稿を置いて筆を執っております(すみませんすみません)。 皆さん、聴きましたか。聴いてない人は何を差し置いてでも聴いてください。はい、DREAMS COME TRUE『あなたとトゥラッタッタ♪/THE WAY I DREAM』(2018年)以来の新曲で、劇場版『Gのレコンギスタ』のテーマソング『G

          ガンダムファンに解説したいドリカム新曲『G』のヤバさ

          2019年の振り返りと2020年に向けて

          いつもより増して、年末年始が飛ぶように過ぎ去ってしまい、2020年の仕事始めを迎えていますが、年始のご挨拶に代えて、改めて2019年を振り返ることにします。お時間あれば、おつきあいくださいませ。(2000字弱ですが、記事リンクがたっぷりあります) なんだかんだで書籍構成、3冊担当しました2018年末時点でも予告していましたが、結果的にご縁あって3冊の書籍構成をお手伝いしました。中でも『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』は8刷4.6万部、『最軽量のマネ

          2019年の振り返りと2020年に向けて

          半径5メートルからはじめるサブスクリプションモデル

          まさかこんなに立て続けにお知らせすることになるとは、半年前の私は知る由もありませんでしたが… 構成を担当した『サブスクリプション実践ガイド――安定収益を生み出すビジネスモデルのつくり方』が7月3日に出版されました。 著者の佐川隼人さんは、SaaSサービス「たまごリピート」などを提供するテモナ株式会社の代表取締役社長。2018年12月に一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会を設立、代表理事に就任されています。 今回の書籍もまた、いつも執筆している「未来を変えるプロ

          半径5メートルからはじめるサブスクリプションモデル

          社員を犠牲にしてまで、追うべき数字なんてない

          構成を担当した中村朱美さんの著書『売上を、減らそう。たどりついたのは業績至上主義からの解放』が6月14日に発売されました。 著者の中村朱美さんは、株式会社minittsの代表取締役。京都で「佰食屋」という飲食店を経営されています。ステーキ丼、すき焼、肉寿司とそれぞれ異なる業態を3店舗、そして今月「佰食屋1/2」という新たなコンセプトのビーフライスとキーマカレー屋さんをオープンされたところです。 今回の書籍も、前回のピョートルさんのときと同じように、“未来を変える”プロジェ

          社員を犠牲にしてまで、追うべき数字なんてない

          駆け込みで平成の10枚を選んでみる

          夫と話してたら「平成くくりでアルバムを選ぼう」となったので、めちゃくちゃ苦肉の策で10枚選ぶとしたらこんな感じになりました。 岡村靖幸『家庭教師』(1990/平成2年) リアタイでは川本真琴『愛の才能』(1996/平成8年)(オリジナルVer.がデジタル音源化されてないので本当に本当にソニーはなんとかしてください…)を聴いて「うわっこの曲めちゃくちゃかっこいい」と思ったくらいだったのですが、過去作がストリーミング解禁されてからまぁハマったハマった岡村ちゃん。どれもとんでも

          駆け込みで平成の10枚を選んでみる