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今日のnote #34

「アイデアを出す秘訣はありますか?」と、たまに聞かれる。仕事柄、これについてはけっこう考えてきたのだけれど、やっぱり、わかりやすい方法は見当たらない。でも、根本になる考えかたというか、筋道についてはちょっとわかってきた気がするから、書いてみる。

前提として、ぼくは人間の頭の良さは、そんなに変わらないと思っている。たとえば、100mを走る速さは、一番速いひとでも10秒弱、遅い人でも20秒くらいだ。おそらく15秒くらいが平均だろう。脳だって結局はフィジカルなものなので、頭の良さの分布もそんなものだろう。

頭の良し悪しが問題にならないとすると、なにが差をつけるのか。ひとつは「考える量」だろう。元の条件が同じなら、長時間、たくさん考えたほうがよくなる可能性が高い。実際、いいアイデアを出すひとは、たくさん案を出すし、しつこく考え続ける。

問題は、たくさん考えるのはけっこう難しいということだ。多くの人は、いいところにたどり着く手前でやめてしまう。考えている時は先が見えないから、現状のなかでいちばん良さそうなところで終えてしまうのだ。でも、ほとんどの場合、これでは不十分だ。

アイデアを出すのに慣れているひとは「いまの案は70点くらいかな。ありえなくはないけど、もっといいのがあるはず。だからもうちょっと考えよう」というふうに考えることができる。こういう自分のマネージのしかたを、経験しながら積み上げるのがいちばん大事なことだと思う。頭の良さなんかよりも、こういうところで成果物の仕上がりが変わってくる。

じゃあそのやりかたはどう身につけたらいいのか? ひとことでいっちゃうと、「気合い」と「うっかり」だと思うんだけど、それはまたこんど書きましょうか。15秒のひとでも、10秒のひとの2倍、考えれば勝てるんだから、おもしろいと思いませんか?

5月10日 土曜日

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