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石川善樹さんのこと

石川善樹さんとはじめて会ったのは、2011年の暮れの忘年会の席だ。ぼくはその年の暮れに勤めていた出版社をやめて、いまの会社をつくったばっかりだった。

年末に開催されたその会は、男ばかりの総勢20人くらいで、渋谷の道玄坂の焼き鳥屋で開催された。

少し遅れていったぼくは、長いテーブルの、一番はじっこの席に座った。よしきさんは、その向いの席にいて、お互いに自己紹介をして、話しはじめた。ほどなくして「論文を読むのが趣味」だと彼は言う 。「最近はどんなのを読んだんですか?」と聞くと、後にいっしょに本をつくることになるダイエットに関する論文の話や、集中力についての話などが出てきた。

いつの間にか、飲み会の終わりの時間が来ていた。帰り際に、盛り上がりながら、また会いましょうと約束していると、同じ会にいた水野敬也さんに「加藤さんもよしきの魅力に気がつきましたか」と笑顔で言われた(彼らは前から知り合いだった)。

その後、ぼくは cakes をつくって、よしきさんにはしょっちゅう出てもらっている。彼のインタビュー記事は、いつも大人気だ。テレビにもよく出ているし、本も売れている。あの時のおもしろい話がどんどんコンテンツになっているのだから、いまの活躍は当然だと思うし、その後も日々、論文を読み続けてパワーアップしている。

よしきさんがおもしろいのは、根本的なところから考えるところである。論文を読むのが趣味というと、網羅的にいろんな知識を得ていくのが好きなのではないかと思いそうになるが、そうではない。彼は、考えるとはどういうことか、ということを常に考えている。一見、遠回りにも見えるが、これが実はいちばんの近道なのだ。

そして、考えることを仕事にするというのは、それをずっと続けていくということだ。調子がいい日もあるし、悪い日もある。職場が変わったり、家族ができたり、環境も変わる。だから、自分を乗りこなして、どうやって成果を出すのかを考えてからやるのがいちばんいいのだ。

そしてそれは、現代で普通にはたらく、すべてのひとが同じだろう。彼の新刊『仕事はうかつに始めるな』は、前著の『疲れない脳をつくる生活習慣』に引き続いて、考え方、働き方、生き方について書いてある本だ。「フロー」と呼ばれる、クリエイティブな状態にどうやってなるのか、ということについて書いてある。

cakesでも一部を読めるからぜひ見てみてください。

仕事はうかつに始めるな



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