アダルトVRと最初のiPhoneの共通点。10年という時間。

先日、こんなつぶやきをした。

正直に言うと、このときはアダルトVRコンテンツを実際に体験したことはなく、想像で書いていた。

しかし、リツイートがどんどん増えていく。

私は責任を感じていた。編集者として、いや、人として、体験してないことをえらそうに語るのはアカンのではないか。これは、なるべくはやく体験するべきであろう。大人(アダルト)として。

少し調べると、自遊空間というマンガ喫茶で体験できると、先人がTwitterに書いていたのを見つけた。その10秒後、会社の空き会議室で、自宅最寄りの自遊空間に電話をして、VR機器の有無を確認した。

その日の夜、会社を定刻で切り上げ、自遊空間に向かった(1月4日のことである)。

レジで機材をかりて、小部屋に入り、そそくさとVRゴーグルを装着する。そして操作に戸惑うこと10分。

うおおおお…………。

という感じである。詳細についてはいろいろちょっと語りにくいので、大人(アダルト)のみなさんはぜひ体験してみてほしい。感動すると思う。

で、ここからが本題なのだが、経験から言って、こういう技術は、10年くらいで一般に普及する。

いまはまだ、マヌケなゴーグルをかけなくてはいけないし、解像度もそんなに高くないし、操作も洗練されていない。そしてなにより、試すこと自体に心理的障壁もある。

でも、そんなことはすべて、時間が解決する。

たとえば、デジカメで言うと、1995年にQV-10という機種をカシオが発売した。はじめての民生用の安価なコンパクトデジカメで、30万画素だった。当時のカメラマニアは「あんなのはおもちゃだ」と言っていた。

私が編集者になったのは2000年だが、そのころのプロカメラマンはまだフィルムカメラをつかっていた。でも、キヤノンの5D Mark1が出た2005年には、プロの仕事もほとんどデジタルになった。QV-10からちょうど10年。

スマートフォンも同じだ。最初のiPhoneが発売されたのは2007年。日本では2008年にiPhone 3Gが出た。発売日に買ったぼくは、みんなに「使いにくくない?」「電池もたないんでしょ?」とか、いろいろ言われた。10年後の2017年は、ご覧のとおりだ。

技術の進歩と、人々の心が、ちょうど調和するのに必要な時間が、10年という時間なんだと思う。

スマートフォンはただ電話やインターネットができるだけの機械ではなく、人々の行動様式を変えて、社会全体をがらっと変えてしまった。自動車が売れなくなったり、不動産の都心回帰が起こったり、ファミレスが24時間営業をやめたりしたのもスマートフォンの影響があると言われている。

いまのVRは、ちょうど最初のiPhoneくらいの「仕上がり」だ。荒削りだけど、そこには未来の広がりが見える気がする。

今後VRはどうなっていくのか? 映画、テレビ、ゲームなどはもちろんだけど、それよりも、たとえば旅行とか恋愛とか結婚といった、人生における「大型体験アクティビティ」にさえ影響を及ぼすのではないかというのが、冒頭のツイートの趣旨だ。はたして。


ヘッダ写真はcakes編集部daikumaさん撮影の軽井沢合宿での1枚。最近、こういう景色を生で見ると「うわー解像度たけー。テクスチャーすごいなー、フルカラーでなめらかに動いてるよ!」などと思ってしまう。病気である。

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加藤貞顕

コルク佐渡島、note加藤のコンテンツ会議

コルク代表・佐渡島庸平、noteやcakesの運営会社ピースオブケイクの代表・加藤貞顕が、その週にふれたコンテンツについて書いていきます。毎週水曜日更新(予定)!

コメント3件

そのうち、女性向けのアダルトVRも出来そうですね。
そうなると、子育てもVRで出来そうですね。
さすがに妊娠、出産はVRでは体験出来ないと思いたいですが、そこも技術でどうにかなっちゃうんでしょうか?
Quicktimeも最初に見たときはパラパラマンガのようで、映像業界ではまるで使い物にならないと言われました。でもそれは技術として当たり前のことで、10年かけて洗練させたからこそ4Kでも動くようになって誰でも使えるようになっているんですよね。それにともなう世界も変わっていく。今、VHSや初期デジカメの画質を見ると驚きます。笑
こんばんは。^^
すごいワクワクするテーマです。
今よりまた大きく進化する10年後、どんな世界になっているのか、想像がつきません。
でも、溢れ出す人々の向上心はきっと変わらないと思います。^^


赤城 春輔
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